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永劫回帰は夢を見ない  作者: ユナ
第2章 国盗り編
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固有魔法

あらすじ 謎解き考える人ってすごいね。

【知恵の試練 数字】



─────それは、ただ1人も達成者を出さなかった破滅の迷宮。

分数や因数など様々な数字が挑戦者を襲い、そして二度と出れぬ大穴へと引きずり込む。

今日もそんな迷宮に一人と一匹が迷い込んだ。

迷宮の餌食となり、そのまま朽ち果てる運命だった。




─────運命だった。





「よし!開いたな!先に進むぞ」




ナイフは試練を突破しなかった。正確に言うと試練にイライラしすぎて、魔法を放った。

それが普通の魔法ならいい。だが今回は───────




「あなたのその魔法って、、、」



シロは声を押し出す。知っているからだ。その魔法の威力。本来魔法というものは上位でない限り、そこまで便利なものでは無い。そして上位でも、何らかのデメリットや条件がある。

だが一つだけあるのだ。それら全てを無視する最大で最強の魔法が。

己の努力のみで発芽する、人生を写す鏡が。



「ん?あぁ、これは俺の固有魔法────」



ナイフはその手を見る。右手には大きな刃のような赤い刀身が出ている。

先程はそれを振って扉を攻撃した。その刀身から赤い斬撃が飛び、あらゆる物を切り裂いた。




「────切り裂く物は刃では無く心《ザ・レッド》」




シロは斬撃の後を見て唾を飲む。ナイフは確かにキレて固有魔法を発動した。だが怒りがトリガーでは無い気がした。

ナイフは叫ばずにザ・レッドと言って発動した。シロは改めて自覚する。

ナイフ、クスノキ、ユーロ。こいつらは化け物だと。



おーい!とナイフはシロに叫んでいる。先に進むぞと呼んでいるのだ。シロはナイフの元に歩く。

足取りは重かった。レッドを見たからでは無い。今から聞くことを想像したからだ。



「ナイフ、貴方はユーロを信じでますか?」



「・・・どういう事だ?」




シロは改めて唾を飲む。この質問で今まで築いた信頼関係は無くなるかもしれないからだ。

いや、そもそも信頼など無かったのかもしれない。

ナイフは上を見て少し黙り、そして話す─────


「信じているかで言えばNoだ。だが、信じる気が無いか?と言えばそれもNoだ」




「どういう事ですか?」



矛盾という言葉を今のナイフは体現している。

信じていないが信じていると言っているのだ。




「あぁ、言い方が悪かったな。俺はユーロを信じていない。だが頭が信じているユーロを信じている。俺は聞いたんだよ、あの時─────」




それはアップルを殺した後、屋敷から逃げて森の中にいるナイフとクスノキ。そして気絶しているユーロ。

ナイフはユーロに近づき首を見る。



「─────何をする気ですか?ナイフ」




「トドメを刺します。こいつは生きててはいけない。ここで殺すべきです。またいつ暴走するか」



「それは許しません」




クスノキは剣をナイフの顔の横につける。ナイフはそれを見てクスノキを睨む。理解できなかったからだ。その行動が。



「・・・正気ですか?こいつを生かしていたらろくな事になりませんよ?」



「それはあなたが判断することではありません。彼女を見逃すか、私に殺されるか選びなさい」




その言葉を聞いてナイフは考えは変えられないと察してその場所から立つ。それを見てクスノキも剣をしまう。




「知りませんよ?頭。どうなっても、貴方は彼女を生かしてまた彼女が人を殺した時に責任を取れるんですか?」




「彼女は利用されただけです。それに、彼女がまた間違いを犯さないように我々が見守ればいいだけの話。彼女は死んで許されるような存在ではもう無いのだから」





そして、ナイフ達はその場を立ち去る。少し重い空気を保ち、そして歩きながら。




そして、舞台は今になりナイフはさらに続ける。



「信じられるか?頭は自分を殺そうとした人間を活かしているんだぜ?そして、何か意図がありそうに行動している。

間違いない、頭は今回のデモで何かを企んでいる。そのためにユーロを利用しようって言うのなら止めはしない。ユーロもそれに協力するべきだろうしな。」



ナイフは確信した表情で語る。何かがあると。クスノキには何か自分では思いもつかない壮大な計画があると。

もちろんクスノキにそんな計画はない。まぁ、小さいのならあるが。



「その目的とは?」




シロは聞く、当然の疑問だ。



「知らん。知りたきゃ勝手に頭に聞け。まぁ話してくれるとは思えんがね。さぁ、そろそろ行こう。頭達はどこかね」







ナイフ達は先に進む。するとある不自然なことが起こる。

何も無いのだ。トラップも何も。あの迷宮に入るまでに何度も死にかけた罠がひとつも。

ナイフ達は平和に歩く。





─────そして、そのまま道を歩き、大きな場所に出る。




「遅かったですね。ナイフ」





そこには石の上で座っているクスノキと膝枕で寝ているユーロがいた。

読んでいただき本当にありがとうございます!




星を増やしてくれるとありがたいです。




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星ももちろん大歓迎!




具体的には☆☆☆☆☆を★★★★★にね。




そうするとロリのやる気が上がります。

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