押しちゃダメだよ?
あらすじ またまたエッグケイブ
「何も無いですね」
「本当だねー暇だよ」
クスノキとユーロは、はぐれたナイフとシロを探しながら今目の前にある道を進む。
だがその道には特別何も無く、ただ狭い石の道があるだけだった。
上には人工的な照明があり、たまに前から冷たい風が吹いてくる。いかにもな場所だ。
2人はその道を歩く。何か出てくればいいのにと思いながら、退屈して歩く。するとユーロが何か見つける──────
「何これ?」
「ボタンでしょうか?いやそんなテンプレのように」
─────ボタンだ。石の壁に不自然な木のボタンがある。どう見ても押してくださいと、言っているような場所にあり、極めつけにそのボタンの下には、、、
「絶対押すな?何で?」
ユーロがその下に書いてある文字を読んだ。
(ここ日本人が作った?)とクスノキは思ってしまうほどテンプレだった。テレビとかでよく見るあれだ。
そしてユーロはそういう時─────
「押しちゃダメと書いてあったら押すのが私よ!
ポチッとな!!!!」
─────こういうタイプだった。
ちょっ!と反応するクスノキ。だがもう遅い。ボタンはもう押してしまったのだから。地獄が始まる。
しーーん 警戒をしたが何も起きない。
「な、何も起きませんね?」
「そうだね。はぁー押して損した。もう行こクスッチ。ボタン3回ぐらい押しとこ。ポチポチポチと」
クスノキ達は何だったんだ?と反応して先に進む。
一方その頃ナイフとシロはというと─────
「うぉぉぉ!!何だ!何だ!いきなり針が!!」
「ちょっとナイフ邪魔です!!って前から火が!!」
そう、先程ユーロが押していたボタンはここのトラップを作動させていた。ナイフとシロは走る。前から火が来たり、横から針が飛んでくる。
こちらの洞窟は比較的道が広く、2人が横に並んでもまだ余裕があるぐらい幅がある。
だからこそトラップが大量だ。そしてそれを作動させているユーロはもちろんその事を知らない。なので────
「おっと!?こっちにまたボタンが3つ!ポチ!ポチ!ポチ!!」
「ユーロ、何も起きないからと言って押すのはどうかと思いますよ?もしどこかでトラップが作動したらどうするんですか?」
クスノキの予感は当たっていた。
その場所ではなく他の味方がいるところで。
「火が!!」
「水が!!!」
「巨石だぁぁあ!!!助けてぇ!!!」
ナイフは持ち前の反射神経で、シロは鼻でトラップをかいくぐっていた。トラップを作動させているのはあちらなので、予備動作などなくランダムにトラップが出る。
・・・そしてついに彼がキレた─────
「てめぇ!狼!!体がでかいんだよ!それで知らずのうちにスイッチ押してんじゃねぇのか!?」
「はぁ!!???私には人間以上の目と鼻があるんのですよ!?
自分が発動させたからって、こっちに責任を押し付けないでくれませんか!?」
なんだと?なんですか?と喧嘩が始まった。お互い顔を向き合って、目から火花が散っている。
そしてあっちの平和なチームは─────
「おっとこっちにまたボタンがポチ!!」
「ユーロ、いい加減に」
またボタンを押した。そして、ナイフ達の場所でトラップが発動する。今回は1回しか押していない。
矢が右の壁から射出される。その矢はナイフとシロの向き合っている顔の間に刺さる。
もちろん2人ともその矢を見る。石をえぐる威力の矢を。
2人は硬直して顔を青ざめた。
「な、なぁ、俺達動いてなかったよな?」
「えぇ、私達はボタンなどは押していないはずですが?・・・」
そしてこっちでもユーロがキレる。
「あぁ!もう何このボタン!!何も起きないじゃん!!おりゃ!ポチポチポチポチポチ!!」
ナイフ達は矢が飛んできた砲台を見る。そこには新しい矢が装填されていた。しかも、1つではなく何個も。
「「に、逃げろ!!!」」
矢がナイフ達を目掛けて飛んでくる。シロは体が大きいのでしっぽ等ではじき飛ばしている。
だがナイフから見てもこの数は異常だった。
(クソ!!何がどうなっている!!誰かが見ながらボタンを押してんのか!?)
ナイフ達はその犯人に気づくことは無い。
なぜなら───────
「このボタンもポチ!こっちの紐もブチ!この風船もアタタタ!!!」
・・・この様に無自覚だからだ。
「んげ!!前から水が!!こっちからマグマが!!上からゴミが!!どうなってんだ!!この洞窟は!!!!怒」
その後も、毒や虫や剣が四方八方からナイフ達を襲った。
ユーロ達には何も無く。
だが、そのトラップ地獄も終わりを迎える。
4人の足が止まったからだ。
そこにあったのは扉。そして大きく【知恵の試練】と書かれている。どうやら謎解きのようだ。
そして──────
「「終わった」」
頭を抱えるナイフとクスノキ。
「「その言葉どういう事!!怒」」
とキレるユーロとシロだった。
クスノキチーム 【知恵の試練 言葉】
ナイフチーム 【知恵の試練 数字】
クスノキ達はここで知る。この世界で生きるには暴力以外にも力が必要なことに。
読んでいただき本当にありがとうございます!
押しちゃダメだよ?と言われると押したくなるよね?
次の話でクスノキ編
さらに次の話でナイフ編です
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