未来日記
あらすじ 日記があった。ジャポニカでは無い。
ただの日記だ。まさかほんとに、思春期的なあれか?
乙女だから見るな的なやつだったか?まぁここは見ずにそっと棚を戻すのが紳士という─────
ペラ
めくってるよ。ナイフという男は、平然と。いやデリカシーが無いって怖いねー。まぁ、開けようって言った俺が言うのも何だけどね。
「やはり、これは違いますね」
何が?あぁそう言うこと。
「まぁ、確かに年頃の人にしては買う日記の表紙が違いますね」
「違います。ちょっと黙ってて。これはストロベリーの日記ではありません。もっと古い物です」
クレープも俺と一緒に見ている。正直俺には何がなんだか分からん。
「別に?名前も書いてないし、数ページ見ただけじゃ何とも。・・・・!!??」
「気づいたか?クレープ」
「嘘でしょ?なんでこんな物を持っているのよ。こいつは!」
何が?なんで分かるの?
「頭。ここを読んでください」
はいはい。えーと何何?【○月✕日 ストロベリー死亡】はぁ?だから?さっき起こったことじゃん。別に何も・・・・はぁ?
「本当にあったのか。この国の国宝と言われている未来日記が」
ポツリとナイフが言う。未来日記か。随分とSFな奴が現れたな。何とも言えない。誰かのイタズラでは?
「それは無いわ。この○月✕日 ■時△分 丁度ストロベリーが死んだ時間だわ」
怖いこと言わないでくれよ。ん?何?なんか文字が浮かび上がってきてない?何?これ。
【○月✕日 ■時△分 クスノキ ナイフ クレープ 死亡】
・・・・・・は?
「─────逃げなさい!!!!」
ドコン!!と床が抜ける。そこからユーロが現れ、クレープの腹を刀が貫いた。
「がぺっ!!」
「ナハハハ!!!死ね!!!」
そのまま刀を動かし身体が真っ二つになった。なった?えっ死んだの?どういう事だ?あの文字に書かれた通りになるのか?じゃあ、俺達はもう詰んでるのか?
「頭!惚けている場合じゃありません!!すぐここから脱出を!!」
「───させると思いますか?」
ドン!!!という銃の発砲音のような音が聞こえる。耳がしびれキーンという音が鳴る。俺は少しだけ目を閉じた。
開けた先で、ナイフの死体が目の前にある。頭から血を流し、ピクリとも動かない死体が。
銃声は後ろから聞こえた。そして、撃った奴の声を知っている。黒幕っぽいやつが実は黒幕でしたなんて時代遅れもいい所だ。
「アップル」
「また会いましたね。名探偵?随分と怒っているようだ。いやー、困った。そんな顔されると殺したくなりますよ」
やるか!?仕方ない。もう仲間は死んでいる。であれば剣を振る躊躇もない。お前ごと吹き飛ばして───
「あぁ、彼女のトドメは約束通り貴方に譲りますよ?」
「アアア!!!!」
俺は後ろを振り向く。忘れていた。もう1人普通の犯人がいたということを。剣は・・・もう遅いか。はぁ、万事休すだな。
ズバン!!
俺の首と体はそこで別れた。熱い血を流し、二度と会えぬ事実に涙をするようにドクドク流れている。俺の生はここで終わった。
【なーんて!!虫のいい話があるわけないですよね!!ここまで来て?またバットエンド?いやいや!ここまで来たのならハッピーエンドになりましょうよ!!あなたが死のうがどうでもいいですが。私の目にバットエンドを映さないでください。吐き気がします。
なのでもっかいやり直してきてください!!いやー、神は信用しない方がいいですよ?
はい!!コンテニュー!!】
*
「頭!頭!頭!聴こえてますか!?」
俺はその瞬間、目を開ける。ハッ!と目を開ける。どうやら眠っていたらしい。嫌な悪夢だったよ。やけにリアルなね。
「今どうなっていますか?」
「今は屋敷の犯人を探しています。ストロベリーさんも既に。ライムさんも────」
いやいい。てか変わってるな。いや変えてくれたのか。余計なお世話を。
「時間の無駄です。犯人はもう分かりました。ナイフ、ひとつ聞きたいのですが・・・・」
「はぁ、それなら確か地下にありますよ。大きい物が」
そう。丁度いい。馬鹿野郎をそこでお仕置しますか。場所はどこ・・・・・ん?俺手になにか持って。
「え?」
俺の手には未来日記があった。間違いない材質も触ったから分かる。持ち主が移ったのか?何で?まぁいい内容は?
【○月✕日 ■時△分 ユーロ キッチンに移動】
へぇ、そんな事も分かるのか。じゃあ行きますか。全ての謎を解く為に!
~キッチン~
ゴソゴソと何かが動く音がする。俺はキッチンにつき平然とそれに近づく。何でだろう。恐怖はない。
「何をしているんですか?ユーロ」
「え!?クスッチ!?なんでここが。いや、サボってる所ばれちゃったかー、アハハ。まぁ、許してよ。ここから真面目に─────」
真面目に。ね。まぁどっちでもいいよ。俺が言いたいことはただ1つ。君を恨んじゃいない。復讐したいとも思っていない。ただ一つの感情が。友人同士で生まれるあの当たり前の感情がね。
「ユーロ。多くは語りません。なので一言だけ。【1発は1発】ですよ?」
「・・・・・は?もぎゅ!?」
俺はユーロの顔を掴み。そのまま床に叩きつける。動ける隙間など与えない。まだまだ力を入れる。常人なら顔潰れているんじゃないかな?綺麗な顔なこって。
少しづつ床が凹んでいく。ミシミシと音を立てながらクレーターが出来ている。一発は一発だ。それを言っているのはユーロじゃない。中にいるお前だよ。
少しだけ耐えていろ。ユーロ。
「私の!友達を、返せぇぇ!!!」
ついに床が抜ける。そのまま地下室に落ちる。ユーロを下敷きにして。
着地する瞬間に石煙が上がる。結構上から落ちたな。死んだか?
「てめぇ、何故わかった!?」
まぁだよね。死ぬわけねぇわな。いいね。そうじゃないとつまらない。試させてもらおうか。俺の体の性能を。ただその前に決めゼリフをひとつ。
「今回の事件の犯人はユーロ!貴方です!!!」
俺の声が地下室に反響する。決まった!いいね。やはり決めゼリフはここぞと言う時に言うから良いんだね!まぁ聞いたのが1人しか居ないのが残念だけどさ。
「そうか。死ね!」
「やってみて下さい。借り物風情が!」
さぁ最終決戦だ!!!
読んでいただき本当にありがとうございます!
最初はライムとストロベリーを生かすつもりでしたが、なんかごちゃごちゃしてかったるいので殺りました。
屋敷編あと2話ぐらいで終わると思います。
星を増やしてくれるとありがたいです。
面白かったと思ったらブックマーク!
感想やレビューもお待ちしております!
星ももちろん大歓迎!
具体的には☆☆☆☆☆を★★★★★にね。
そうするとロリのやる気が上がります。