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タイトルには何の意味もありません。
もしも───
そうもしもの話をしよう。
もしも君が偽物で本体が別にいるとするならどう感じる?自分という存在は偽りでしかなくオリジナルがほかにいる。そうならどう思う?
ん?自分にオリジナルが居ないから分からないって?そりゃそうだ。分かる人間なんて居ない。
そうだよね。例え君たちは隣にいる人間がそうだったとしてもそうやって目を閉じるんだもんね。よく分かるよ。俺もそうだから。
「君の代わりはいない」
その言葉を何度貰ったか。その言葉を聞く度に吐き気がする。
だってそうだろ?
「代わりはいないって事はいてもいなくてもどっちでもいい」って事なんだから。
必要なら代わりは用意するだろうし。そういう事なんだろうなと、俺は受け止めた。
ん?さっきから俺は誰だ?って?嫌だな。最初からいたろ?
それとも見えてない?見えるはずがない?見てないフリしてる?
君が今見ている物語はこれだ。きみはいまみている。なら君が見られているという事も実感した方がいい。
一方だけが干渉するなんて有り得ない。君が物語に干渉するのなら物語も君に干渉する。
君がありもしない物語と決めつけた物にもちゃんと意思がある。ちゃんと、未来がある。
例えば命を殺す本を少年が読んだとして、その衝動で隣にある二足歩行の命を消したとする。それは少年の心に物語が干渉して起きた結果だ。
ん?物語にそんな力は無いって?そりゃそうだ。物語なんて所詮は字の羅列だ。45個の規則性の文字の羅列に過ぎない。物語に力を与えているのは君たち自身だ。
君が物語を認知した瞬間、君の心の中で物語は生まれる。ただの文字の羅列に意思が宿る。ただの有り得ない物語に命が生まれる。
あぁ、そうだとも。今もあれが事件を解決しようとしている。
だが少し考えて見てほしい。犯人はクレープか?
否
あんな少女に包丁で人の胸を貫通できるわけが無い。
容姿が分からないって?そりゃ分からないように説明しなかったからね。いたろ?1人。そういうのに長けた奴が。
だがそれを見るにはまだ早い。もう少しだけ踊っていてくれ。エンドロールにはまだ早い。
ああ、最後に俺は誰だって話だったね。誰だろうね?この文字を打ってるのも俺なんだけどさ。だからなんだって話よ。
*
─────鐘がなる。鐘がなる。
小さな国に鐘がなる。響く音は高くそして重い。それは民にとって虐殺の合図だった。
クスノキもこれを知ることになる。
主観クスノキに戻る。
「ライムさん。この鐘はいったい?」
「なんだい。知らなかったのかい?ならさっきの態度も水に流そう。冒険者に登録してるから知っていると思っていたがね。この国は呪われているんだ」
呪われている?ユーロもそんな事を言っていたな。あの時はなんかの比喩だと思っていたがどうやらそんな事じゃないらしい。
「────あんた達がこの国に初めて来た時も見てたよ。命知らずが来たもんだとね。だがあんた達は正しかった。
この国の門が閉まる前に外に出た。だがら大丈夫だったんだろう。あの時も他に来ていた新婚が犠牲になってたよ」
そうか。だから、つまりこういう事か?俺が家に入っている間に、鐘を鳴らして犠牲者を俺じゃなくて他の奴に塗り替えたのか?おい、聞こえてんだろ!神!
【いやー。我ながらなんという機転!ですよね。あっ、クレームは受け付けませんよ?私はこの国を夕方出なくてもいいようにしただけなので、この鐘が鳴り終わったら外に出ることをおすすめします。他には質問ありますか?】
お前神なんだよな?なんでだ?人々が死んでいるんだぞ?俺みたいに弱い奴が死ぬんだぞ!何故それを黙って見ている!それでも神なのか!!
【うーん。価値観の違いですかね?例えばですが、善良な人が危険な目にあっていれば誰もが助けますが、罪人であれば誰も助けませんよ?それと同じです。この国の人々は罪人なんです】
罪人?何を言って?意味が─────
【は?貴方ここまで来てまだ見て見ぬふりするつもりですか?襲ってくるのを知らせる鐘があり、襲っくるのにだれもこの国から出ようとしない。馬鹿でも分かりますよね?この国の人々は出ようとしないのではなく、出られないんです。
烙印なんですよ。この国に生まれたこと自体がね。
この国は悪魔に売り渡したんです。】
クスノキはその瞬間聞く。べそをかく音が。その方向を見てみるとそこには泣いているライムがいた。
「どれもこれもあれのせいだ。国の外からの脅威を排除する為?巫山戯るな!敵なんで来やしない!それどころか退屈すぎて内部から食べられているじゃないか!!
売り渡したものがでかすぎる。でかすぎるんだよ。
あぁステーキ」
クレープが言っていたその先って?俺はライムが犯人だと思っていた。だが本質は違う?誰が黒だ?誰が白なんだ?
それとも────
「キャァァァアアア!!!!!!!」
何処かで悲鳴が出る。それは畏怖を見たのか。恐怖を見たのか。それほどの純粋で透明な悲鳴だった。
俺とライムは走ってその場所に行く。走って。走って。
場所はキッチン。そこに行くと、地獄が待っていた。
「救護は出来ないのか!?」
「無理です!あぁ、なんで!なんで!なんでぇぇ!?」
「諦めちゃいけません!必ずお救い致します!だからお願いします!お願いだから──────」
そこに居たのはクレープとアップルともう1人のメイド。3人とも顔を青ざめている。焦っている。クレープが必死に声を掛けている。でももう遅いそれはもう、死んでいるのだから。
「────目を開けてください!ストロベリー様!!!!」
そこにあったのは数分前までストロベリーと呼ばれていた、人形の死体だった。
ここからこの事件は更に糸を深く、そして固く結んでいく。
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