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永劫回帰は夢を見ない  作者: ユナ
星の出で立ち編

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ダストボックス第2層攻略作戦(3)いきなりのホラー

  雪山に似合わない鋼鉄の扉がひとつ。銀色の世界で、一際存在感を放つのは囚人達を迎え入れる休憩所。

 ここに入れば自由は無いが、外で凍死よりかはマシ。そんな状態だった。


  ドアを開ける。というか開いた。

  中は――


「普通ですね」


  内装は、普通の休憩所という感じ。

  いわゆる安い食堂みたいなイメージだ。少し暖房がついており、簡素ではあるが外から来た後だと、ここが天国に感じてしまう。

  そして一番の問題は、ここに誰も居ないと言う事。ここは監獄、看守などが居るはずだが、それすら居ない。

  まぁ正直、鋼鉄の扉…という1文だけで入って来たから、そもそもここが監獄であるかも分から無いんだがな。

  ムーンとハヤサカに聞いてみようか。


「ここで合ってますかね?」


「さぁな。道なりに進んできただけだし、間違っていても、あぁそうですか。としか思わん」


「ハヤサカの言う通りですね。ですが、扉が開いた以上、歓迎されてない事は無いでしょう。とりあえず進んでみますか。

  すみませーん。誰かいますかー!?」


  ムーンの声は、食堂から響き渡る。だが帰ってくるのは、静寂と少しのこだまだけ。聞こえてないには、無理がある。つまり人はいない、と言うこと。

  さて、進んでみますか。鬼が出るか蛇が出るか…ね。


 ◆◆◆◆


  謎の施設を進んでいく俺達。

  【エリアボスのお知らせ】と、張り紙があったので、ここが監獄であることは間違いない。だがそれだけ、それ以外の手掛かりがない。

  時折部屋があるので開けてみるが、中には無人の綺麗な部屋しかない。だが、荒らされた形跡も無いので、囚人の反乱とかでは無いだろう。

  …無いのだう…が。逆に不安だ。照明も、鏡も、影も、何一つ違和感が無いのに、何故か不安を拭えない。

 何が起きて…それに後ろのふたりも喋らないし。


「てか、なんで2人もしゃべら無い…え?」


  俺は後ろを振り返る。すると何故か、居たはずの2人が消えていましたとさ。



  いつから居ない?

 あの時、この建物に入った時は、確実にいた。だって話をしたもん。あれが嘘なら、シュレディンガー的な哲学になってしまう。

  いたと仮定した場合、はぐれたとは考えにくい。あの二人は俺の後ろをずっとついてきていた。そして、あの二人が故意的に離れた場合…は、無いだろう。流石にそんなに性格は悪くない。…多分ね。

  だとすれば結論は1つ。

【はぐれたのでは無く、はぐれさせられた。】

  嫌な予感がする。…いや、まさか? だが、そんな()()が成立するのか?

  だが、これが真実であれば、ここが無人なのも説明がつく。

 つまり、ここは刑務所でなく、【既にエリアボスの迷宮】という事だ。


  めんどい事になってしまったなー。まじで。


 ◆◆◆◆


  あれから五分ぐらいたっただろうか?

  俺は今も進んでいる。一人寂しく、キョロキョロ周りを見ながら、恐る恐る進んでいく。

  だが、収穫もあり、俺の結論【エリアボスの迷宮】というのは正しそうで、どれだけ進んでも、景色が変わらない。

 

「またこの部屋だ」


  数分歩くと、必ず最初に入ったあの部屋が現れる。同じ場所に、同じ部屋で。

  他の部屋は、場所が変わったり、荒れていたり綺麗になっていたりする。だが、この部屋だけは、意味があるかのように、ずっと佇んでいる。

  流石に、俺も意味がありそうと感じてきたので、入ってみる事にする。…即死トラップとかじゃないよね?


  この部屋の内装は、白いベットに、小さな机。そして大きな鏡。至って普通の部屋。

 どれも綺麗になっており、いい意味で生活の痕跡がないと言える。

  これだけ綺麗になっているのを、荒らすのは少々心が痛いが、探させてもらうか。


「ベットの中は…無い。下は…何これ?」


  あったのは、1つの懐中電灯。スイッチをつけると、暖かい光が放出されている。

 ただ、ここは明るく使う場面等、無いように思えてしまう。だが、ある以上何か意味があると信じたい。

  ベットの下は、これしか無い。

  後は、机か。だが、これといって怪しい物は無いと思う。ヒノキのような材料で出来ており、引き出しがあるだけ。まぁ、ここに何かあるのだろう。


「何も無い?」


  ガラッと開けると、そこには空っぽだった。あれだけ、俺も何かあると余裕を噛ましていたら、この始末。なんだが恥ずかしい…とでも思ったか!? 推理小説を結構(4冊)読んだ俺の頭を舐めないで欲しい。これは二重底と言うやつだ。

  嘘の底を取り外して、その奥にあったのは――


「紙?」


  そこには1枚の白い紙。中央には【Bの22に行け】という文字が書いてある。

 周りを見渡して見ると、ここはBの11であり、結構近い。命令形なのが少し鼻につくが、行ってみるしかないか。ここには、もう他に欲しい物はない気がするので、進もうか。


「さてと……ん?」


  気の所為か? 大きな鏡を通る時、鏡の俺が変な感じがしたが、まぁ大丈夫だろう。別に刑務所も明るいし、そんなに不安がる事も…暗くね? なんか。

  あれ? てか、これ。ホラーじゃね?

 


読んでいただき本当にありがとうございます!


ということで、刑務所兼エリアボスの大紅蓮です。このエリアボスは常時出現しており、資格が手に入った時、この異空間にワープさせられます。


星を増やしてくれるとありがたいです。


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感想やレビューもお待ちしております!


星ももちろん大歓迎!


具体的には広告下の☆☆☆☆☆を★★★★★にね。


そうするとロリのやる気が上がります。

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