刑務所侵入作戦
……こっから長いです。
人間には、クズやゴミがいる。優秀や聖人がいる限り、その反転となる対象は必要だ。
日向は日陰があるからこそ意味がある。世界が日向だけであれば、きっと世界はつまらない。
だが、そんな理論で生み出された奴らは、きっとそれを望まない。だからこそ、それらは罪を犯し存在を証明するのだ。自分がここにいることを。暗く寂しい日陰だからこそ、明るい火を欲しがるのだ。そしてそれが例え、己が命を燃やす地獄の火であっても。
「止まれ! 点呼を開始する! 呼ばれたものは返事! 出来ない者は、懲罰刑とする! 1番!」
「――はい!」
【ブレイン 刑務所第1層】
電脳国ブレインの地下深く。ドリル型の立体螺旋構造居住区。それが刑務所「抜け出せないゴミ箱」だ。収容数約4000人に登る世界最大級の刑務所。罪は軽いものから、死刑まで様々。まさにゴミ箱に相応しい場所である。
刑務所内は、データとは思えない程リアルにできており、少し肌寒くそれでいて生暖かい風が流れる。これは第2層や、第5層の影響だろう。第1層は【刑務所に入って間もない者たちのたまり場】という認識であり、刑務所体験コーナーみたいなものである。
よって、壁はコンクリートのようなグレーであり、天井にはランプが点々と置いてある一般的な刑務所だ。
そして、
「254番! クスノキ!」
「――はい!」
この女も同じく新入りの勇者である。
【1週間前~ハクアが攫われた直後~】
「――という作戦で行くのです」
「つまり、チームを2つに分けると?」
ハクアが攫われた後、俺達はアルミシアの仲間と合流して、作戦会議を始めていた。アルミシア曰く「元々刑務所には侵入しなければいけなかった」らしいので、イレギュラーでは無いとの事。
アルミシアは、ブレインの地図を見せる。
まず、ブレインは【雨ゾーン】の真下から行かなくてはいけない。第8層からなる、超巨大建造物との事。なんでそんな構造かは、行けばわかるとの事。そして大事なチーム編成だが、アルミシアは告げた。
「貴方達が来るまでは、全員で刑務所に乗り込む気でいましたが、状況が変わったのです」
「状況?」
「……ごめんなさい、状況は語弊があったのです。正確にはイレギュラーの出現なのです」
と、アルミシアはユーロを指さした。さされた本人は「私?」という顔をしているが、アルミシアは無視して話を続ける。
「彼女は、ブレインのデータに脳筋で介入できる力を持っている。つまり【外】から刑務所に干渉する事が出来る。これは電王すら知らない事なのです。
なので、チームを二つに
――まず、刑務所にシンプルに入る人間が、
クスノキ・アクセサ・マーキュリー
そして、外から刑務所に干渉して攻略するのが、
アルミシア・ユーロ・アロンの三人。
さぁ、やるのですよ!」
「「「……」」」
何故か熱くなっているアルミシアを横目に、誰ものって来ない状況だ。その静寂が彼女の顔を赤く染める。
「なぜ、誰もオー! って言わないのですか!」
クスノキ達は、(誰か言えよ……)と全員が周りをキョロキョロする。まぁ、それはアルミシアが一番見えているので、
「次オー! と言わなかったやつは、アルミシア大好きと、心の底から言ってもらうのです」
「「「おー!!!!!!」」」
「おかしいだろ! なのです!」
まぁ、そんなコントをしている時間も少ないので、全員での会合はこれぐらいにして、行動を始める。誰かが失敗すれば、成功確率が大きく下がる。そんな計画だ。
だからこそ、全員が真剣に取り組む。そして、
「クスノキ、話があるのです」
「――話ですか?」
「決めておかないといけないものがあります」
「それは?」
「作戦名を――」
「いりません」
【総員・行動開始】
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