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永劫回帰は夢を見ない  作者: ユナ
星の出で立ち編

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255/278

勇者と規格外と箱庭の姫

お陰様で、600ポイントを超えました。ありがとうございます。

ブレインの地下深く。

誰も触れない地獄の世界。罪を犯した者共の出られない箱庭。楽園実験など程遠い。呻き声しか出ない大穴だ。


「助けてくれ…」

「いっその事…殺してくれ」


――そんな無惨な声しか聞こえない、地獄の蓋が今、開こうとしていた。


◇◇◇◇


「という訳でクスノキ、あなたは帰ってくれなのです」

「いきなり唐突ですね。まぁ、自由に行動してくれという意味ですよね?」

「それ以外になんの意味が?」


こいつ…と思ったが、俺は大人。もう、慣れたと言ってもいい。アルミシアの、フフッという表情も俺からすれば、少し鳴き声の可愛いオウムのようなものだ。

いや、そう思え。思うしかない。


「それとも、あとのふたりが帰ってくるまで待ちますか?」

「いえ、それは――」


【ピキッ!!】


俺とアルミシアは、音の方向を見た。なんか、壁にヒビ入ってるけど、気のせいだよね?

アルミシアは、小さく「は?」と言っているけども…


「これは、ヒビですか?」

「……嘘です。ありえない。ブレインの壁に、ヒビを入れるなんて――」


はぁ、もういいや。こんなことが出来るやつなんて、あいつしか居ない。相変わらずの規格外だ。

「戦闘準備!」とアルミシアが叫ぶが、俺が止める。てか、止めないとここが終わる。

来たのは、


「貴方、もうちょいお淑やかにこれないんですか?」

「いやだって、焦ってたし。クスっちが拉致されたと思ってさ」


はいはい、まずは謝りましょうねー。とんでもないことが起きて、思考がフリーズしている彼女に。


「アルミシア、大丈夫ですか?」

「…は、あ、ありえない。どうやって…ヒビを」

「ですって、ユーロ。どうやってここまで?」

「ん? そりゃ――」


と、ユーロは、両手をドヤ顔で見せている。おいおい、まさか脳筋にも程があるだろ。


「――クスっちの気配は感じていたから、手で掘ったんだぜぃ」

「…掘った?」


アルミシアが更にフリーズする。世ほど有り得ない事らしい。

だってその証拠に、鳩が豆鉄砲食らった顔してるもん。


「掘った? はぁぁぁ!!? 掘れる訳ないのです! このブレインの物質は、全てデータの塊! 存在していない。全て、オブジェクトとして管理されているのです!

つまり、それを掘ったということは、ブレインという概念に干渉したと同義なのですよ!?」


その怒涛の言葉に、ユーロは一つだけ答える。


「うん。それが出来たから、ここにいるんだぜぃ」

「…ありえない。電王ですら出来ないことを、部外者がやるなんて…」


ユーロは、その場にへたり込む。どうやら、余程の衝撃だったようだ。

クスノキは、ただ「なんかすみません」と、呟いた。そして右手でユーロの後頭部を持って、頭を下げる。

「なんで?」と言うユーロと、雰囲気的に謝っておこうと思うクスノキであった。

これは、十中八九サタンの力である。ユーロは掘れるから来た訳ではなく、なんか地面殴ったら、いけたから来ただけだ。

まぁ、それをアルミシアが知る由もないのだが。それもそのはず。ただの王女が魔王すら封印した勇者の力を受け継いでいる等、想像つくはずが無い。

アルミシアは、息を整えて話す。


「…まぁ、納得しましたよ――といか、するしか無いのです。ヒビを入れて、こちらに侵入したのは事実。味方であれば、頼りになるのです」

「ですって。私達の計画に乗りますか?」

「いいよ。どうせ刑務所には、用があるし」


◇◇◇◇◇


「それで良かったのですか?」

「…何の話です?」


クスノキ達が、ホテルに帰り、アクセサとアロンも違う場所にワープした。

残るのは、アルミシアとマーキュリーのみ。だが、その空気は悪く。緊迫と沈黙がその場を支配する。

アルミシアは、顔を見せずに背を向けている。マーキュリーは、目を閉じて、アルミシアを見ずに話を続けた。


「彼女の目的です。あれが本当なら――」

「えぇ、急がなくてはいけません」

「アルミシア……」

「………――それともなんです?」


アルミシアは振り返って、マーキュリーを見ながら、


「彼女の妹はもう()()()()()可能性が高いと、言えばよかったのですか?」

「………」

「まだ、可能性が消えた訳じゃないのです。それに、私達の助け出すべき存在も、刑務所にいるのですから」


マーキュリーは何も言えない。知っているのだ、アルミシアの現状を。彼女は決して、気まぐれでクーデターを起こそうとはしていない。革命を成功させなくてはいけない理由があるのだ。


アルミシアは、壁のヒビを触る。未だに、修復できないヒビを見て、落胆でもなく高揚していた。


「…まさか、壁を破壊出来るやつがいるとは。あの二人は台風の目です。活かさない手は無い。違いますか? マーキュリー」

「…どうとでも。私達のリーダーは貴方です。あの地獄から救出してくれた恩ぐらいは働きます。ですが――余り気負いせずに…ね」


そして、マーキュリーも消える。残ったのは、アルミシアと静寂のみ。

彼女は、手に力が入り、握った拳を見て誓う。



「そう、これは私の罪なのです。生きているかも、形があるかも分かりません。ですが、まだ助けを求めているのであれば、必ず助け出します――兄さん。そして、必ず殺してやるのです――電王」


読んでいただき本当にありがとうございます!


星を増やしてくれるとありがたいです。


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そうするとロリのやる気が上がります。

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