幕間
邪王のお茶会は終わった。
集合していた王は、それぞれの場所に帰りここには邪王だけが残る。
静寂の中、邪王はため息をついてまだ残っているよく分からんやつに問い詰める。
「何の用だ。電王、さっさと帰れ」
「あーいえ、すんません。少しご報告を…と」
何もいなかった椅子から、ホログラムのように立体映像が、映し出される。
電王は、その力の特性上ブレインから、外には出れない。なので、外出時はこうやって自分の姿だけを映し出す。
そこには、顔の文字しかなく、姿も形も見えやしない。
「――それよか、邪王様。あのスライムと狼、調子に乗りすぎやしないですか? 見てておもろいですが」
「構わん。騒がしい方が、いい事もある。それで? 報告とは、その事か?」
「まさか。ブレインで計画の進行度をお伝えしようかと。あと4割ほどです」
「…長いな」
そう言わずに、と。電王の顔に少し汗が見える。まぁこれも、演出と邪王は分かっている。
というか、電王と話すこと自体が時間の無駄である。こいつは、計画の進行度を伝えに来たのではなく、いかに邪王と話して、他の王にマウントを取ろうか考えているだけである。
なので、毎回電王の会話は、無駄しかない。きゅうりの栄養並みかもしれない。
「4割なら、報告しなくて良い。少し期待したのを返せ」
「…だって意外と、犯行軍がしぶといんですよねー。ブレインを乗っ取ったのは、いいですが――」
「それをどうにかするのが、お前の仕事だろう」
「まぁ、それはそうなんですがね……と、呼ばれたので私も戻ります。お疲れっした!」
電王が消えかかった時、邪王は一つだけ声を出す。
「電王」
「――はい?」
「抜かるなよ。特に俺が言った奴にはな」
「あー、確かクスノキでしたっけ? 死王を殺したのは驚きですが、そこまで――あぁすんません。気をつけますわ。では――」
今度こそ、電王は消えやっと静寂が戻ってくる。
邪王は、座っていた椅子の背もたれに、伸し掛る。
「……なんで、俺の部下はここまで個性が強いんだか……」
ラスボスはラスボスで、辛い様だ。
◇◇◇◇◇
「シロが?」
「えぇ、敵に加担していました」
アルピスを出て、早一週間。以外と遠い。てかこれ毎回言っている気がする。
てかこの世界デカすぎるんだよ。国と国と間が毎回日本列島が、すっぽり入るぐらい広い。
まぁだからこそ、暴れても問題ないんだが。
ブレインに到着まであと少しということで、少しユーロと話していた。
何を? と言われれば色々。アルピスの出来事だったり、それこそシロの事だったりね。
というか――
「貴方は何をしていたんですか?」
「私? なんもしてないな。というのは嘘で、少し調べ物があったかな。まぁそれは後程ね」
「はぁ――なんでもいいですが…あなたの大きい声で、起こさないであげて下さいね」
ガラガラと揺れる馬車と、うるさいユーロの声でも、いびきをかいて寝ております。ハクアは暇な様で、偶にユーロや私と喋っては後は殆ど寝ている様で、余程やる事が無さそうだ。
まぁいいや。それでもブレインに行ったら、やる事多そうだし、今のうちぐらい眠らせて置いてやろう。こいつも起きるとうるさいし。
まじで、ユーロとハクアが一緒に話している時はやばかった。横に飛行機とジェット機がいる感覚だよ。爆音なんてもんじゃない。騒音だった。
「あぁ、おはよ。ユーロさん」
「おおー、ユーロっち。おはー」
ジェット機が起きました。助けて下さい。
「お客さん。もうちょっとでブレインに着きますよー」
助かったー!!! なんか知らんけど助かったー!!
「さぁ、行きましょう! ブレインに!」
◇◇◇◇◇◇
これより始まるのは、不思議な冒険。世界を旅しながら、バーツを見つける不必要な旅。
それらは全て――この時のために。
――ある少女がいる。反乱軍最高司令官。その容姿とは裏腹に、全てを覆す為、電王に挑もうとする。
「まったく、めんどうなのです」
――ある男がいる。それは、この状況を楽しむ為、全ての陣営に同じ手伝いをする正にギャガー。誰も幸せにしないピエロがここにいる。
「あんれ? またひと雨来そうだねー」
――ある女がいる。ブレインに送られ、もうすぐ処刑される可哀想な女が。それは、不運が人為的か、最悪を解き放った世界の敵である。
「お姉ちゃん…」
――ある王がここにいる。ディスガイアに忠誠を誓いし、邪悪なる王は爆弾を落とそうとする。それで何万人も死のうと構わない卑劣な王である。
「さてと、ゲームを始めようかアルミシア。このブレインを救いたいのなら…ね」
さてさて、これより星の出で立ち編開幕である!!
ネットの世界、それ見てご覧あれ!
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