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永劫回帰は夢を見ない  作者: ユナ
涙花赤銅編

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終幕 新たな旅へ

「で? どうゆう事なんですか?」

「…あー、はい。すいませんでした…」


あの戦いから、約半月。

アルピスの復興は順調に進んでいた。

狂王と死王が消え、やっと掴んだ平和。俺も何とか復興の手伝いをしたかったが、如何せん全く体が動かなかった。

エドも「寝とけ」と、当たり前に許してくれなかったので、仕方なく渋々ベットの上でずっと寝ていた。

ただ、何もしないのも嫌なので、ムーンへの謁見を交渉しておいた。

ただ、まがいなりにも忙しいのか、それとも俺と会いたくないからのどちらから知らんが、何度交渉しても、スルーされて終わり。

そして、今日やっとその謁見が叶ったのだ。



「いえ? 別に怒ってませんよ。ムーン。ただ、何故シロが生き返っているのかをね?」

「…善意だったんですよ? ただ、まさか生き返った所を、ディスガイアに横取りされるとは思いませんでしたが…」


俺の見立て通り、シロは死にムーンが蘇生したという事。

ムーンの行動自体に、何か言っても白髪が増えるだけなので、目の前で大きくため息をついて終わりにする。


問題は、シロがディスガイア派という事だ。

生き返ったシロは、ディスガイアに肩入れをしており、不思議だったが、ムーン曰くほぼディスガイアからの接触だろうとの事。

シロは蘇生される前に、狼王の称号を与えられ強制的にディスガイア派に組みいられたという事。

要は引き抜きだろう。厄介な事だ。俺自身まだ称号を持っていないが、それ次第でシロの味方になる可能性があるのかね。


「それで? シロの話はもういいです。プリスは?」

「彼女の遺体は、少し遠くの墓に埋葬してあります。ただ、始まりの100年の生き残りである為、ディスガイアが利用しない為に、結界を貼ってありますがね。貴方は通れますよ」


なる程ね。後で墓参りに行くとするか。

さてと、後聞きたいことは一つだけ。まぁこれは、疑問というか確信に至る為の、質問なんだが。


「最後にアルピスの原罪は?」

「十中八九、ディスガイアを()()()()()事でしょうね。いえ、更に付け足すなら――」

「ディスガイアは、アルピスで邪王の称号を授かったのでしょうね。根拠は()()です」

「…」


そう、この復興中に見つけた、ある場所。それこそがこのアルピスの原罪であり、まだ何も終わってないことを示す、証拠でもある。


「ムーン、まだ何も終わってませんよ?」

「貴方に言われなくても分かってます」

「そうですか。じゃあもう行きます。次の国の準備もしなくてはいけないので」

「次の目的地は…電脳国ブレインでしたっけ? お気おつけてー」


そして謁見が終わる。

城下町に出てきた俺は、最後に別れの挨拶をして準備を始めよう。

とは言っても、長い期間で知り合ったのあの探偵ぐらいなんだけどな。


「もう行くのか? クスノキ」

「ええ、エドさん。怪我は大丈夫そうですね」

「元々お前より酷くない」


そうですかー。

懐かしい探偵事務所に足を運ぶ。ここでエド達と出会ったのが懐かしい。

そして、俺がここに来たのはエドが何か頼みがあるかららしい。

まぁ、大体わかる。あんなでかいバックがあればな。


「ハクアがお前の旅について行きたいらしくてな。正確に言えばブレインでの旅路だが」

「確か、アルピスの記録を調べたいんでしたっけ?」

「あぁ、電脳国には独自の監視システムがあり、アルピスの生まれた時など簡単に調べられるとのことだ」

「便利ですね。当の本人は?」


エドいわく、まだ着替え中との事。って来たわ。


「あ、クスノキ! 聞いた? あたしアンタの旅について行くから!」

「こちらの意見全無視は、師匠からの教えですか?」

「おいこら」


俺は一応伝える。ブレインもゴタゴタがあり、そんな簡単に目的は達成できないと。すると、


「そっちの方が楽しそう! いいわ! 行きましょう!」


俺はエドと目を合わせる。彼は、手を上げて透かし笑いをしていた。なんだその顔。

すると、もう1人ドアから現れ、


「クスノキ殿! もう行くでござるか?」

「カゲ、お久しぶりです。怪我も完治したようで良かったですよ。今度、テイキョクについて沢山聞かせてください」

「…師匠。なんか私達と扱い違くない?」

「な」

「そこうるさい」


◇◇◇◇


「という訳で、ハクアを連れていきます」

「好きにせい。お主なら任せられる」

「…大丈夫ですか? アリエル」


なんと事じゃ? じゃないよ。その目のクマだよ。

ブラックホールぐらい真っ黒じゃないか。見た感じまったく寝てないっぽいし。


アリエル曰く。寝る暇がないとの事。ニャークルもアルフレッドも、今は忙しすぎてさっき十秒ほど挨拶して元の場所に帰って行った。

どうやら、まだまだアルピスの復興には時間がかかりそうだ。まぁ、俺に出来ることはないんだがね。


「じゃあ、そろそろ行きます」

「そうか、寂しくなるの」

「また会えますよ」

「じゃな。では良い旅――なんじゃこの音?」


アリエルが向いた方向は、大きなドアがある場所。確かにその奥から何か声と、大きな足音が聞こえる。


「困ります! せめてアポを!」

「いいじゃーん! アポは今来たってことで! 笑笑」


ドアが大きく開かれる。

横にいたアリエルの部下は頭を抱えている。

暴れん坊だ。アリエルも目が点になっている。そして、来たのは俺の知り合いだ。


「ユ…ユーロ!?」

「おぉ! 久しぶりだな! クスッチ! 探したんだぜ! 一緒にブレインに行こう!」


来客はいつも突然だ。


◇◇◇

「という訳で、ユーロは一旦表に出したので、これにて失礼します」

「あぁ、すまんクスノキ。これを渡すのを忘れておった」

「…これは、紙?」


見ると紹介文様な物で、アリエルの名前が乗っている。

アリエル曰く、これさえ見せればブレインでも不当な扱いを受けることは無いとの事。

それはありがたい。


じゃあ、本当にアルピス! さようなら!


【第6章 涙花寵愛編】〜完〜


◇◇◇◇


「さてと、で? ユーロは何故ここに?」

「言ったじゃん。ブレインに行こうって」

「それは聞きましたよ、目的は?」


馬車の中、ブレインに着くまでは相当時間があるので、最後の場所としてプリスの墓に来た俺たち。

ハクアは馬車の中で爆睡し、起きている俺たちで、墓参りをしていた。

プリス。ありがとな、お前の犠牲は無駄にはしない。必ず、ディスガイアを倒してみせる。


墓参りが終わり場違いかもしれんが、目的を聞いておこう。

ユーロは先程の笑っていた顔は消え去り、神妙な顔で、こちらに話す。


「ねぇ、私の妹覚えてる?」

「あなたの? それは勿論」

「彼女は、アリスを顕現させてちゃったからその罪でブレインにいる。

私はね――あの子が何故、アリスを復活させたのか聞きたいの。それが私の本当の目的 」

「そうですか」


どうやら、ブレインの旅路も簡単には行かないらしい。


【次章】【第7章 星の出で立ち編】

読んでいただき本当にありがとうございます!


という訳で、次回より電脳国ブレイン編です。

久々のユーロの登場。1年半ぶりですね。

今数えたら、アルピス編だけで120話あった。

ブレインも、このくらい長い可能性も無くはありません。

因みに少しクスノキの周りの話を、4話ぐらいやってからブレイン編です。


星を増やしてくれるとありがたいです。


面白かったと思ったらブックマーク!


感想やレビューもお待ちしております!


星ももちろん大歓迎!


具体的には広告下の☆☆☆☆☆を★★★★★にね。


そうするとロリのやる気が上がります。

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