戦闘開始
「封印だと…」
時は少し戻り、アルフレッドと死王の戦いの佳境。
変身が完了し、元あるべき姿になった死王は先程とは別次元の存在になっていた。
ただ、元々がこの姿であり変身というよりは退化の方が正しいのかもしれない。
死王…魔王アリスや勇者サタンの全盛期に、前者と同じレベルの脅威を世界に知らしめた生きる厄災。
たった一日で死者5万名を叩き出した死王アンデットバーンである。
「死王」
「…なぁ、それ辞めてくれない?」
アルフレッドは人格が変わって暴走することは無いと知って、安堵すると共に少し問う。
「それとは?」
「言ったろ? 死王ってさ。それ辞めろ。俺はその称号が好きじゃない。むしろ嫌いだ。誰があんなクソみたいな名を好き好んで名乗るんだ」
称号。それは、死王や魔王のような王の名前。それは知っているが、アルフレッドはそこまでだ。いや、ほほ全ての民は、この称号の本当の意味を知らない。
死王はため息をついて進める。
「称号とは、世界に住む民の意識の集合体が形になったもの。例えば魔王は、あの残虐性から人々から魔王言われと恐れられ、今に至る。それで俺の称号は【死】。死なんて普通言われない。俺の称号は作られた。ムーンによってな。【生王】もいるが、いきているのかどうか」
死王が1歩づつアルフレッドに近づく。
それを見た彼は、死王に警戒を強める。何処から来ても、確実に対応出来るように。
だが、
「よそ見とは随分悠長だな」
瞬間、目の前に拳を握る死王がアルフレッドに迫っていた。しかも真正面、一番の警戒点だったはずなのに。
◇◇◇◇
場所はクスノキと死王の今に戻る。
…何が起きた? 俺が帰ってきた時には、アルピスは既に壊滅状態だった。
ムーンは、プリスは何をしていたんだ。これだからあいつらは。
まぁいい。それは後で問いつめるとしてとりあえずあいつが原因で間違い無いよな? さっき飛び蹴りを入れて、全く怒ってないから心の器がでかいのだろう。いいね、そのまま死んでくれ。
てさか、
「貴方、私が名乗ったのになぜ名乗らないんですか?」
「ん? あぁすまん。死王アンデットバーンだ」
やはりこいつが死王か。まぁ安心した。こいつが死王じゃ無かったら死王に勝てる気がしない。
というかこいつも結構やばい。アリスやムーンよりは下だが、涙王と肩を張るぐらいの強さはありそうだ。
つまり、本来俺が相手じゃなく、ムーンが相手にすべきなんだろうけど…
「ムーンめ」
「…ムーン? お前ムーンと知り合いか?」
あ、やべ声に出てたか? 地雷じゃないといいが、とりあえず死王の表情がほとんど変わらんから分からん。まぁいい。ここで何も答えないよりはマシか。
「知り合い…というか、一方的に懐かれているというか」
「そうか、悪いが俺はムーンに恨みがある。居場所を知っているのなら答えろ。言えば、楽に殺してやる」
死ぬのは変わらんのね。てか答えないけどね。場所知らんし。
ふと横をみると、子供の死体が1つ。こちらを見ていていい気にはならん。
「ムーンの場所は知りません」
「そうか」
「――なのでこちらからも一つ質問を」
「ん?」
「アルピスをこんなボロボロにしたのは、貴方ですか?」
「…厳密言えば…まぁいいや。そうだ」
「そうですか」
死王をぶん殴る。大した事じゃない。思いっきり踏み込んで、原始的な攻撃方法だ。
さてさて、手応え的に効果無し。どうしますかね。
「クスノキ…」
「あなたまだ居たんですか? アリエル。さっさと避難しなさい」
「任せていいのか?」
「まぁ、何とかしますよ」
こうして、アリエルはアルフレッドとハクアを近くにいた住民と一緒に担いで避難所にいった。
そうだね、俺の言いたいことは一つだけ。
(手伝ってもらった方が良かったかな?)
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