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永劫回帰は夢を見ない  作者: ユナ
涙花赤銅編

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225/278

舞台を整える時間

「ここは?」


泥水のような匂いがする、水道管を歩くムーン。

調査に出たはいいが、普通に道に迷っていた。

部下を従えてなかったのが、幸いなのかもしれない。もし見られていれば、信頼なんて崩れ落ちただろう。

いや、部下がいればそもそも迷わなかったのかもしれないが…


「Aの21…なぜ同じ番号? もう少しわかりやすい感じにしてくださいよ。梅田駅ですか? ここは」


薄暗く、肝試しのような雰囲気のある水道管。

照明もあるが、何故か効き目が悪いようだ。

辺りを見渡しても、あるのは色々な出口だけ。

少し思うのは、話が違うということ。思ったよりも、壁に腐敗が進んでいる。話では、頻繁にメンテナンスがあると聞いていた。


「はぁ、せめて異音でも聞こえれば――」


その時、ムーンの耳に確かに叫び声が聞こえた。

だがこれは、男の証言とは違う。化け物の声ではなく…どちらかと言えば。


「女性の…悲鳴?」


◇◇◇◇


「さてと、やりますか!」


魔王アリスと化け物の戦いが始まる。

アリスは構え、化け物の動きを見ていた。

だが、化け物も動かない。両者共に、相手が動くのを待つ。

風貌、威圧、声からして、知性が無いように感じたが、どうやらそうでは無いらしい。

アリスの構えを真似ているという訳でもなく、確実に自分の技を持っていた。


「そうかい、意外と利口だな。じゃあ、こっちから行くぞ!」


アリスは、化け物に向かって走り出す。待ってたかのように、化け物は拳を突き出し、またもや両者の拳が衝突する。

魔力が溢れ、二つの魔力は溶け合うことなく、磁石のように反発し合い、青白い火花を産む。

彼の力は、全盛期の約十分の一程になっているが、それでもこの国を揺らすほどの力を持っている。


(さてと、俺の目的のためには、こいつを()()()()()()()いけない。問題は二つ。まず、ここからどう出るか…と、なんか外でも戦いが起きている事だな)


その間も化け物との硬直は続くが、ついにもうひとつの手で、殴り掛かる。

つまらなそうな顔で、化け物の拳を受け止めようとするアリスだが、一瞬何か嫌なものが過ぎる。


(…! 雰囲気が変わった!)


体を回転させ、拳をかわしながら、その場から避難する。見ると拳の当たった地面が、徐々に溶けている。

これは――


「毒…だな。(だが妙だ。毒が使えるのなら、なぜ最初から使わなかった? )。まぁいい! それなら――」


彼の目線に、何かが入る。脇腹がめり込む。一瞬、右腹に痛みが走り、大きく吹き飛ぶアリス。

壁に激突し、瓦礫をはらいながら、ため息をつく。

だがこれは、自分への叱咤である。


「いいね。一体では物足りなかった。二体だな。いいぜ! 来いよ!」


【地下水道 中央部付近 アリスVS対ムーン戦闘兵器二体】


◇◇◇◇


「貴方は?…確か、エドさんの弟子でしたか?」

「…ムーン…様?」


必死の形相で、相方を連れて逃げてきたハクアは、ムーンに遭遇した。

だが、ハクアには疑問が現れる。彼女は、逃げると言うより、危険から逃れる為にあえて奥に入った。そして、彼女はムーンに出会う。

つまり、ムーンは奥から来ていたのだ。


「ムーン様。この奥に何か?」

「(言えない…迷ったなんて)私には私の考えがあります。それに――」


ムーンの目線に、一瞬の光が見える。あれは攻撃である。

ムーンは杖で攻撃を払う。砕かれた光は、それだけでも、周りの壁を破壊する。

ムーンの顔が少し曇る。見てわかる通り、黒幕の登場である。


「…貴方は?」

「おや、随分と悠長ですねね。あなたを殺す為に、何年も準備しているというのにに」


暗闇から、笑いながら歩いてくる奴がいた。足音は軽快で、敵がいるというのに、真っ直ぐムーンに歩いてくる。


「だからこそ、あなたはダメだだ。やはり、世界を導くのはあの方のみみ――」


一瞬で、腹が貫かれる。黒幕の腹は貫通して、闇に解けていく。それを見て舌打ちするムーン。


「はぁ、質問聞いてました? あなたは誰だと聞いたんですよ」

「なるほどど。私は狂王 アルレリトと申しますす。私のサーカス見てみますかか?」

「…遠慮します。饗宴は、あの魔王だけで十分ですよ」


その言葉と共に、月王と、狂王は、魔法を放つ。

その衝突は大きな風をうみ、何が何だか分からない、ハクアがちょこんと、そこにいた。


【地下水道 排水施設 ムーンVSアルレリト】

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