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永劫回帰は夢を見ない  作者: ユナ
涙花赤銅編

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223/278

地獄の一歩

あけましておめでとうございます。以上!

「こちらの書類をお願いします」


時は戻り、超白星祭まで、あと一週間という所。

ムーンは今日も書類仕事に頭を抱えていた。

アルピスの王であり、教祖でもある彼女は、多忙を極め、対策が何も出来ていなかった。

人間は聡い。少しでも自分の顔が雲れば、直ぐに噂が広まるだろう。それは今の現状では最悪の一手でもある。

こんな時こそ、クスノキの浄化が欲しくなる所ではある。


「どうしました? ムーン様」

「…いえ、少し疲れただけです」


心配する部下に、棒読みで答えるムーン。腹の中では黒く濁る嫌な予感も、今は忘れてペンを走らせる。

無音が続き、耐えられなくなったムーンが口を開く。


「すいません。ひとつ聞きたいのですが」

「はい?」

「最近アルピスで、変な事…とか起こってませんか?」

「…変な事ですか?」


部下は少し考えてから、少し目線を落として答える。


「変な事…とまではいきませんが」

「それは?」

「最近自分の同僚が、地下から異音がすると言っておりまして。彼は夜中に外に出るのが好きで、最近は毎日聞こえると話していました」

「…異音。彼を呼べますか? ここに」


少しお待ち下さい。と部下は外に出る。

ムーンは顎を触る。考えすぎではあると思う。地下から音がするなど、幻聴の一つで弾かれてしまう軽い意見。

ただ、最近クスノキが、中央部を調査した所に涙王がいたのだ。

どこに敵がいるのか分からない。それが彼女の苦悩でもある。

眉間にシワが寄るのを避けて、ペンを走らせるとドアが開き、部下が入ってくる。どうやら、異音がすると言った同僚を連れてきたらしい。

ムーンは彼を通し、早速話を聞く事に決めた。


「話は聞いています。どうやら最近異音がすると?」

「…えぇ。正直ムーン様がこの話題に、興味があると思いませんでしたが、事実です」

「(一言余計だな…)…まぁいいです。それで、異音とは具体的にどんな?」

「それが…日によって変わるというか、叫び声に変わりないのですが、高音の日もあれば、低い日も」


異音は叫び声と分かる。ムーンの予想と違った。

水の音であれば、地下の排水管になにか異常があるととして終わりだが、彼は確実に叫び声だと言っている。


「異音について、他には?」

「他は…そういえば聞いたかもしれませんが、夜に聞こえていました。それに…」

「それに?」

「叫び声は、最初の方に比べて大人しくなった気がします。まるで【学習】しているみたいに」


彼の話に嘘は無い。何かが地下で蠢いている。

そういえば…と。ムーンは報告書を読む。クスノキ達が行った場所では、彼女が一人になった時、化け物と戦ったと記載があるが、それと同類なのだろうか?

だが、何故地下? 地下にいるのは、見られたくないからか、地下から何かを盗んでいるのか…


「分かりました。有難うございます」

「…あのムーン様」

「どうしました?」

「我々は、祭りを無事に終わらせられるでしょうか? なにか嫌なものが迫っている気がして」

「大丈夫ですよ、その為に私がいるんですから」


そう言って部下達を外に出す彼女。クスノキの報告書。地下の異音。超白星祭。

何が嫌な事が起こるには、確実に要素が揃いすぎていた。


(少し調査をするべきでしょうね)


その日より、ムーンは地下を調査するために、教会を留守にする。

そして、祭りの日まで帰ってくる事は無かった。

読んでいただき本当にありがとうございます!


新章開幕です。アルピスの地獄がここから始まります。


星を増やしてくれるとありがたいです。


面白かったと思ったらブックマーク!


感想やレビューもお待ちしております!


星ももちろん大歓迎!


具体的には広告下の☆☆☆☆☆を★★★★★にね。


そうするとロリのやる気が上がります。

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