タイトル未定2024/08/29 20:10
相対するのは瓜二つの自分。その姿に嫌悪も慈愛も何も感じないが、目を合わせたくない。その目は何もかも諦めてない子供の目だからだ。
「もう一度聞くが答えは出たか?」
「…あれを見て何を出せと?」
「――呆れた。まさか主題すら理解していないのか。お前本当に俺か? 感受性は何処にやったんだよ」
もう一人の俺からの呆れた視線に、何も感じない自分。もうとっくにそういう機能は壊れている。心を通わした所で、別れが辛くなるだけ。なのに仲間を作りたくなる自分に心底嫌気がさす。
「はぁ、まぁいいや。俺よ。答えについてだが、簡単に言えば指針を決めろという事だ。そろそろ自分の生き方に答えを示せ」
「まだ早くないですか?」
「いいや、充分過ぎるほどだ。いいか、運命は待ってくれない。この先の戦いはもうお遊びじゃないんだよ。負ければお前の守るものは全て崩れ去る」
もう一人の俺は、怖がらせる為に言っている訳じゃない。俺はここで本当に答えを出さなくちゃいけないらしい。
だが何の答えだ? 生き方に答え…そういえば誰かが言っていたな。固有魔法とはその人間の人生を、決定する物だと。そういう事か?
「まぁそういう事だな」
「ナチュラルに思考を読むのやめてくれます?」
「そう言うなって。俺としては、そろそろお前に固有魔法を使って欲しいのよ。だけど、ずっと答えを出さないから永遠に使えない。勿体なくね?」
「答えを出せば、使えるようになると?」
「そうだな。例えば【誰かを守りたい】ってなれば、固有魔法はそれを守るのに特化したものになる。逆に【誰かを殺したい】ってなれば、攻撃的になるんだよ。お分かり?」
まぁ分からないのは、俺のキャラ付けだけど。一旦置いといて、考えてみようか。
俺の話だと単純なもので良いんだよな。
だが、少し余裕を見せるともう一人の俺は忠告をする。
「あ、言っておくが気軽に決めるなよ? たしかに決まるのは固有魔法だがな。固有魔法を決めるということは、自分の人生に1本の柱を立てるという事だ。簡単には抗えんぞ」
うーん。そうかー。んー。
「まぁ、じっくり考えろよ。本当にここが人生の分岐点なんだからさ」
「…それはそうなんですが、私にはしりとりも勝たなきゃいけないんですよね」
「しりとり? あぁ今やってる勝負ね。勝つ方法なんていくらでもあると思うがね」
「例えば?」
「ん? あぁ。しりとりで勝つのならいちばん簡単なのは、言葉責め。だが、それはあれには無理だろう。であれば、別の方法から刺すしかない。それこそ、あれが思いつかない方法で」
どうやらもう一人の俺は、勝つ方法が分かっているらしい。それを教えてくれないのが実に俺らしい。確かに俺も、その立場なら教えん。悩む姿が見たいしな。
だが、俺も俺をわかっている。こういう時ストレートに聞けば、大体罪悪感から答える事を。
「具体的に?」
「…簡単なことだよ。北風は、お前をずっと監視していた。後は、愛方に頼れ。それだけだ」
それと同時に、俺は固有魔法の答えを決める。話してみると、もう一人の俺は、ただ笑っていた。
「何がおかしいんですか?」
「いや何。【明確】から最も離れた答えだと思ってね。良いじゃないか。何もかも中途半端な俺たちにちょうどいい。夢を見るような答えだ」
「これでいいんですかね?」
「いいさ。それがお前だろ?」
ただのわがまま。殆どの人が鼻で笑うふざけた願い。それでも俺は進まなきゃ行けない。この答えを持って生きなくては行けない。
…幸せに生きろ…ね。もうそんな道なんかない。きっと俺は台風の目なのだろう。であればかき乱してやる。第3陣営としてね。
「――む? というわけで時間か。固有魔法も発動条件満たせたから、痛み分けか」
「固有魔法はもう使えるんですか?」
「まぁ使えないことは無いが、とっとけよ。ヒーローは遅れて技を使うものさ」
そして俺は、俺に背中を押される。相手の顔は、まだ子供を見るような目だが、それでも不思議と笑えそうな感じだった。
◇◇◇◇
「さてと、ルーツは理解しました事? クスノキさん」
目を開けた後、広がっていたのは先程までの景色。両親もあいつも居ない。でも、不思議と誰かに背中を押されている気がする。
「ルーツですか。知りましたよ。あなたを倒す為にね」
「そうです事。では再開しましょうか。しりとりを!」
さてと第二R頑張りますか。まぁとは言っても、頑張るの俺じゃなくて、アルミシアなんだけどね。
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