プロローグ(re)
よぉ、主人公でもある俺の名前は楠木亜蓮。歳は18歳、趣味は─────割愛
割愛が早いって!まだ名前と年しか言ってないけど!?
これじゃあ、ただの変人─────割愛
これも割愛かよ!ああ、最後にこの作品楽しんでいってね!
物語における勇者と魔王。光と闇のように合わさることは無い。だが聞く――
「魔王が世界を救えないと、誰が決めた?」
◆◆◇◇
目の前にジジイがいる。
「では、転生者よ。生き返るが良い。」
おお、ちょちょ!展開が早い早い。追いついてないよ。自分の足元に魔法陣ができる。早いって。
そしてすぐ自分に浮遊感が襲いかかる。
(………ちょっと、いい気持ちかもしれない。)
転生が終わったのだろうか? 浮遊感は消え地面にたっていることを認識できる。
鳥の声がするので目を開けると、日本だった。標識から見てわかる。目の前には田んぼ。上を見れば青い空。右を見ればトラック!
・・・・トラック?
、、、また目の前にジジイがいる。
「あのさー。なんで君また死んでるの?死んじゃダメだよねー?」
はい、あのすんません。俺が悪いのこれ?なんで俺が怒られてるの?
どう見ても【to be continued】が流れそうな感じだったのに。
「トラックが右から来てた?んな事知らないよ!トラックなんて避ければいいんだよ!こう!こう!わかる?こう!」
うわ、なんか腰振ってるよ。何が悲しくてジジイの腰振りを見なきゃ行けないんだ。話すだけ無駄か。
「それで?自分はもう生き返れないんですか?」
「んー。君すぐまた死にそうだから。異世界にほん投げとくわ。」
「は?」
ん?いやなんて?
「だーかーら。異世界に送るからさ。」
いや何、宅急便送るみたいなテンションで言ってるの?ふざけんなよ。日本に返せよ!
「まぁ、いいや。行ってらっしゃーい!!」
待てジジイ!お前さっきから早いんだよ。昭和のゲーム機みたいなスピード感だけども!
あー!もう足元に魔法陣ができてる!しかも禍々しいやつが。
ストロベリーみたいな色で、なんか手が出てきてるって。
ちょっと待て 最後に話を!──────アッ!
そこで俺の意識は途切れた。自分の使命も能力も、何も貰えずに、変なアフロのジジイに異世界にほん投げ出された。
「クン、クン、クン、」
目の前でなにか音がする。なんか獣臭い 。
目を開けると…ワオ!お腹空かしているオオカミが。
舌で顔全体を舐められる。臭い。血の匂いがする。つまり肉食。
「グオォォアァァァ!!!」
アー!すんません!俺食べても美味しくないでーす!だから!ちょっ!まっ!ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!
身体が噛み砕かれる。無限の苦痛を味わい。臭い腹の中を通っていき消化された。
俺の人生はここで終わる。
「ハァ!! ここは、何処だ?」
目が覚めた。さっきと同じ場所。そして、生きている体。良かった。あれは夢………じゃない。目の前から鼻息が聞こえる。さっきと同じヨダレの匂いも…まさか――
「クン、クン、クン」
目の前にはオオカミ。…嘘でしょ?
───────ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛
また食われた。同じ苦痛を味わい。臭い胃を通る。
苦しい!クルジイ タズゲテ。
───────ハァ!ハァ!
また、──────ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛
何十回くわれただろうか。
──────────ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛
いや何百回かもな。
─────────ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛
なんでだよ。俺はただ巻き込まれて転移しただけなのに。
なんでこんなことに。捕食がこんなに痛い事だとは知らなかった!
もう嫌だ。食われるのは、せめて痛覚をなくしてくれ!!
【了解。痛覚無効を配布。でも】
誰だろうか? 女の人の声がする。夢かな?
奇跡的に体は痛く無くなった。だがそれじゃあ、また食われるだけだ!
体を硬く出来れば食われずにすむのに。
【了解。硬質化を配布】
あと、普通に剣術が欲しい。
【了解。剣術を配布。あと残り二つです】
2つか……俺を世界最強にしてくれ。あと狙われない体にしてくれないか?
【了解。聖なる力を配布。肉体を再構築します。ご要望などはありますか?】
ない。
【了解。では私の趣味で改造します。】
趣味って言った? あとなおすの文字違うんだけど。
まぁ、いいや。どうせ夢なんだし、いい夢を見せてくれてありがとう。また食われるのか・・・
「クン、クン、クン、」
またオオカミだ。好きだね君も、1000回以上食ってまだ飽きないなんてさ。ハイハイまた食べるんでしょ?
「グオォォアァァァ!!」
大きな口が開かれる。体が震え出す。何度食べられようが死の恐怖は毎回訪れる。やっぱり死ぬのは嫌だ、嫌だ!また胃の中は嫌だ!
──────嫌だァァ!!!
『ゴアァァ!!』
何が起きた?なんでこうなっている?
俺は大きく手を横に振り払った。大きな大きな風が生まれ、その風がオオカミを真っ二つに切り裂いたのだ。
───────なにこれ?何がどうなって?
狼の死体から血が流れ出す。近くの水溜まりと混ざり合い、鏡として自分の姿を見せた。そこに写っていたのは
──────え?この美少女だれ?
オオカミを真っ二つにしたのは、年にして8歳いかないくらいのめちゃくちゃ可愛いロリだった。
因みにタイトルにロリが入っていますが、そんなにロリ要素無いかもしれません。
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