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永劫回帰は夢を見ない  作者: ユナ
黄金変容編
199/274

傷だらけの眼光

ユーロ「最近作者が一気に映画を三本みたら、全部ごちゃ混ぜになって、何も分からなかったらしいぜ」


クスノキ「いや、なんの報告?」

「さぁどうぞですわ! まずはお茶菓子を!」


アルギュワのお茶会に誘われた俺たち。どうやらマジのお茶会らしく、ケーキや紅茶が優しい匂いをして迎えてくれる。

因みに、確かエレシュキガルかどこかで、アルギュワという名前がいたはずだが…単なる偶然らしい。曰く彼女は、この船の外に出たことがないらしい。この船が刺激的だから、とね。


「さぁ、クスノキさん! アルミシアさん! お食べくださいですわ!」

「は、はぁ。ではパク(美味!)」


ケーキの味は見事で、地球で言うショートケーキみたいなやつ。それも高級店とかで売ってそうな、ふわふわのあれだ。

紅茶も、なんか美味い。こちとら元高校生。高い店なんかほとんど行ったことなく、食レポがゴミより酷いのだ。

だが俺が気になるのは、同じようにケーキを楽しむアルギュワでもそばに居るギラリスでも無く、一人の空気が読めないやつだ。


「あの…気まずいので一つぐらい食いましょうよ。アルミシアさん」

「…むしろ私は、そんな簡単に食べる貴方の思考に呆れるのです。毒でも入っていたらどうするつもりだったのです?」

「まぁ結果的に入っていないじゃないですか」

「…これだから脳筋は」


聞こえているぞ。まぁ確かに、毒が入っている可能性もあったが、それは無いと俺の直感が教えてくれた。

だって、アルギュワもギャンブラーだ。勝負のテーブルに着く前に、全てを台無しにする訳ないってね。

俺の目線に観念したのか、アルミシアはため息を一つ付いてケーキを食べる。「これで満足か?」という目線でこちらを見てくるので、少し目を逸らした。


「さて、ではお喋りをしましょうか。クスノキさん。アルミシアさん。ホワイトハウスはいかがですか?」

「どう…とは?」

「そのままの意味ですわ! 私達チェリーの仕事は、いかにギャンブルを面白くするか。その為にも、実際に行った人間の意見は貴重ですわ!」


アルギュワは、もう一人のオーナー太陽とは違い、自分目線で物事を進めないらしい。

何でも、バニーガールに力を持たせたのも、VIPルームを作ったのも、太陽なのだとか。随分と強欲だな、その太陽とやらは。

そして、アルギュワが作ったのは、この奴隷ルームのみ。お金が無くなり、行き場を失った人達の最終手段として用意したと。太陽には反対されたが、強引に押し通したと。流石お嬢様だ。

一応、俺は色々と意見を言っておいた。まずトイレの位置がわからんと、飲み物が酒か水しかないとね。

アルギュワは感謝してます、これでいいんだ。


「クスノキさんの意見は分かりました。アルミシアさんは何かありますか?」

「無いです」

「…連れないですわね。せめて目線はこちらを向けてもよろしいのでは?」

「うるさいのです」

「はぁ、全く。相変わらずの態度ですわね。貴方はそんなに()()()()()()()を演じるのが楽しいのですか?」

「…どういう意味なのです?」


おっとー、アルミシアの逆鱗に触れたな。俺はしーらね。紅茶飲んでよ。


「どうもこうもありませんわ。さっきから、私は不幸アピールをして、呆れてみていられませんわ」

「お前の物差しで語るななのです。ではなんです? お前の目には、私が何に見えるのです?」

「何…と言われましても、構ってアピールをしている子供にしか見えませんわ。それとも言って欲しいのですか? 『国が滅んだのは、お前のせいじゃない』…と?」


テーブルが倒れる。紅茶もケーキも、全てが吹き飛び、次の瞬間アルギュワの胸元が掴まれる。流石に、短気すぎないか? アルミシアさんよ。


「…黙るのです」

「黙る? 何を? はぁ…子供の貴女に一つだけ、心理を教えてあげますわ。この世界には、二つの人間しか居ない。【幸福な人間】と【それ以外】。この世界に【不幸な人間】など一人も存在しませんわ」

「…どういう…こ――」

「貴方は、この世界の理不尽が運で来るとでも? くじ引きで? 当たった自分はしょうが無いと? 甘えるなですわ。現実を見ろ。【不幸とは、今まで生きてきた人生での愚行の清算】ですわ。貴方の父が死んだのも、ブレインが救えなかったのも全て! 【お前が何もしなかった】という結果の末路ですわ!」


正論だ。美しく、言われた相手が惨めで縮むほど。薄目で見ても吐き気がする程の、真っ当な視点からの正論。

現実じゃ、この正論は大して効果をなさない。効果があるのは、、


「…う…あ 」


こうやって、罪を自覚しながらその事実に目を背けてきた、ろくでなし(アルミシア)だけだ。

彼女の目は、今にも割れて何もかも粉々になりそうな程、罪と後悔で傷ついていた。


読んでいただき本当にありがとうございます!


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そうするとロリのやる気が上がります。

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