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永劫回帰は夢を見ない  作者: ユナ
黄金変容編
193/274

勇者の終わりと臆するあなた

500ポイント突発! いつも見てくれている方々、本当にあざます!

その昔、ホタルを潰した事がある。

文字通り、手で一撃で握り潰した。痛かっただろう。怖かっただろう。でも分からない――俺は潰されたことなどないのだから。


"アルピス"


この国では争いが起きている。プリスとディスガイアの、この世界すら滅ぼしかねない戦争だ。

プリスは、戦いの時、人々の命を最優先する。落ちてくる瓦礫を切り刻み、怪我は治し、敵は自分に引きつける。


「これに乗れ!」


プリスの固有魔法は、【聖王の道】 効果は至ってシンプル、天の川のような白い絨毯が出来るだけ。

だが数も長さも無限、だからこそほとんどの人々を中心街から逃がすことが出来た。



「ほう、我との戦いで無垢な命まで心配するか。舐められたものだ」

「…別に舐めてないさ。ただこちとら【聖王】なもんでねぇ!」


プリスの剣、ディスガイアの拳がぶつかる。その衝撃は周りの家のガラスを叩き越し、ガラスの雨を降らす。

プリスの足が地面にめり込む。上から叩き込まれた、ディスガイアの拳のせいで、ギリギリと押し込まれていく。

プリスは、ほんの少しため息をつく。たとえ自身が生き残る選択だとしても【邪王と話す事に】なるとは、と――


「…邪王…お前は…なんの為に…アルピスに」

「何のためにだと? もちろん超白星祭の為だ。それ以外にあるまいよ」

「…お前と…その祭りに…なんの関係が」

「フム…関係か。そういう意味では【無いな】。我からすればこの祭りは約束の日という認識しかないのだよ」


いきなりディスガイアの拳が軽くなる。隕石が綿菓子になったレベルでだ。瞬間プリスの力が上にあがり剣がディスガイアにスレスレで通る。

「しまった!」と思う頃には遅い。軽くなると言うことは、その分移動速度も早くなる。プリスの顔面に拳が入る。容赦ない一撃か。その力でプリスは大きく吹き飛び奥の家を数々吹き飛ばす。

ディスガイアがそっぽを向き、王宮に足を進めようとすると。


「聖王の道 (トラップ)!」


ディスガイアの足元が大きく光り、その後大爆発を引き起こす。これは、プリスの能力の応用だ。絨毯を加工して爆弾性能を付与しただけ。

プリスの能力は、至ってシンプルで、これといって強みは無い。だが、それだからこそ【自由】な発想のプリスとは相性がいい。

能力バトルとは、応用の応用の戦いだ。誰も最初に授かった力で戦うやつなど居ない。


「必死だな。トラップを仕掛けてまで、我を止めるとは、()()()()()()()()

「…ごほっ。どういう事だ?」


頭から流れる血を受止め、傷を癒し、顎が揺れて脳震盪起こすプリスは、それでも話しかける。


「忘れたとは言わせるよ。お前の弟子【勇者サタン】あの者が魔王アリスを殺し、封印した。そこまではいい」

「……黙れ」

「――そこまではな。その後、貴様は何をしていた? 一度でもサタンに会ったか? 褒めてやったか? 否、否、否!!! 貴様は()()()()()()()()()()()、ただずっと辺境で――」


最後のセリフを言う前に、プリスの剣がディスガイアの脳に直撃する。ただ()()()()()。なぜだ? 答えはすぐに分かる。

――プリスが刺したのは、逃げ遅れた住人だった。この近辺に住んでいる殆どは、逃げれる事が出来たが、それでも【殆ど】が限界だった。数字にして一%。

それを引き起こす程、プリスは耄碌していない。視線はディスガイアに移る。


(今のは…幻覚か? では、本物は何処に)


プリスは、ハッとして上を見る。何故かは分からない。ただ勘が、上だと働いた気がした。

ただ、いつまで経ってもディスガイアは来ない。その時――


「残念、下だ」


プリスの目線が下に動く。そこには、今にも陥没しそうなほど、ヒビの入った地面がある。だが彼女も先程で学んでいた。回避しては、逃げられない。であれば。


【聖王の道 放出(ビーム)


プリスは剣を下に突き刺す。大きな音と共に、可視化できる光が、水を落とした土のように、少しづつ枝分かれをしながら、地下に浸透していく。


【聖王の道 連鎖(チェイン)!!】


プリスの次の技で、下に浸透した光が大きな爆発を伴いながら、ディスガイアを攻撃する。

急激な地下の地盤変化で、所々街の建物が、沈没や隆起を行った。

プリスには手応えを感じだ。ただダメージ的には、かすり傷程度だろう。運がよくクリティカルしないかな…と祈るが、それは簡単に踏みくだかれる。


「小賢しい」


少しだけ頭から血を流し、それを拭って髪を整えるディスガイアがそこに居た。

プリスの手応え通り、殆ど無傷でピンピンしている。あの技は、普通の人間がくらえば、跡形も無くなるレベルなのだが…という嫉妬は、胸の中にしまって、聞きたいことを聞く。


「そういえば、聞いてなかったが。邪王、お前は何のためにアルピスに来た?」

「もう忘れたのか? 祭りの為だと――」

「知ってるよ。だからこそ聞きたい、【祭りで何をする】気だ?」

「…あぁそういうことか。まず一番の目的は【クスノキ】を殺す事だな」


その瞬間、プリスの目が変わる。殺されても仕方ない、という諦めの目から、子供を守るような強い目に。

剣をしまう。そして両手を合わして、指を組み形を作る。


「…正気か?」


そのディスガイアの時にプリスは、ニヤッと笑う。当たり前だ。プリスがやろうとしているのは、聖王の名とは、反対の事。1歩間違えればアルピスが滅んでしまうそんな賭けだ。


「正気かだと? 勿論だとも。先程言ったように私は聖王なんだよ!

それにお前は言ったな。サタンに会わなかったと。あぁそうだとも、私はあいつに感謝されるのが怖かった。戦いしか教えられなかった無能に、会う資格なんてないんだよ。でも今は違う。私にも弟子がいる。彼女がお前を殺すまでは、生きたいんだ!」


息を吸う。プリスの周りの空気が変わる。魔力が固まり、準備が満タンだ。

だが少しだけ不安があり、プリスの聖王という称号はほとんど機能しておらず、吹けば飛ぶようなものだ。だからこそ、弱体化したものを使う。


「固有反転!」


フィールドが構築されていく。歪な形で大きくなりながら、少しづつ巨大化していく。

プリスとディスガイアを入れ、逃げ遅れた人々は、入れないように工夫していく。


「さてと、ここからが私のターンだ。邪王!」

「もう一度言おう。小賢しいぞ聖王!」


二人の戦いはもう少し続きそうだ。


超白星祭まで、あと20時間

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