表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
永劫回帰は夢を見ない  作者: ユナ
黄金変容編
192/274

作戦開始(モルト、エド陣営)

クスノキ達が、奴隷ルームで白王と会う数刻前、VIPルーム表でも動きがあった。

カラカラ、とダイス鳴る。男は、黒を選択しそのダイスは、見事黒に落ちる。

ただその金額ははした金。彼がそれを説明する前に、同行者がついに苛立ちの限界突破した。


「おい…」

「何だ? モルト」

「何だじゃねぇよ。何やっているんだよ、、もう四回目になる質問だぞ」

「見て分からないか? ギャンブルだ」


いるのは、エドとモルト。質問したモルトの"んな事わかってるわ!"って言う言葉は、何とか喉の奥にしまって、冷静に話を進める。


「はぁ!? んな事見りゃわかるわ!」


――冷静には無理だった。モルトの苛立ちにも仕方なのない事があり、エドはもう日本時間で一時間以上適当にギャンブルをやっている。

モルトも、彼がクスノキの、同行者だと分かっているので、多少の信頼はしているが、信用と盲信は違うと思った上で話を進めた。


勿論エドもそれをわかった上で、無視しているのだが流石にウザイなと思ってしまった。

大きなため息をついた後、凪のような目をして話し始める。


「モルト、釣りは好きか?」

「…一応聞くが、関係あるんだよな? 今の状況と」

「いいから答えろ。ダホ」

「(コイツ…)――好きかどうかと聞かれれば、NOだな」


少しだけ、エドの目が変わった。どうやら、それほどモルトの否定が意外だったらしい。

だがその、水面も直ぐに消えてしまい、いつものエドになった。


「そうか、まぁどちらでもいい。…理由を聞いていいか?」

「どちらでも良くねぇじゃねぇか。…まぁいい、強いて言うなら、【金にならねぇ】からだな。釣りするぐらいから、適当にギャンブルしてた方が遥かに稼げる」


エドは「そうか…」と声を出して、またそっぽを向いてしまう。その目線は、白い壁のように、何もかも拒絶するような、冷ややかな目をしていた。


これには、流石にモルトもブチギレる――が、それよりもある疑問が残る。これは、彼がエドにあってから、ずっと感じていた疑問だ。


「おい、お前の質問に答えたんだから、こっちからも質問するぞ」

「…なんだ?」

「お前の事は、クスノキから聞いている。探偵事務所を開いて、いつも明るいとな。"今の俺の印象は、そんな状況とはかけ離れている。"…お前の身に、【VIPルームで何が起きた】んだ?」


後々に判明するが、この質問はこのVIPルームの確執を抉る質問だった。

エドは、口を開く。その言葉から、何が出るのか――だが、その言葉は出ることはなく、全く違う展開が起こりうる。


「――ん?」

「おい、どうした? どこ向いてんだよ」


エドが、ギャンブル台の方を向く。そこにさっきまで無かった、ダイスがふたつ。【1と7】を指している。

それを見て、エドは笑った。やっと釣れたと。大物が引っかかったのだ。

ずっと待っていた。エドがクスノキを置いてVIPルームに行った理由もこれだ。

全ては自分がいると、アピールする為。酔王から言われた、ある一つの情報が、ついに確定したのだ。


「…賽は投げられた、、か。行くぞモルト」

「ん? いや行くってどこに?」

「そりゃ勿論――」


エドは指をさす。二人がいるのはちょうど真ん中、モルトはこの船の構造を把握している。彼の指の先にあるのは。


「――船長室にだ」


…波にゆれ、進行方向を決める舵。その舵は、どこまでの人間の運命を握っているのか。

そんな中、船長室の【彼】が持っていたダイス、小さく音を立てて床に落ちる。そっと静かに落ちた。


「それで? 僕のダイスは、送ってくれたかな?」

「はい、エド様とモルト様は、現在船長室に向かっておいでです。楽しいゲームが味わえる事でしょう」


そうやって、バニーガールが彼に微笑みをかけた時、銃弾が彼女の二の腕を貫通する。

銃声、倒れる音、悲鳴、どれをとっても騒音だった。


「…あのさ、何時から【俺】の事をわかった気になっていたの?」

「…も、申し訳…」


はぁ、怒る気すら失せるな、という目線でバニーガールを見る男。

彼は、手を叩いて負傷した彼女を、手当しろと他の部下に伝える。


そして、皆が即退散し、船長室には彼だけが残る。ここはホワイトハウスの最先端。彼の目線に次の駅がある。だが、次の駅は到底見えず、地平線が彼の瞳を惑わすだけであった。

読んでいただき本当にありがとうございます!


星を増やしてくれるとありがたいです。


面白かったと思ったらブックマーク!


感想やレビューもお待ちしております!


星ももちろん大歓迎!


具体的には広告下の☆☆☆☆☆を★★★★★にね。


そうするとロリのやる気が上がります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ