呪い
あらすじ 冒険者の名前が最悪だった。
という事で冒険者登録が終わってパーティが完成した。
――リーダー クッキー(クスノキ)
――お供 カッター(ナイフ)
――お供2 ビスケット(ユーロ)
何だこの地獄みてぇなパーティーは。まぁ、全ては俺が面倒くさがって名前を決めるのをパスした結果なのだがね。
てかユーロのは何? クッキーはクスノキから取っている。カッターはナイフから取っている。ビスケットは?
え? クッキーと言えば相棒はビスケットでしょ! って?どういう事? ふつうミルクとかじゃないの?
そう聞いたユーロはそれがあったか! と驚きの顔を見せていた。もういいや。
「というわけで帰りましょうか。頭」
え? もう帰るの? 少しだけでも買い物していきたいんだけど。まぁ、何かしらの理由があって夜はこの国に居ちゃいけないんだろうけどもさ。まだ午後4時。
「帰りましょうか? 頭(圧)」
はい、カエリマス。ナイフが怖い。少し買い物したかったが仕方ない。帰るとしますか。
ん? あそこの2人組のカップルも、観光客かな? あらら随分とお買い物しちゃって。アチアチな事ですね。爆発しないかな。
「可哀想に、なんで今この街に来るんだ」
ナイフがなんかぼそっと言っていたが俺には聞こえなかった。声が小さいんだよな。まぁ、いいや。門番の所へ行こう。
「もう帰るのか? 1日ぐらい泊まってゆっくりしていけよ」
門番も止めて来るか。正直ここに来るまでに会った人にも泊まっていけよって何回も言われた。そんなにこの国に留まらせたいのかな? 経済は順調に見えるけど。
「すまない、家には病気の仲間がいる。泊まってしまっては世話が出来ないのでな。お心遣いには感謝しよう」
「そうかなら仕方ねぇな。お大事にって言っておいてくれ」
まぁ、嘘では無いな。盗賊の村には俺が吹き飛ばして怪我さしたナイフの仲間がいるし。
病気の奴も居たはずだ。これは俺のせいでは無い。後で浄化してみよう。パリピにならないのならこっちのもんだ。
門が閉まる。いつの間にか門限だったらしい。門番も門の中に入る。観光客は、、まだ買い物してるよ。お気楽なこったね。
帰り道は順調に行った。エッグケイブを通らないので普通に整備された道を行く。やはり、快適でいいね。
さてそろそろ聞くか。
「ナイフ。何故あの国に夜は留まっては行けないんですか?」
「───────」
ナイフは答えない。無視している感じでもない。言うなれば何を言うか考えて何も言えなくなっているというか、、そんなにタブーなの?
「あの街は呪いだよ」
ユーロがぼそっと言う。呪い? よく分からない。
「クスッチにも、いつか分かる。あの街の醜さが」
そんな話をして俺達は盗賊の村に帰った。
*
鐘がなる。地獄を呼ぶ鐘がなる。今日も殺せと今日もやれと囁いている。街は少しづつ暗くなり本来の場所を取り戻す。
道は暗くなり中から呪いが溢れ出す。今日の生贄ば誰だと?囁きながら。
ふたりの男女が走る。明日結婚するために買い物をしに来た2人。ついに気づいた。この街の違和感に。ただもう遅い。気付いた時にはもう遅い。それを見た時にはそれもお前を見ているのだから。
「ハァ、ハァ!何だこの街は!何だあの怪物は!」
「ねぇ!誰か助けてぇ! お金ならあげるからぁ! 死にたくないのぉ! 誰かァァ!!!」
街の住人にはもちろんその声が聞こえている。ただ誰も答えない。全員がベットにくるまっている。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」と呟きながら。ただ嵐が過ぎ去るのを待つ。
更に闇は深くなっていく。白い建物が黒くなっていく。深海へと落ちていく。
「門だ! 開けるぞ!ってあれ? 鍵が!」
その男女は懸命にも門の鍵を持っていた。ただ時が遅かった。もうそれは門の鍵ではない。鍵は別のやつになってしまった。
「ねぇ、来てるって!って!いや!こっちに来ないでぇ!!」
「頼む見逃してくれぇ!! 金ならいくらでも! あっ! ギャァァァァァア!!!!」
悲鳴が響く。静寂の街に2人の悲鳴が響く。恐ろしや恐ろしや、後に残ったのは血の跡と少しの服、それ以外は砕かれてしまった。死ねれば楽だろうが、そうはいかない。
鐘がなる。鐘がなる。明日も寄越せと鐘がなる。明日は俺だと鐘がなる。楽しみだと鐘が響く。
住人は何も出来ない。助けを求められたのに、冒険者であるのに何も出来なかった。少し落ちる一筋の涙が。
「誰か、、、助けて!」
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