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永劫回帰は夢を見ない  作者: ユナ
黄金変容編
179/274

試練の証

にゃ

「弱いですね」

「だな。…何のための敵だ?」


襲いかかってきた敵は正直弱い。まぁアリスやプリスに比べると天と地ほどの差があるから比べるのが可哀想ではある。

だがそれにしても【弱すぎる】のだ。明確な殺気があったから敵ではあるのだろうが…てかそれよりも――


「モルトさん。拳スタイルなんですね」

「なんか文句でもあるのか?」

「…いや無いですけど。珍しいなと思っただけです。魔法も使わないんですものね」

「――何言ってんだ? 魔法を発動するより殴った方が早いだろ?」


あっ、脳筋の方ですね。もう何も言いません。

まぁ俺も魔法発動出来ないから似た様なものだな。固有魔法ぐらいは使いたいんだけどね。


「てか魔法を使わないってならお前もだろ、クスノキ」

「私はいいんです。魔法を使わないのでは無く使えないので! 固有魔法を会得できた暁には、魔法でポンポン無双しますよ」

「イキってんな…(悲しい目)」

「なんですか!? その顔は!」


◇◆◆◇◇


少し討論していると、あることに気づく。先程までいた敵が見当たらない。

まぁ夢だからなんでもありなのかもしれないが、それにしてもこういう時は――


「敵が消えましたね」

「そうだな。第二陣か?」

「油断できませんね」


その時耳に何がが流れる。人の声、女性、でも何だ? 俺はこの声を【聞いた事がある?】


『第1の試練を突破しました。おめでとうございます。報酬をお受け取り下さい』


「…報酬?」

「何の話――クスノキ! 来るぞ!」

「!!」

「馬鹿野郎! 前じゃねぇ! 【下】だ!!」


下を見る。もう遅い。

地面に線が走る。それは魔法陣のように徐々に形を成していき、魔法が発動する。壮絶なる光で目がくらむ、そして為す術なく光に飲み込まれた。


◇◇◇◆


眩む意識の中、何かが映し出される。ガビガビの映像を見ているような、埃をかぶった本をめくるような穴あきで、それでいて朧気な【誰かの記憶】だ。


「本当に…するんですか?」

【私も彼に罪滅ぼしがしたいんですよ】

「それが…罪滅ぼしになるとでも?」

【何が言いたいんですか? 相棒を蘇らすんです、絶対クスノキさんは喜んでくれますよ】

「…そうですか」


この声はムーン? そしてもう一人は知らない声、聞いた感じ会話だろう。だが、何故だろうか。俺はこの会話に少し苛立ちを覚えた。

胸の中にマグマが入るように、ただの会話のはずなのに、それでも【このムーンを許すな】と誰かが言っている。なんで?


「起きろ、クスノキ」

「…あれ? モルトさん? …ここは」

「――俺に聞くな。前を見ろ」

「これは…」


一言で言うなら【何か】。分からない、ただ悪趣味で漠然とした黒い塊が何かを襲っている。

街? 国? それとも――だがそれを確認する前に場面が切り替わる。


「我々は罪を犯した。逃げなければ」

「どこに?」

「それは――」


誰かが話し合っている。罪…まさか、いやそんなはず。

俺は少し鼓動を早く走らせながら、映像を見る。


「助けてあげようか?」

「あなたは一体!」

「私は魔族――お前達を助けてやろう」


魔族は、その者に知識を与えた。設計図を見せて、作る力と労働力を与えた。そして魔族は続ける。


「魔族様、どうして我々にこのような有り難い知識を?」

「決まっている。お前達がゴミ虫だからだ。ゴミ虫だから罪を犯し、そして逃げざるを得ない。だからこそ――」


魔族は続ける。もう分かる、これはアルピスの過去だ。アルピスは魔族と繋がっていた。だが、アルピスの住人を襲っていた最初の黒い塊は何なんだ?


「――我はもう寿命が近い。だからお前達に助けてもらいたい。水中浮上都市を作ったのはそのためだ。海から魔力を汲み上げ、我に捧げよ。余計な魔力はお前達が使え。そしていつの日か我を復活させるのだ!」


これがアルピスの真実なのか? アルピスは元々何かと戦い敗北した。そしてその何かに狙われた理由が罪なのだろう。それはまだ分からないが、その後人々は魔族と契約をしてアルピスを作った。

そして、魔力を海から吸い上げるのは、魔族を復活させるため…ハクアは知っているのか? いやそもそもこの映像がフェイクの可能性も…


「落ち着けクスノキ」

「モルトさん?」

「受け入れられないのは分かる。だからこそ深呼吸だ。落ち着け」


そして俺は深呼吸をする。少しだけ心臓が遅くなった気がする。つまりは落ち着いたという事だ。


「難儀だなお前も」

「どういう事です?」

「この映像から見るに、お前はこの魔族と戦わなくちゃいけない。それはここでVIPルームに行く何倍もきつい事だ」

「そんな事、分かってますよ。でも――」

「でも、やらなきゃだろ? だったら道を示してやる。このホワイトハウスには一本の【聖剣】がある。その昔、勇者サタンが使っていた剣だ。

片方の【土の星(サタン)】は、行方不明だが、もう片方はこちらにある」


モルトは笑いながらこちらに問い掛ける。恐らくこれは試されている。アルピスを救うか? という、モルトなりの慈悲だろう。

だが俺の覚悟は決まっている。俺はモルトの目を見てこう答える。


「その聖剣の名は?」

「いいね。教えてやろう。その聖剣の名は【赤き星(ペテルギウス)】。サタンが生命――生きているものに効果があるのなら、ペテルギウスは魔族――常識外の存在にうってつけの物だ」


こうして、ついに俺にVIPルームへと上がる理由が出来た。だとすれば上がるだけだ。そして、真実に辿り着いてやる!


アルピス:超白星祭まで、あと二十日。

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