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永劫回帰は夢を見ない  作者: ユナ
黄金変容編
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ブラックスワン

「夢を見たんです。誰も救われないハッピーエンドの夢を。

"焼け焦げた大地で、ぐちゃぐちゃで誰かも分からない手を掴んで祈る"⋯そんな幸せな夢を」

俺とモルトはテーブルの席につき、目の前にトランプが配られる。

⋯本当にトランプで勝負するのか? こんな大勝負を。


「フフっ⋯――」


モルトが鼻で笑う。彼の目を見ると、まるで獲物を狩る肉食獣のように鋭い目をして、こちらを見ていた。


「――お前が考えてる事を当ててやろうか? "なんでこんな大勝負をトランプでやるのか?"って所だろ?」


「⋯⋯」


「沈黙は合意と見ると教わらなかったか? いいね、分かりやすい。

疑問に答えておこう。確かに、トランプでやるには釣りが合わない勝負だろう。お互いどちらかの人生が終わるんだからな。だからこそフェアに行こう。イカサマの余地は無い絶対的なフェアなゲームでよ」


その言葉と共に、ディーラーがトランプを配り終わって、話し出す。


「クスノキ様。今回プレイしてもらうゲームは"ブラックスワン"です。」


「ブラックスワン?」


「えぇ、ではルールを説明します」


――簡単に言うと。


1・お互いに全てのカードが配られる。自身の出番では、相手の手札を一枚貰い、被れば捨てる。


2・プレイヤーはゲーム開始時に、自身の手札から1枚づつ手札を抜く。お互いに一枚だけ仲間はずれ(ブラックスワン)と言うペアにならないカードがある。

それを指摘or相手に押付け自身の手札が無くなり次第勝利となる。


3・解答権は無限。相手のターンでも回答は可能である。だが間違えた時ペナルティとして、ランダムに【二枚】手札を相手に与える。


ルールは至ってシンプル。だがこれは――


「ディーラー。ペナルティがこちらのメリットになっていないのでは?」


「クスノキ様――と言うと?」


「解答権は無限。そして相手に押付けるのなら、最初に沢山回答して、相手に全手札を押し付けられるのではないですか?」


「ご安心下さい。そのためのルール4でございます」



4・ズル防止のため、解答権を1度使った後の次のターンは答えられない。


⋯なるほどね。まぁこれなら何とかなるか。⋯なんとかなるのか?

さてとじゃあここから始まるのか? 随分とシンプルだが。


「――お待ちんす!」


⋯今度は何だ! もうめんどいな。って誰?


「⋯おいババア。邪魔すんじゃねぇよ、これはフェアなゲームだ。とっとと出ていけ」


「あー嫌でありんす。こうやって何も知らない素人を地獄に引きずろうとするその魂胆に吐き気がするでありんす」


「⋯⋯チッ」


どうやらモルトとは知り合いらしい。あのー、俺だけ蚊帳の外なのやめてくれません?

てか――


「あの、地獄に落とすとは一体? てか貴方は⋯」


「ん? あぁ素人とは思っておりんしたが、まさかここまでとは。クク⋯わっちの名は【シズク】ブリラニア・シズクマリア。長いのでシズクで結構でありんす。

さて⋯地獄の意味でありんすが、あんしはモルトから【代償】を聞いたでありんす?」


「⋯えぇ、私が負けたら奴隷にと」


「違う。"モルトが負けたらどうなるか聞いているのかと聞いてる"のでありんす」


⋯そういや聞いてないな。てっきり同じ条件かと思っていたが、まさか――


「まさか、モルトは何も言っていないから、負けてもノーリスクだとでも?」


「おや、以外にも鋭いでありんすね。クスノキ、これがフェアと言えるでありんす? いえ全く。そんなゲームこのわっちが許しません。管理人としてでありんす」


"シズク⋯通常ルーム最高責任者"


少しだけ見直していたよ、モルト。だがまぁメッキはすぐ剥がれるという事で⋯普通に信じていた自分が恥ずかしい。


「ババア⋯何のつもりだ。今まで俺のやり方に何も言わなかったくせに――まさか⋯誰かがお前に金を!」


「何のことでありんす? あぁそうだクスノキ。【お連れ】から伝言がありんす。"さっさと上がってこい"でありんす」


あぁ、そう。素直じゃねぇな。そうだよなエド。お前は上にいる。なら追いつくだけだ。


「これよりシズク⋯最高責任者としての権限を使い、わっちがディーラーを務めるでありんす。お互い完全フェアになるように全力を尽くします。

クスノキ⋯負けたら奴隷行き

モルト⋯負けたら全財産をクスノキに渡して奴隷行き

さぁゲームを始めましょう。お互い語る事は語った。後はカードで語ってください。始めます。ブラックスワンを――」


シズクはトランプを回収して、パラパラと見た後苦虫を噛み潰したような顔をする。そしてトランプを変えた。

あいつトランプにもなんか仕掛けてたのか、どうしようもねぇやつだな。


⋯とは言っても俺がモルトに勝てる確率は低いだろう。だからこそ【確率】を上げる。何をするかって? そりゃあ勿論――イカサマだろ。



「――gameSTART! でありんす」

読んでいただき本当にありがとうございます!


ブラックスワンを考えるのに結構かかりました。でもルールは穴だらけのカサカサです。フェアなゲーム考える人って凄いんですね。

次は土曜日になります。


星を増やしてくれるとありがたいです。


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具体的には広告下の☆☆☆☆☆を★★★★★にね。


そうするとロリのやる気が上がります。

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