俺は誰だ?
時々思う、俺は誰か? と。
異世界で生まれ変わり、全て何もかもが変わった。
思う。"いつまで日本に戻れると思っている?"
そんな声が度々俺の脳を通過する。果たして俺の物語のハッピーエンドは、日本に帰ることだろうか?
いや、そもそも、帰った所で日常に戻れるのか?
この姿になってから、嫌になるほど困った人間が目に映るようになった。見て見ぬふりをしようとしても、何故か助けてしまう。
電車で轢かれそうになる人間を見て見ぬふりできるか? 自殺しようとしている奴に野次を飛ばせるか?
そうだ…俺はもう壊れているんだ。
一つ目の国で、【悪辣】を学んだ。
どの世界でも、悪は生まれ人々は苦しめられると知った。
驚いたのは、俺がそれに対して【感傷的】になったこと。
高校生という、争いに身を置く必要が無い場所で育ったのに、何故ここまで【関係の無い世界】に怒りを感じたのか。
結局その答えは分からないまま終わったが、ひとつ言えることがある。"どうやら俺は、俺が思ってる以上にこの世界が嫌いのようだ"
二つ目の国で、【犠牲】を学んだ。
昨日まで目の前にいて、自分を非難していた男が、次の日には灰になっていた。
いい笑顔をしていた子供が、カルシウムの塊だけになっていた。
一つ前の国でいた狼が『白い光』になった。
何を見たか、俺はそれを救いだと思っていた。人にトドメを指しているにもかかわらず、それに理由をつけていた。
三つ目の国で【同類】を学んだ。
俺以外にも沢山の異世界人がいて、そして初めて厄介な【奴】と出会った。
生憎にも、俺はその奴と一緒に船で旅をしているんだがな。
さてと、そろそろ勝負と行こう。何もなし得ない奴と、生きる価値がない男。どっちもどうでもいい、死のうが生きようが誰の人生の天秤も傾かない。
そんなよく分からない二人の戦いだ。
「⋯来たか、クスノキ」
「えぇ、始めましょう。これで最後です。私はあなたを打ち負かしてVIPにあがります」
始まる。糞ために落ちるか、天国に上がるか。一騎討ちだ。
「⋯さてと、クスノキ、俺はめんどくさい勝負が嫌いだ。『ババ抜き』で決着をつけようぜ?」
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