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永劫回帰は夢を見ない  作者: ユナ
黄金変容編
163/274

キリエ・エレイソン

死ねと言われた気がする。

神に死ねなど、月を手で地上に落とせと言っている様なもの。普通に不可能だ、神はたとえ死んでもまた復活する。意思など関係なく、世界が死なせてくれない。

何年、何十年、何百年と生きていると、少しづつ生きているとこに鈍性を覚える。

一度目は感動する映画ももう一度見ると涙が出ないように、あの時の感情は何処かに消えてしまった。


【それで、何故あなたがここに居たんですか? シャイミール】

「···言う必要あります? えへへ」


ムーンは彼女を問いつめる。普通に不法侵入だ。だが相手は王の称号を持つ『涙王 シャイミール・アクアマリン』。彼女か暴れればアルピスもタダでは済まない。

彼女が居ること自体、この国からすれば緊急事態なのだ。


【では質問を変えましょう。シャイミール、貴方は国の内部で何を見ました?】

「見た? 何を? 見ちゃいけないものでもありました? 私が見たのは貴方の────」


その時、ムーンの持っていたグラスにヒビが入る。

彼女は見てはいけないものを見た。勿論クスノキが見たものじゃない。隠していたムーンの切り札。


【もういいです、貴方は国に帰りなさい】

「は? 私だけが答えて終わりです? 違いますよね? 私からも聞きます。貴方は世界の味方ですか?」

【どういう意味──────】

「分かりやすく言いますよ? 貴方”この世界の神じゃないですよね?”」


ムーンは自らでもわかっている。この世界の真なる神はディスガイアという事。ムーンはこの世界を作っただけ、創造主と管理人は違う者であるべきだ。

それでも──────


【もういいです。帰りなさい、シャイミール】

「えへへ、嫌です。私もクスノキさんとお話を···は?」

【って言うと思いました。ならもういいです、死ね。どうせあなたは分身でしょう? 貴方が死んでも本体は痛くも痒くもないのですから、さようなら】


ムーンは右手の人差し指を天にあげて魔力を込める。天地が少しづつ振動していく。耐えられないのだ、ムーンが出す魔力に、地面にヒビが生え雲が消えていく。


「あらら、これはやばいですね。···まぁもう逃げるのは無理でしょうから、本体に情報を共有してっと、これでもいいでしょう」


シャイミールは既に覚悟を決めていた。分身だからはあるが、それでも、彼女の自我は分身固有の物。彼女が死ねば、同じ個体は二度と現れない。


「···最後にお話したかったのですがね」


ムーンの魔力が最高地点に達する。雲がうずまき、近くの湖が氾濫する。神の意思が世界を動かし、滅ぼしていく。


”白亜の城よ 創成を見よ 破壊を見よ 我が手に赤銅の叢雲(むらくも)があり 世界を滅ぼすは我が力 創造を得て破壊あり 告げよ ムーンを崇めよ 大地の傷を我が涙で潤すと我が身に誓う 全ては既に虚空 故に姿なき神座(かむくら)に代わり全能神が裁きを下す 固有魔法(こゆうまほう) 神の罪(キリエ・エレイソン)


ムーンの力が、純白で全てを滅ぼす虹色の光がシャイミールを包み込む。触れた時点でそこから分子崩壊を引き起こす破壊の光は、最後に彼女の言葉を出すことも無く消し去って言った。


【全く、時間の無駄でしたね。さてさて、あちらは上手くやっているといいのですが、急いでくださいね。クスノキさん。時間はあなたが思ってるよりもずっと少ないですよ?】


読んでいただき本当にありがとうございます!


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