ということでハロウィンです
という事で番外編です
【ということでハロウィンですね!】
「⋯⋯はぁ」
え? 何いきなりさっきまで普通に買い物してたのに、外に出ようとしてドアをくぐったらここに来たんだけど。しかもムーンが出迎えのクラッカーを鳴らしやがって、身体中にラメがついた。
てか俺この後予定あるから、解放して欲しいんだけど。
「あの、私これから予定あるので解放してくれませんか?」
【イタズラしていいですか? とりあえず貴方が行く予定の店をぶち壊します】
わかった、解放する気は無いと。それにしてもハロウィンか、まずいなお菓子持って無いぞ。
【あぁ、お菓子持ってなくてもイタズラするので無くても大丈夫ですよ? とりあえず一週間語尾が『ハロ』になるとかはいかがです?】
だいぶ迷惑だな。イタズラの限度を越していると思うのだが? そんな事なら激辛クッキーでも買っておけばよかったなー
【まぁまぁ、そんなに嫌な顔しないでください、虐めたくなっちゃいます。
それにもうすぐまた一人来ますよ】
ん? だってこれ以上アルピスでムーンと親しい人間は居ないはずだが⋯⋯
「(ガチャ)⋯⋯は? バタン!(扉を閉めた)」
⋯今なんか魔王がいたな。しかも奥がトイレだったから最悪のタイミングで呼ばれたな。
なんか可哀想になってきたわ。
2分後⋯⋯
「⋯てめぇさ、トイレの後に呼ぶとかどう言う神経してんだ? ムーン」
【あらら、魔王アリスと言うものが神のイタズラ一つ許容できないとは情けない。とりあえずこの空間は終わったら記憶から消えるので、裸踊りでもしてくれません? 宴会部長】
「よしわかった、戦争だな? ⋯あのさ、俺もクスノキも暇じゃねぇんだよ。お前が暇なのは分かるがそれを俺達で発散するな見苦しい。暇ならホワイトハウスても行ってこい!」
【えー、あのカジノの国の『ホワイトハウス』ですか? あそこは私が神の力を使って大金を手に入れたら出禁くらったんですよねー】
お前のせいじゃねぇか。何、被害者ぶってんだよ。
てかさ─────
「ムーン、あなたがハロウィンに招待するのなら飾り付けぐらいはするべきでは? この何も無い白い空間は雰囲気がないですよ。ねぇ、アリス?」
「あー、そうだな。突っ込む所はそこじゃねぇ気がするが、まぁそうだな。
確かに、かぼちゃぐらいはあってもいいんじゃねぇか?」
その時ムーンがハッとした顔をする。
(こいつ⋯⋯さてはハロウィンを知らねぇな?)と、俺とアリスは察した。
恐らく、お菓子を貰うかイタズラするかぐらいの知識しかない。元が収穫祭とかも知らないんだろうな。
⋯てか、本当に帰りたいんだけど。
「それで、ムーン。俺たちを連れてきたってことは、何をするんだ? やっぱりハロウィンか?」
【ふっ、さすが魔王アリスですね。とりあえずよく分からないで天気の話から入りましょうか、天気いいですね、明日】
「明日だし、白い部屋だから天気もわかんねぇし、そもそもハロウィンは天気の話をするイベントじゃねぇんだよ!」
⋯なんで俺はこんなクソつまらないコントを見ているんだ? てかそうか、ハロウィンか。日本にいた時もどんなことしてたか覚えてねぇな、渋谷が凄かったぐらいしか記憶にねぇ。
「はぁ、もういい帰るぞクスノキ。俺の力でここに穴を開けてやるから帰れ。俺達はこんな所で時間を潰せるほど神のように暇じゃねぇんだからよ」
「戻れるんですか? ならそうですね。ありがとうございましたムーン。来年はせめてどういう由来かぐらいは知っておいて下さい」
そして、ムーンはマジで焦った顔をする。結構このイベントを楽しみにしていたらしい。まぁ知ったこっちゃ無いんだがね。
【ま、待ってください! 分かりました、こんなにも早く秘密兵器を使う事になるとは⋯⋯ですが、背に腹はかえられません! いでよ! ハロウィンモンスター、パリピユーロ!】
「ヘーイ! よぉよぉ、ハロウィンは楽しんでるかい? say YEAH!」
(うわ! 数あるヤツらの中でも、一番めんどくさいやつが来た!)が俺とアリスの心の中で一致した。
よりにもよってあいつか、さて台風の目が来たぞ!
【さぁ、ユーロさん! ハロウィンとは何かを私に教えてください! そしてその恐ろしさを彼らに思い知らせてあげましょう!】
「え? 私ハロウィンが何なのか知らないぜ?」
【え?】
「え?」
話し合いぐらいしてこい! グダグダしてるな。とりあえずは何か⋯あっポケットに飴があった。でもこれって⋯まぁいいや。
「ムーン、ハロウィンではお菓子をあげるのが普通ですものね、これ一つしかありませんが、飴あげます」
【ク、クスノキさん。流石は私が選んだ勇者ですね。ありがたく貢物としていただきます!】
ムーンが早速封を開けて食べようとしているので、アリスに伝えようか。
「アリス、ムーンが飴を食べたら力を使ってゲートを開いてください」
「あ? 何でだよ。お菓子あげたんだろ? 何も無くても返してくれるんじゃないか?」
「⋯⋯見てれば分かります」
ムーンが飴を食べる。俺のポケットに飴があるという事は俺はこの飴を食べなかったということ。
何でか? それは勿論─────
【か、か、からーい!!!! み、水!!!】
「───という事で、私があげたのは激辛の飴です! アリス早くゲートを!」
「ハハハ! いいじゃねぇか、クスノキ! お菓子とイタズラを一緒にやるとはな! ここに来た意味はねぇと思っていたが、あいつのあんな苦しんでいる顔を見たなんてお釣りが来るぜ!
さぁゲートを開けた! のりこめ! ⋯ユーロてめぇは、どうする?」
アリスの目線の先には殺気が持つユーロがいた。まぁそりゃこの二人の関係性は悪いわな。
「⋯魔王アリス、お前はいつか私が殺す。サタンの仇だ」
「うーん、それを俺に言うのはお門違いかもしれんが、受けて立つぜ。力をつけとけよ!」
バッチバチにヒバナがちっている。いつかこの二人の戦いをこの目で見てみたいものだ! さぁ帰ろう! アルピスに!
そして、俺はアルピスに帰った。もちろん記憶は消えたので、ただ買い物が終わったおれがそこにいただけだった。
「あれ? 私は何を?」
「クスノキさん、早く行くのです。今日はアルピスの内部の問題を解決する貴方の依頼の日なのです。さぁ早く!」
「あぁ、ハクアさん。待ってください!」
そしてアリスは⋯⋯八つ当たりに一週間語尾がハロになったらしい。
「アリスよ。なにか喋ってくれないか?」
「うるせぇな、何もねぇハロよ グリシャ」
「wwwwHAHAHA!!!!」
「ぶち殺すぞ! てめぇ!」
そしてムーンは。
「ムーン様、今日のおやつです」
【⋯飴ですか。これって激辛じゃないですよね?】
「⋯はい? 激辛が良かったですか?」
【断じて違います!!】
少しだけ飴が嫌いになったらしい。めでたしめでたし。
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