上がって落ちる!
川下りだぁ!!
「えっさ! ほいさー! 早く漕げー!!」
「うぇーん! 死にたくないのですー!!」
時は少し進み、俺たち四人は必死にボートを漕ぐ。後ろには滝、早く漕がないと俺達は全員海の藻屑だ。
なぜこうなっているかと言うと───────
~放水開始まで約5分~
「さてと、クスノキ早く乗れ、全く貧乏くじを引いたぜ」
エドたちはもう既にボートに乗っている。ここから楽しい楽しいボート漕ぎだ。
ムーンからオールを渡された。死にたくなかったら漕げという事で、漕げ? ん?
「ムーン、入る時は安全と前言ってましたよね?」
【えっと、手違いがあって今日の放流の水は平均の1.5倍となっておりまーす!】
おりまーす! じゃないわ! 今からでも遅くないから計画の変更を─────出来ない? 今日じゃないとダメ? あぁそうですか!!
エドは俺たちが入ったのを見て窓からムーンに話しかける。
「大司教、帰ってこれたら報奨金を期待してもいいんだよな?」
【えぇ、帰ってこれたら相応の報奨金を出すと約束致します、何せ国の危機を救ったのですから。
……もう一度────帰ってこれたらですからね?】
「はいよ」とエドは窓を閉める。さてと、ここから始まるのか。
ん? そういえば放水をする所って国の外だけどどうやって──────
【さぁ行きますよ!! 頑張ってくださいねー!!】
何何! ムーンが力を使ったボートが浮いて、まさかフィジカルか? フィジカルで行くつもりか?
【ではでは、不思議で面白い海の底に行ってらっしゃいー!!】
ムーンが指を振ると俺達が乗っているボートが超特急で放水管に接近して、そこから流れ出る大量の水の上に落ちる。
つまりここからは漕ぐしかない。じゃないとこのまま落ちる水と一緒に海の底だ!!
な! の! で!
エド「えっさ! ほいさ! 早く漕げー!!」
ハクア「うえーん! 死にたくないのですー!!」
カゲ「さぁ漕ぐでござるよ! あっ手が吊ったでござる!」
……大丈夫かな? まぁここまで乗った船だ。何とかなると思っていくしかないか。
さて俺も漕ぐ────っておお! 入口が見えてきた!
排水管の中には少し大きな穴がある。そこから水に乗って下に落ちていく。
今回の目指すべきポイントは三つだ。
一・排水制御室
二・バイプ室
三・中央機関室
の三つ。どうやら問題が起きているポイントはこの三つでそれ以上は絞れないらしい。つまり、虱潰しにやっていくしかない。
とりあえず腕がきつくなってきたので早く安全な場所まで行きたい。
漕ぐ、漕ぐ、漕ぐ、なんとか水を伝って排水管の近くに来た。
テーマパークのように俺達は排水管に入っていく。
そして─────落ちた。真っ逆さまに。
「いーやー!なのです!!」
ハクアの悲鳴を乗せて俺達は底へと落ちていく。なんで蛇みたいな構造しているんだよ。
俺達は落ちて下の水流に落ちる。何とかボートからは落ちず、そのまま着陸できたので怪我は無しだ。
「し、死ぬかと思ったのです。こんなの命がいくつあっても足りないのです!!」
ハクアは少し涙目になっている。カゲはぐったりとしていてエドは慣れているかのように普通に運転をしていた。
「エドさんは、疲れてませんね? 慣れているんですか?」
「ん? あぁいや、お前は運転するには体が小さいし、他二人はアレだし、俺がちゃんとしなきゃ行けないだろ?
確かにお前は強いがまだ子供だ。【誰かに頼る権利】があるって事を忘れるな、自分一人でできるからって頼っちゃいけない訳じゃないんだよ」
……それはそうだろうけど、自分一人で出来るのならそれが一番じゃないか?───いや、自分で言って思ったがそれは孤立するやつの考え方だな。ムーンも言っていたが俺は誰かの助けなしで強敵を倒したことはない。なのに、自分だけの力で解決したいなど笑い話にもならないな。
「おい、クスノキ───────」
「? どうしました? エドさん」
「────ハクアとカゲを起こせ! ここからは楽しい川下りの始まりだ!」
俺の目の前にはゆっくりと進むボートの前に大きい岩が何個もあり、軌道を阻もうとしている。
あれに当たったら? 勿論沈没です!!
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