乗って二秒で沈没!
クスノキ「そういえばなんでカゲさんは語尾がござるなんですか?」
カゲ「ん? それはエドが今の流行は語尾にごさるって言っていたでござる。そうでござろう? エド」
エド「はい、ソッスネー」
クスノキ(ノリで嘘を教えやがったなこいつ)
~次の日~
「なぁ、クスノキ。ほんとに俺たちはこれで川登りをしろと?」
「……あの、はい」
エドの言いたいこともわかる。だって俺もこんな事を予想出来なかったもん!
てかどういう事! ムーン!
【どうしました? エドさん。なにか不満がありそうですが】
「当たり前だろ! こんな【ボロ船】で行けるわけねぇだろうが! 一寸法師でももうちょいいい船乗るわ!」
エドよ不敬だぞー……一寸法師もお椀だからどっこいどっこいな気がするが、だがそれでもこちらとしても予想外だ。
俺が探偵事務所を頼ったのは人手もあるが、もうひとつ『保険』が欲しかったのだ。
聞かなきゃまずいな。てか、もしかして知らない?
「ムーン、貴方はハクアさんが、王女だということを知っていますか?」
【えぇもちろん! それが何か?】
あー、知ってるんだ。有罪だわ、ギルティだわ。こいつ面白がってこんなボロ船を貸し出しやがった。
最低を通り越してサディストだわ。
この船に四人で? 昔話みたいなボロ船で?
入って二秒で沈没だぞ、これじゃあ。
「んー、クスノキ殿、少しこの船を見てもよろしいでござるか?」
ん? まぁ、カゲがそう言うなら見てもいいけど、ほんとにボロ船だからどうにも────待って何そのドリル!
「二十分時間を貰うでござる! 四人が乗っても大丈夫な船に改造するでござるよ! エド、ハクア、鉄道でござる」
「はいはい」
「はいなのです」
俺は休憩してていいということなので、少し体を休めますか。
【クスノキさん】
……なんだよ、人がせっかく休もうとしたのに。てかお前『そんな顔』するんだな。
悲しみの顔と言っていいだろう。それほど嫌か?
「ムーン、何がそんなに不満なんですか? 貴方の国の為にやるんですからもっと笑ってくださいよ」
【ごめんなさい。私にはやっぱり理解できません。貴方の相棒のシロさんはアリスに殺されたんですよ? 恨みとかは無いんですか?】
…お前、もうちょいデリカシーを学べよ。神に何を言っても無駄だとは思うが、触れちゃいけない事を堂々と聞くな。
「ムーン、人には言いたくないものもあるんですよ。ですが答えましょう。恨んではいます。ですがそれはアリスにではありません。あの時救えなかった自分を恨み続けますよ」
【……それは貴方が辛くは無いんですか? その道は答えがない地獄の道ですよ? どうしてわざわざ辛い道を歩くんですか? 他の道の方が楽なのに】
難しい質問だな。他の道なんて歩かなきゃ分からないなんて安っぽい事は言わない。
だって、見れば分かる。アリスを恨んだ方が何倍も楽だ。転んだことを石ころのせいにした方が気が楽になる。
でもアリスも世界を救いたいんだ。だったら協力した方がこの世界の為になる。俺ももう子供じゃない、優先すべき事は世界だろう。
「──そうですね。他の道の方が楽であるのでしょう。ですが私は世界を救いたい。アリスとも協力した方が貴方も得なのでは?」
【それはそうですが……貴方は巻き込まれたんですよ? 本来だったらここにいる必要も無いのに、どうして】
「まだ分からなくていいんですよ。わたしはそろそろ行きます。帰ってきた時に、答えを教えてください」
【───────】
何も言わない……か。神も神で悩むんだな。なんか超常的な力で全てを解決するかと思ったら、人間らしい部分もあるようで。
知りたくなかったな……そんな1面────とあっちも準備が出来たようだなっておお!!
「ぜェ、ぜェ、どうでござるか、クスノキ殿! これなら四人乗っても大丈夫でござる!」
俺が見たのはめちゃくちゃ補強された船。縦に大きく、横にはバトルがついた前進も後退も出来る優れもの。
これであれば何とかなりそうだ。はぁ、でもこれで行けるようなほど道は簡単なのかな? どうしよ。
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