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永劫回帰は夢を見ない  作者: ユナ
涙花寵愛編
143/274

カウノの騒がしい会議

という訳で久しぶりの番外編です


「さてさて、家畜の世話はこれで終わりだべ」


今日もエレシュキガルのカウノはいつも通り、家畜の世話やなんやかんやで忙しい毎日を過ごしていた。

腐王もいなくなり、ゾンビの脅威が無くなったのでカウノはまた国外で過ごしている。


これはカウノの要望であり、たまに様子を見に来るというカオリの条件付きで許されている。

何も無い空、何も無い風。そんな今日がカウノと一緒に歩くと…そう思っていた。


【ドタドタ!!!】


「ん? なんだべ? 足音がこちらに来ている───」


大きい足音がカウノに近づいてくる。砂煙を上げながらこちらに来たのは。


「カウノー! たふけてぇ!!」


「グ、グリュエさん!? どうしたんです───ってわわ! 引っ張らないで下さーい!!」


そのままカウノはグリュエに連れられて王宮へと向かう。平和な商店街で声を掛けられながら走っていった。

ここからカウノの頭が痛くなるような平凡で凡庸な巫山戯ばなしが始まった。


「そ、それでグリュエさん。何があったんですか?」


「……思い出したくもない。でも語らなければならないわね。これは今日の事」


という訳で回想だ。


~司令室~


そこに居たのは、カオリとグリュエ。


「それでどうかしら? グリュエ」


「どうかしら? っていい訳ないでしょ!!

なんですか? 【ゾンビクッキー】や【ゾンビーランド】を作るって、この国が財政難なのは分かりますけど、ゾンビもいないのに、なんでまた掘り返すんですか!?」


という訳だ。エレシュキガルは財政難。何故かと言えば大空が居なくなったことが大きい。

どうやって大空が資金を賄っていたか、それをカオリ達は知らなかった。なので手探りで行くしかない。

……だとしても、これはどうなのだろうか?


時間は今に戻る。


「という訳で貴方もカオリ様を説得してくれない? じゃないとこの国がテーマパークになってしまうわ」


「む、無理です! 無理です! カオリ様に意見なんて! いや……テーマパークになるのも嫌ですけど、それでも私なんかが意見を出して大丈夫なんでしょうか?」



「───ダイジョブだと思います」


「こっちを見て話してくれませんか!?」


もう四の五の言ってても始まらないので、グリュエは強制的にカウノを司令室に投げ入れる。

そこから地獄の会話が始まった。誰から見たかは後で分かる。



「あら久しぶりね、カウノ」


「あ、カオリさん、お久しぶりですー。えっと、その、あはは……」


特になんでも無い会話。天気の話でもすればいいのに、それすらカウノの脳内には出てこない。


「───所でいま、私とグリュエが言い争っててね、わたしのエレシュキガルを表に出そうって言うのを反対しているのよ。貴方はどう?」


(きた…来てしまった!)とカウノは唾を飲む。

これは所謂、剣で死ぬか弓で死ぬかだ。カウノの味方になればグリュエに殺され、グリュエの味方になればカウノに殺される。

八方塞がりとはこの事。どこを見ても闇だった。


「あの、えっと、それは私なんかが意見しちゃいけないような気がするんですが……」



「何故? どちらの味方をするかということだけ。それともどちらにもつかないとでも言うつもりかしら?

だとしたら貴方の意見を聞かせて欲しいわね」


たった一言、小さき言葉でカウノの立場さらに悪化した。先程までどちらにつくか言うだけでよかったのに、いつの間にか、新しい意見を提出しなくてはいけなくなった。


(これはどうすれば……テーマパークなんて嫌です。家畜が寝れなくなっちゃいます。でも、だったら反対意見を…あー! こういう時クスノキさんが居てくれたら────あっ)



「───流石に助け舟をだすしかないか」と待機していたグリュエが扉を開けようとした時─────


「カウノさん、私は意見を出せます!」


「へぇ、そう。じゃあカウノ聞かせてくれるかしら?」


グリュエの手が止まる。入るのをやめた。まだ負けた訳でなかった。カウノにはまだジョーカーがあったようだ。

……そして、グリュエはここで部屋に入らなかったことを後で後悔することになる。


「───カウノさん。確かにゾンビを売るのはいいかもしれません。ですが、それではまたエレシュキガルに悪評がついてしまいます。それはカウノさんの望む所じゃありませんよね?」


「それはそうね。でもそうしたらこの国の強みが────」


「ありますよ。時代はやはりヒーローなんです。

ですからクスノキテーマパークを作りましょう! あの金色の勇者のグッツを作るんです! そうすれば復興間違いなしですよ!」


(────は? ええぇぇ!)とグリュエは困惑する。止めに行かせたやつがまさかまさかの更にとんでもない爆弾を放り投げて来た。

既に更地なのにこれ以上何を望むのかと。エレシュキガルはグッツを作りたくないのでは無い。そもそもグッツを作る予算すらないのだ。


(ちょ! カウノ! あんたもカオリ様タイプだったの!? 話をややこしくするんじゃないわよ! あんたは止めておけばよかったのに! でも…これは流石にカオリ様が止めるか──────)


「カウノ、その意見採用するわ!!」


(───ほらね、ってええぇ! ちょっと待って!)


「(ガチャ!)カオリ様! 考え直してください。カウノも変にと言わないでって話を聞いてください! ちょっと! ねぇってば!」


────グリュエにとっての地獄の会話がここからはじまった。

グリュエは何とか説得をして、クスノキテーマパークやクスノキ美術館の案を拒否。とりあえず【クスノキクッキー】から始めることにした。


「もういやー、ヤケ酒よーー!」


グリュエは夜にBARで酒を飲む。内容的にも、二日酔い的にも頭が痛くなる一日だったのだった。


────因みに、クスノキクッキーは他の国でめちゃくちゃ売れた。なので次は【クスノキグミ】を販売……


グリュエ「却下!!!!!!」

読んでいただき本当にありがとうございます!


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