王金貨
金だ金!
金を出せ…ね。不味いなこれは、いや金はある。あるのだが……エドよ。
「あの、エドさん。お金はあるのですが」
いやほんとにあるんだよ。ほんとにね、でもさ───
「これで足りるのでしょうか?」
「ん? 何だこの小包、どうせ少ないんだろ、だったら受け─────は?」
ほらやっぱり! 足りないんだ! スプラッタ王国から出る時に軍資金貰ったけど少ないからダメだったんだ!
「な! なんだこの王金貨の数は!」
王金貨??
────少し前の事、クスノキがスプラッタ王国を離れた後のこと。
「おい、ユーロ」
「なんだい? ナイフ」
「お前、クスノキに軍資金渡していたけどいくら渡したんだ? 中途半端な額ならあげない方が─────」
「あぁ、王金貨50枚だよ」
「───はぁ、王金貨……はぁ!? 何考えてんだ! あれ十枚で国を取れるレベルなんだぞ!」
「えっとね……あははは!!」
「笑ってる場合かーー!!!!」
─────そんなことがあったことなんて俺は露知らず初めてこの硬貨の価値を知ったよ。
確かにユーロから「お金は必要な時以外は絶対に使わないでね」って言っていたけどまさか、こんな事だとは。
だがこれで依頼はいけるだろう────って何?
「馬鹿野郎! こんな粗茶出すんじゃねぇ! お得意様だぞ!」
「そうなのです! 奥にあった秘蔵のクッキーも全部出すのです!」
ナチュラルに態度が変わったな。金持ちと知った途端これか。少し不安だがまぁ何とかなるだろう。
「それでエドさん」
「はいなんでしょうか、クスノキ様」
敬語になって様付けになってる……大人の闇を見ている気分だ。
まず話的には王金貨一枚で良いらしい。ぼったくるかと思っていたが意外とちゃんとしている。
それから依頼を告げた。プリスを探して欲しいという簡単な依頼を告げた時─────
「んで、クスノキ様。そのプリスと言う奴はどんな格好しているんです? 名札とかついてます?」
「学生じゃないので付いてませんね、てかついてたら貴女方を頼っていませんよ」
「そうですかー、とりあえず肉とかあれば来るかな?」
「ライオンかなんかと勘違いしてます?」
「いやいやまさかw」と笑いながらエドはそっぽを向く。そう思ってるなら手に持ってる肉しまえと思ったが話が進まないのでとりあえず外に出る。
ん? クッキー? いや別にいらない────だからなんで泣くの?
──────外にGO!
「さてと、探しますかプラスさーん」
「エドさん、プリスさんです。そんな電気の名称じゃありません」
「そうなのです。先生、失礼なのですよ。ハラスさーん」
そんな、魚の名前でもないよ。わざとやってる? プリスってそんな覚えにくい名前じゃない気がするけど。
てか語尾がなのですのお前。名前は?
「あ、名乗り忘れていましたのです。私はこの国の第二王───ムグゥ!」
「なんでもないですよ! クスノキさん! こいつの名前はハクア! どこにでも居る女の子です!」
エドが口を抑えたけどもう遅いよ。第二王女なの君? また王女か、ユーロと言いカウノと言い王族は変なやつが多いな。
あのアリエルとは姉妹なのか?
「アリエルお姉様を見たのです!? 元気にしていましたか? そうなら嬉しいのです」
「えぇ、元気にのじゃー! って言っていましたよ。わんぱくな姉なんですね」
「そんな照れるのです」
────うん、別に褒めてる気はなかったがお気に召したのならそのままで行こう。
さてさてプリスはどこにいるのやら。
てか、なんで俺がプリスを探しているんだ? 面倒くさくなってきた、探さなくてもいい気がしてきた。
うん、プリスなら結局路地裏で寝ても何とかなるだろう、強いし。
「見つかったのでーす!」
─────いや早いなおい!!
読んでいただき本当にありがとうございます!
星を増やしてくれるとありがたいです。
面白かったと思ったらブックマーク!
感想やレビューもお待ちしております!
星ももちろん大歓迎!
具体的には広告下の☆☆☆☆☆を★★★★★にね。
そうするとロリのやる気が上がります。