蹂躙開始
ラムダ「あなたの神域反転は破られてなかった?」
アリス「あれはサタンの力があったからだろう、ギャラクシーワンはもう固有反転に近かったなあれは。最後の最後でとんでもないものを生み出したものだ」
「なんだ! あの赤い空は!」
「国王様! 王女様が殺された!」
「国に侵入者だ! 老若男女問わずに殺されているぞ!」
エルフ神国は大パニックになり、様々な情報が錯綜している。
臆病者は天罰だと。
無謀者は挑戦だと。
先導者は終わりだと。
だが、それでもエルフ達は諦めない。
エルフの城がある場所とは反対の大きな塔がある。天に届くような壮大さでたくさんの装飾が威厳を象徴する名を『アルリアン』が。
そこにはエルフきっての有識者が集まり国の存亡が決まる時にはいつも最善策を出してくれた。
「また、助けてくれる!」
名もないエルフ達は、そう、思っていた─────だが現実は飛散でもう既に瓦解寸前にある。
「なんだ! 貴様、ここがどこかわかっているのか! 小娘!」
「知っているわよ? アルリアンという塔、つまらない事ばかりを議題にして永遠と金を貪る暴喰者共の集まりでしょ?」
アルレアンのメンバーは全12人。だがその内の6人が既に殺された。
机の上に堂々と経ち、刀を振るうラムダの手によって。
先程までくだらない事で、会議していたほのぼのとした空気を、ラムダは普通にドアから入り粉々にした。
それ程までにラムダが会議室に入ってきた事を、誰も気付けなかった。
だがその幸運も終わりを告げる。護衛達が会議室のドアをこじ開けようとしていた。
大きなもので扉を叩き、破壊しようとしている。
エルフ達は察する。もう少しだと、時間を稼げば勝てると。リーダー格は声を上げる。
「こ、小娘! なぜ我が国を狙う! お前のような力のある者なら分かるはずだ、我らの行いは正義であると! なのに何故!」
「……正義? 転生者を独房に監禁したり、家族を離ればなれにして脳を改造した挙句、共食いをさせたり、挙句の果てにそれを討伐して英雄気取りするのも?」
リーダー格の額に冷や汗が流れる。先程までと違いクスクスと笑っていたラムダの顔は正に『鬼神』。例えどんなに言い訳をしようと絶対に逃がさないという気迫を感じた。
だがそれもこれまで、護衛がついに扉をこじ開けた。
「死ね小娘! お前の負けだ、敗因は我を直ぐに…殺さなかっ…た事───何故だ、何故 何故 何故 何故 何故 何故何故何故何故何故! お前がその刀を持っている!」
ラムダが腰にある日本刀に手をかける。慣れた動作で抜かれた剣は刀身を光が弾き、雪のような光の結晶を生み出す。
その刀は失ったはずだった。噂とされて探すことすらバカバカしいすら言われる伝説の刀。
ラムダはその刀を頬に当てる。
「あら、この刀を知っているの?」
「……当たり前だ。その刀の名は【聖剣 土の星】。この世界で最初の勇者サタンが使っていた伝説の宝刀だ!」
サタンは転生してきた時、手に父の刀を持って来た。その刀は転生した時のエネルギーでも消滅せず逆に吸収してこの世界で初めての聖剣となった。
ラムダは刀に力を込める。光を放ち全てを破壊する銀色の光は徐々に強まっていく。
「護衛! 急いでこの女を殺せぇ!! でないと────」
「その通り、もう遅いわ。さようなら【次元断絶斬】」
ラムダが体を一回転させる。その時剣の斬撃が周囲を襲う。
護衛、6人の生き残りも全て体を切られ、胴体が真っ二つになった。
だが、エルフのいちばん厄介な場所は生命力である。
「貴様─────!!」
「ん? あらまだ生きているのね、下半身が無くなろうと生きれるなんて、生命なのからしら? まぁいいわ、さぁ仕上げよこの塔を真っ二つにしましょう」
エルフが手を伸ばしそれを辞めさせようとする行動も虚しく、ラムダはもう一度、今度は縦に斬撃を発生させる。
威厳があり、全てのエルフの憧れだった金色の塔は、薪のように中心から真っ二つになり崩壊した。
ラムダの任務はこれでおしまい、あとは──────
「さて久しぶりに、何人か殺しましょうか、転生者とか居ないかしら? 自我が無ければ殺していいとアリスは言っていたから」
だがそのラムダの願いは虚しくも叶わない、転生者という強敵はもう既に、ほかの同僚が見つけているのだから。
「さて、ここを通りたいのだが通してくれないか?」
「それはダメだね、あんたの言葉は究極的に軽い」
次の戦いはクリスプと転生者の戦いだった。
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