とりあえず死ね
グリシャ「スピーク? スパーク?」
スピーク「スピークだ! だが気をつけろ! ピがアクセントでは無い! スに息を吹き込めるんだ!」
アリス「どっちでもいいわ!!」
グリシャの神域反転の後、アリスとクリスプも出陣した。
残っていたのはラムダのみ、だが出陣の命令が出ているので従う為に戦場に行く。
「さて、私もそろそろ行こうかしら─────」
「待て!!!」
ラムダが足を止める。止めさせたのはスピーク、アリスが出陣する時も止めたがその時は無視されてしまった。
ラムダは笑う。
「何かしら? スピーク」
「何かしら? だと? ふざけるな! エルフ神国を滅亡させたらどうなるか分かっているのか! あの国は幾度となく世界を救ってきた英雄だ、そんなに民の心を折りたいか! 罪の無い民を殺したいのか!!」
彼女は目から涙を流しながら訴える。それ程までにスピークは人間が好きだ。
彼女はある国で秘匿認定されていた存在だ。だが、だからこそ蔑まれる人の気持ちが分かる。当たり前のように人の命を奪うアリス達が許せなかった。
ラムダは少しだけ話してもいいと思い、話をする。
「ねぇ、三年前に起きたシナグマー血の池事件を覚えてる?」
「知っているさ! たった一夜で約二万人が消失した今でも迷宮入りの事件だ、それがなんだと────」
「その事件の犯人がエルフ神国って言ったら怒る?」
「………え?」とスピークは絶句する。
三年前、シナグマーという国である事件が起こる、その国に住む約二万人が一夜にして消失した。
行方も分からず難航していたが、発生から約一週間後、隣の国の大きな湖に消失はずの二万人の遺体が流木の様に浮いていた事件である。
その時に遺体から溢れていた血が湖の水に溶けこみ、一面を赤く染めた事から『シナグマー血の池事件』として今も捜査されている。
ラムダが言っているのはその事件を引き起こした者、いや国こそエルフ神国と言っているのだ。
だがそれをすぐに信じるほどスピークは馬鹿では無い。
「戯言を! そんな証拠がどこにある! ただ見逃して欲しいからと虚言も程々に──────」
ラムダはため息をついてある紙束を異空間から出した。それをばら撒きスピークに見せる。
「これを見てもそう言える? 全てエルフ神国が起こした事件よ」
スピークの目には見たくもない文が映る。
・ ⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎連続子供誘拐事件
・ ⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎首相毒殺事件
・ シナグマー血の池事件の実態
全てに証拠があり、そして全ての犯人がエルフ神国の上層部である。と書かれている。
「……嘘だ、デタラメだ、、私の……憧れの国が、、嘘」
ラムダはさらに続ける。
「貴方はエルフ神国を英雄と言っていたわね? 確かそう呼ばれるようになった事件はあるウイルスが蔓延した時にエルフ神国が犠牲を払って沈静化させた事よね? 少しおかしくない? あの時、エルフ神国はウイルスに感染している民は居なかった、なのにどうしてウイルスとわかったのかしらね?」
「……やめて、聞きたくない、やめて!」
「貴方が思っている英雄なんて所詮裏側はカビが生えたヘドロの正義、それを堂々と英雄だなんて口にして、共感性羞恥で身震いするわ。なのに貴方は────」
ラムダが更に口にしようとした時、スピークの前に立ち塞がる者がいた。
「そこまでです、ラムダさん。あまりいじめてあげないように」
「あら、あなたが庇うのね、オルレ。……確かに少し虐めすぎたわね、ごめんなさいスピーク。そろそろ私も行くわ、留守番をよろしく」
ラムダはそう言って戦場に歩いていく。
彼女が消えた後、残ったのは沈黙とスピークのすすり泣きだった。
オルレは散らばった紙を回収する。赤の他人にみせてはいけない書類を投げ捨てていくのはさすがにため息が出る。
「……オルレ、これは真実なの?」
スピークが言葉を振り絞って口を回す。今にも泣きそうなのを抑えて口をかみ締めて言葉をだす。
「それは…私からは何も言えません、今、目で見たのが真実でしょう。魔王アリスは「エルフ神国を滅ぼすのは世界のため、仕方の無い犠牲だ」と言っていました。彼もまた悩んでいるのです」
スピークには考える時間が必要だ、アリスが帰ってくるまでの間に心の整理をつけるために。
──────────
場所は変わり、エルフ神国。青い空に輝く水源にも魔力がやどる程の高純度な神性を帯びた国である。
だが今は赤い空に血のような水が流れる地獄に変わってしまっている。
勿論エルフ神国は事の異常さに気づいている。
王宮内では王と王女が臣下たちと会議をしている。
「王よ、これはただことではありませぬ!」
「分かっておる、黙っておれ」
エルフ神国の王名は【アルリバ・エルフバジー】
彼が王になってからさらに国力が豊かになり、黒い噂が10倍に増えた。それ程悪事に手を染めている。転生者を洗脳する計画を建てたのも彼である。
エルフは寿命が長く、普通の人間の寿命が百年であればエルフは千年にも及ぶ。
なので、エルフは外道なのではなく頭の作りが根本から違うのだ。
(フフフ・・・固有反転を使われたか、だが焦ることは無い、こちらには転生者という特攻兵がいる、奴らを出せば負けはせぬ────おっと、歳か? 最近クラっとする事がお…おい…)
アルリバは倒れる。頭から大量の血を流し即死だ。
「お父様─────」
次の瞬間、銃声がなったあと父に駆け寄ろうとした王女の頭を誰かが撃ち抜く。
皮肉にも倒れた事で父には寄り添えたのだが、もう王女も死んでいた。
狙撃した者は王宮の窓を突き破り、神域の範囲内ギリギリで狙撃をしていた。
「どうだ? クリスプ調子は。」
「あぁ、とても良い銃だ。王と王女は潰した、我々が何もしなくてもグリシャの神域で瓦解すると思うが?」
「……皆殺しと言ったろ?」
アリスとクリスプは正面入口から進む。グリシャは中央からエルフを潰す。
ラムダはなんか適当に進む。
ここから戦闘ではなく、蹂躙が始まるのだった。
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