アリスとスピーク
クリスプとアリスは少し歩き街に向かう。
「アリス、すまないが私は寄るところがある先に帰っててくれ」
「おう」
アリスは異空間へと帰っていった。当然いるのはあのうるさいヤツのスピーク。少し嫌な顔をしたアリスだがため息をついて接触した。
「よぉ、何してんだおま─────」
「魔王! くっ殺! 私は屈しない!」
(……何も言ってねぇだろうが)と思いつつ会話をする事にした。
話したのは特になんでもない事、前は何してた? とかお前の家族は? とか。
どうでもいいかもしれないが、どうでも良くないことをスラスラと話していた。
今だからこそ聞けるか? と思いながらスピークは少し聞く。
「……魔王、なぜお前は世界を壊そうとする? この美しい自然を守りたくないのか?」
その問にアリスは少し考えた。別に世界を壊す理由なんてとうの昔に決まっている。だが、それを伝えるにしてもオブラートに包むか、嘘をつくかで悩んでいた。
「───それを聞いたらお前は止めるのを辞めるか? なんて野暮なことは聞かない、理由は至って簡単『この世界が気に食わないから』だ、それだけだよ。文句あるか?」
アリスはあえて嘘をついてオブラートに包んだ、何処が何処で、何が何かはアリスしか知らない。
「────それはどう言う……」とスピークが聞く前に、い空間にまた2人帰ってくる。
手には大きな金の入った袋を持って、鼻歌を歌いながら帰ってきた、名をラムダと誰か。
「あら、2人で内緒の会話かしら、混ぜてもらってもいい?」
「いや、もう終わった、それよりも釣果は?」とアリスが聞くと、ラムダは大量の金貨を出してきた。
片手で持てる袋に入る金貨だが、1番価値がある金貨【王金貨】なのでこれだけで国家予算レベルはある。
アリス達は膨大な資金力を手に入れたと言っても過言ではない。
まさに鬼に金棒だった。
「あら? クリスプは? もしかして振られたの?」
「んな訳ねぇだろ、虫の排除だろうよ。……さっきから気になっていたんだが、お前の後ろにいるやつは誰だ?」
アリスが聞いたのはラムダと一緒に帰ってきたよく分からない女。
アリスと目が合って、スカートをたくし上げで挨拶をする。
「ご機嫌麗しゅう、魔王アリス。私の名は【オルレ・マネー】今後ともよろしくお願いします。私はオルレ商会の会長を務めております」
この世界にも色々な物流がある、輸入品や化粧品等、この世界に無いようなものをあなたの元に届けるをモットーに活動する三大商会のひとつだ。
だが、少しアリスとの情報の違いがある。
「俺の情報だと、会長は【異世界人】だったはずだが? 代替わりでもしたか?」
マネーは少し冷や汗をかいた。
「……さすが、情報にも長けているとは。あなたの言うとおり私は代理に過ぎません、本来の会長は外に出るのを嫌がるので私が表で活躍しているのです」
「───そうか」とアリスはそれ以上聞かなかった。
だが、「ここに来たということはそういう事で良いんだな?」とアリスが聞くと。
「はい、我がオルレ商会は魔王アリスに全面的に協力を致します。これは会長の総意でもあります、今後とも取引はオルレ商会を使っていただければ最大限の利益を約束しましょう」
アリスはそれ以上何も聞かない。まだ少しだけ口がにやけるのだった。
──────
「さて、そろそろ出てきたらどうだ?」
街に残っていたクリスプはアリスとの合流地点まで歩いている時、誰かに話しかける。
クリスプの声で出てきたのは数人のチンピラ、どうやら話があるようだ。
「手短に済ませて欲しいな。友人との待ち合わせがあるのでね」と話すクリスプ。
「そういう訳にはいかねぇな、この道を通るには通行料が必要だからな」
「通行料? ここは公共の道、料金を払う必要は無いはずだが?」
クリスプは────意外と鈍感だ。通行料に? しか思い浮かばない。だが、それと同じぐらいクリスプは。
「……初めに言っておこう、私は神父だ。金は全て持たざる者に上げている。他の者に当たりなさい、だがまぁそれはそれでも────」
チンピラは3人組、そのリーダー格の頭に大きな穴が空く。
ドチャッ! っと倒れて動かない、いわゆる死だ。
クリスプが持っているのは銃、魔力に頼らず人を殺せる夢の武器だ。
「───ここから帰れればの話だがね」
クリスプ・ホワイトゴット
”固有魔法 殺人博物館”
自分が見た事ある武器を自由に手元に召喚できる力。
その後、銃声が2回なる。クリスプの下にあるのは死体が3つ。
「神はこう言っている、生まれてくることに罪は無い、その生をどうするかだ。お前らの命など小バエ以下だと知れ」
クリスプは先を急ぐ。まだ見ぬ争いを見るため、人を殺す為に。
読んでいただき本当にありがとうございます!
クリスプは大体70歳ぐらいのおじいちゃんです。ですがまぁ強いです。
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