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永劫回帰は夢を見ない  作者: ユナ
第3章 腐都乖離編
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戦いは終わった


腐王は消えた。この世界を滅ぼす可能性があった王は消えエレシュキガルは平和を取り戻した。

だがそれは言葉だけの分。平和を取り戻す為にはまだまだ時間がかかる。

大空も消え、国も崩壊しているが、俺は国の生命力を信じている。

いずれはまたみんなが笑うよい国が出来るはずだ。


さて、次は現場の話。腐王が消えて貰えたのは平和と『()()()』1つ。…まぁこれは後でもいいだろう、今は親子の時間だ。

まぁ、その2人の親子グリュエとアルグワがこの調子なんだがね。


「─────。」


お互い何も喋らない。

長い間会わずいきなり喋れと言われて喋る方が難しいか。

ここは、2人が話せるまで見守るのが良いと思うが、そんな時間はない。

特にアルグワには────


「…あー、グリュエすまんな。腐王が消えた今、俺の存在を繋ぎ止めてくれるやつはいない。だが消滅する前に話しておきたい────でかくなったなグリュエ」


首を振るグリュエは頭を上げなかった。ただ下を見て、何も言えずただ涙を流すだけ。


「…デカくなんかなってない、今回も幼なじみを救えなかった。最後まで! 気持ちをつたえられなかった!

ありがとうって、伝えたかったのに!……好きだったって言いたかったのに……」


グリュエは膝から折れて崩れる。目から拭いても拭いても涙が止まらない。

この戦いに自分は勝ったのか?と問いただしたくなる程だ。アズマを失い、部下を失い、そして今目の前で父親が消えようとしている。

何も言えない自分に、何も出来ない自分に腹が立つこともなく、ただ泣くことでしか無かった。


「……お前はまだ幼い、これから強くなっていけばいいんだよ」


アルグワもそう言っているが本心では分かっている。こんな言葉じゃ彼女の凍った心を溶かす事など出来ないと────もう、大切なものは帰って来ないのだから。


「グリュエ、失った物を見るなとは言わん、ただそのために下を向くのは違う。

死んだ奴はお前に下を向いて欲しくて死んだ訳じゃない、お前に生きていて欲しいから命を燃やしたんだ」


「……でも私はそんなの望んでいない」



グリュエは別に特別な人間を望んでいない。

ただ朝起きて寝て、明日になっても「おはよう」と言ってくれるただの友人が欲しかっただけだった。


「───お父さん、いつか私にも分かるのかな?」


「……あぁ、いつか分かるさ、俺も母さんがいたからお前を産めた。だから俺は誇らしい、お前がこんなにも大きくなってくれて、俺がアイツを選んだのは間違いじゃなかったって証明してくれてるよ!」


───その瞬間、アルグワの体に大きくヒビが入る。

「そうか…時間か」とアルグワは自覚する。

死者がいつまでも現実に居るべきではない、黄泉に帰る時が来たのだ。


「お父さん、天国のお母さんにはあった?」


「────あぁ、会ったよ」


そっか…とグリュエは初めてアルグワの顔を見る。今にも消えそうな父だが、それでも言葉を最後まで聞いてくれる確信がある、なにしろ自分の父なのだから。


「お母さんにあったら伝えて、私は大丈夫。色んなものを失った。大好きな人も大切な部下も、色々と。

それでも、私は前を向くって、お節介な父親に向けって言われたから頑張るよ!

それから───ありがとう、お父さん。私のお父さんでありがとう!」


アルグワはフフっと笑った。

「俺の方こそ、お前が娘で良かった…… ありがとう、最後まで迷惑かけてすまなかったな。

最後に、お前は自由に生きろ。俺と母さんはお前の味方だ。じゃあなグリュエ!」


「───うん!バイバイ、お父さん!」

グリュエとアルグワは最後にハイタッチして父親は消える。

天から迎えが来たかのように上に魂が昇っていく。口はもう使けず耳も聞こえないが、最後までアルグワの表情は穏やかだった。

こうして、腐王が召喚したゾンビは全て消えたのだった。……一命を除いて。


「さて、次はこちらの話ですかね?」


───という事で俺の話に戻る。言ったろ?副産物が1つ合ったと。

それがこれ、腐王が残した核と言うか、これのせいで腐王が生まれたと言ってもいいような感じなのだが……


「さっき挨拶したよね?」


「……まぁもう一度」


俺がもう一度と話した奴は「えぇー……」と頭を掻きながら自己紹介をする。

てか、俺が今見ているが、本当にやばい。アリス以上のバケモンじゃないか?これ。

アルグワじゃ太刀打ちできない化け物。

あるあるパターンだ、怪物だと思って倒したやつからさらに化け物が生まれるパターン。


「───あー、私の名前は、()()()()1()0()0()()に生まれた聖女の……」


彼女からも出てくる【始まりの100年】全てが始まったこの事実をクスノキが知るのはまた後の話だ。


”…いや間違えた、【聖王】プリス・ジャンヒールだ、よろしく”

読んでいただき本当にありがとうございます!


星を増やしてくれるとありがたいです。


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具体的には☆☆☆☆☆を★★★★★にね。


そうするとロリのやる気が上がります。

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