最強のふたり
アルグワ「お前、固有反転とか使えるか?」
クスノキ「使えません」
アルグワ「……じゃあ固有魔法は?」
クスノキ「……使えません」
アルグワ「───────」
クスノキ「そのなんとも言えない哀れみの目をやめてくれませんか?」
腐王の名を冠するやつが一体のさばっている。
動けないのだから仕方ないのだが、それでも腐王がいる場所だけは平和だったと言える。
外敵もおらず、ただ贄が来るのを待つ時間。
ただ風邪だけが吹く空間。
そのはずだった──────
「いくぞ!」
「えぇ!」
2人の人間が上空から落ちてくる、俺とアルグワだ。
落ちた時、コンテナのような倉庫を潰してしまったが、まぁ腐王を倒すんだから多少の犠牲はね。
「いくぞ、クスノキ。短期決戦だ」
俺は頷いてアルグワと一緒に攻撃する。
まずは腐王に近づかなければお話にならない。
なので─────
「いくぞ!付いてこい!クスノキ」
「行きますよ!ついてきてください!アルグワさん!」
俺とアルグワはぴょんぴょんと家の屋根を飛び越えて、腐王を目指す。
当たり前だが、腐王も馬鹿じゃない。目の前の屋根に大量のゾンビ伏兵が居る。
だが、上位種でも無いゾンビなど俺の敵ではない。
「どいて下さい! フォールアウト妖精展開! 」
─────吹き飛ばす。剣から放たれた虹色の光はゾンビ達を灰になるまで襲いかかる。
2発、3発、4発と目の前のゾンビを粉々にする。
が、それは普通のゾンビでのこと。当たり前だが上位種は普通に抜けてくる─────アルグワ、という事で見せてくれ君の力を。
「仕方ねぇな!固有魔法……暗黒の欠片」
能力は『自身に起こる不幸を幸運として改変する能力』だ。
聞いただけでもチートってわかるな。何……君、転生者より強くない?
今、目の前に上位種がアルグワに向かっている。このまま行けば勝てないだろう。
だが、その不幸の運命が幸運に改変されていく。
まず上位種が転ぶ……何だこの文。
ゴロゴロと転がって、おむすびころりん見たいに煙突にハマった。放置しておこう。
上位種が2体共動けなくなるとは、戦わずして勝つとは学ばせてもらったよ。
─────そんなことがあって少しづつ、腐王に近づく2人。
めのまえにいるゾンビは約100体以下という所か?
まだまだ行くぞ、フォールアウト──────あっ……
「馬鹿野郎!腐王に当たるぞ!消せ!」
……ハハ……消せないんですよね、これが厄介で。すいません。て事で衝撃に気をつけろ!
「クスノキ! 覚えてろ!」
腐王が赤く光る。反撃の時間だ。
……あーこれ絶対痛いやつだね。
俺の斬撃を吸収して腐王が力を放出する。いわゆるカウンター。その衝撃は凄まじく、俺とアルグワは大きく壁まで吹き飛んだ。
そこにある家だった廃屋は吹き飛んでいき、その破片がまた俺達を襲う。
数分経ったあと、瓦礫の中からアルグワが出てくる。
「生きてっか!?クスノキ!」
……そりゃあもちろん─────
「生きてますよ!」
とは言っても結構食らったな。痛た、さて次はこちらのターンと行くか。
残念だが俺たちはヒーローじゃない。
何故ならヒーローは遅れてやってくるからだ。
「待たせたわね。こんなに街を粉々にして、後で覚えときなさい!2人とも!」
カオリがやって来る。カウノを任せてたけど正直来ると思ってたよ。どうせグリュエにお守りを全部押付けてきたんだろ?
「……あー、固有魔法!発動!」
誤魔化しやがったなこいつ。
まぁいい、カウノが殺される前にここを破壊すればいいだけだ。
準備はいいな?アルグワ、カオリ。
「仕方ねぇな、最後の一仕事か」
「交戦。目標補足、いわゆる準備満タンというやつです」
……なんかいきなりカウノの喋り方がロボットみたいになったけど、よし行くか!!
次回!クスノキ死す!─────あぁ違う違う! 次回、クスノキ勝つ!デュ〇〇スタンバイ!
読んでいただき本当にありがとうございます!
腐都乖離編はあと4から5話でおしまいです。
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