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天才言うな
凡人でも、ちょっとしたことで天才呼ばわりされる。世辞のつもりかもしれないが、極めて失礼な発言である。
穿った見方をすれば自己弁護であろう。お前の才は生まれ持ったものであり、俺の努力が足りない訳ではないのだと。努力を怠ることを正当化しているのだ。
天才という言葉は誉め言葉として多々使われている。だが侮蔑の意味を含むのは確かであろう。努力を否定しているのだから。
では本物の天才とはどのようなものだろう。調べてみると、努力では到達できない天賦の才らしい。理屈抜きで解を導き出せるような才ということか。それはもうエスパーだろう。天才と評すべき人物など実在しないのではなかろうか。
1の閃きと99の努力というエジソンの言葉がある。これも、天才呼ばわりされて努力を否定されたと思ったからこそ出てきた言葉ではなかろうか。
天才とは、架空の物語の中でのみ使われるべき言葉だと思う。現実では、考える力の衰えた頭の弱い人しか喜ばないだろう。忌み言葉として避けるべきである。