第一話
「やあ、起きたかい?」
目が覚めると目の前に見知らぬ女性がいた。
「あの、あなた誰ですか?」
「ああ、私は医者のノルンだ」
右を見て右腕が付いていない事を認識し、少し絶望するも傷口はふさがっているようで痛むことは無い事に少し安心する。
だが傷口がふさがるには時間が掛かるはずだ、どれぐらい僕は寝ていたのだろう?
「僕はどれくらい寝てたんですか?」
「だいたい一日半ぐらいかな」
「一日半!?どうして傷口がふさがっているんですか?」
「ふむ、君は聖都の出身では無いのか、道理で門が在って外には出られないはずなのに森の中にいた訳だ」
「ああそれでなんで傷口がふさがっているのかだったね、それは治療魔法を使ったんだよ」
「魔法?」
「じゃあやってみるからよく見ててね」
するとノルンさんが近くにあったナイフで薄く指の皮を切った。
そして次の瞬間淡く光ったかと思うと傷が治っていたのだ。
「どうだいこれが魔法だよ」
唖然として口から言葉が出て来なかった。
そしてこれがあれば腕が治るのではないかと少しの希望を抱いた。
「これがあれば僕の腕も治りますか?」
「どうだろう、今までできた人はいないけどもしかしたらできるかもね」
「本当ですか!?お願いしますどうか治癒魔法を教えてください」
「いいだろう、だけど教えるからには必ず腕を治して見せなさい」
「はい!」