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第八話「姉のノート」
時間があったので部室の椅子に座り、姉の書いたノートを読んでみることにした。『超常現象クラブ秘密ノート』とでかでかと表紙に書いてあり、右下に姉の名前、その下に名前があったのか黒で塗りつぶされていて読めなかった。レイカ先生が消したのだろうか。
基本、日常の他愛のないことが書いてあった。今日食べたもの、むかついたこと、イライラしたことなど姉らしい文で埋め尽くされていた。少しだったがツボミのことも書いていた。
『私が誘っているのにツボミは部室に来ようしない』
『妹が超常現象に興味を持つように、居間にミューの雑誌をさりげなく置いた』
などなど今思うとそんなこともあったかなと、思うようなことが書いてあった。ページをめくりながら懐かしく思っていると外から物音がした。ツボミは慌てて近くの物陰に隠れた。
「さすがにいないか……。考えすぎだったかも」
レイカ先生だ。こんな時間に何しに来たのだろうか。レイカ先生はしばらく椅子に座っていたが、違う物音に気が付いて慌てて出て行った。
「危なかった……。もう少しだ」
時計を見ると、3時30分。後、3分だ。