表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ようこそボランティア部へ  作者: 白石みのり
夏休みと夏祭り
30/33

第18話 夏祭り(4)


「ねえ、香口君あれ食べよう!」


さっきから、鈴木は目に映る食べ物を買い食いしながらどんどんお祭りの通りからは離れていく。


そして言い出せないでいた。離れていく意味が分からなく、ただ、後ろからついていくだけだ。



「その、なんで、遠ざかるんだ?」



「あ、気付いた?」



そしてぐっと智樹の腕を鈴木は引っ張りながら小走りで丘に登っていく。丘の上には人はまばらだった。



「ここが一番見えるんだよ」

「なにが?」



「鈍感だな~花火だよ!」



少し笑ってから、鈴木はベンチに座った。そこのベンチからは、町内を一望できた。特に、お祭り会場の照明はきらきらと周りよりも輝いていた。



「ねえ、もうそろそろだよ」


鈴木が耳元でささやくとタイミングを見計らったように花火は目の前で大きな花を咲かせた。その花火は、何色にも幾重にも重なっていく。



「ねえ、香口君……。いや、ともくん。もう、私たち終わりにしよう」

落とされた言葉は真っ黒で花火の陰に隠れるようだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ