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ようこそボランティア部へ  作者: 白石みのり
交流会でボランティア
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第3話 姉と妹

あの日からもう二週間もたっていた。チラシ配りに飾り付け交流会の段取りがそこそこできてきてはいた。

「香口君。まりと一緒に近くの地域の掲示板にポスター張ってきてもらっていい?」

「分かりました」

はきはきと、まりは、答えた。すると、鈴木はポスターを十枚用意してきた。

「よろしくね。まりと香口君」

そういいながら鈴木は、走ってほかのところへ行ってしまった。

「今日はよろしくお願いします。オタク先輩」

「だからオタクじゃないから」

まりは、くすくす笑いながら学校裏にある掲示板にポスターを張っていった。

「あと三枚ですね」

「貼るの早くないか?」

「でもここから掲示板が遠くなるんで」

「どれくらい遠いんだ?」

 歩いて二十分ぐらいです。と言いながら黙々と歩いていた。

「そういえば、どうしてボランティア部に入部したんだ?」

智樹が、聞くとまりは一度下を向いてゆっくりと前を向いた。

「そうですね。もともと卓球部に入ろうと思ってたんですけど妹の優子がどうしてもこの部活に入りたいって言ったからですかね」

「ほんとにそれだけ?」

「あっ、はい。優子は、私よりとっても頼りになるけど、コミュ障で思ったこととかそういうの言えなくて小学校の時から心配だったんです。だから、今こうして楽しく部活で来てるから一安心だなって」

 これが妹思いの姉の気持ちというのか。それともおせっかいな姉なのかわからないがこんなものだろうと思った。それから、一時間ほどで、すべて張り終えるとあたりはもう日暮が鳴いていた。

「日暮がなく頃に、ですね!」

「なんだそれ?」

まりは、うれしそうに語った。

「知らないんですか?アニメです」

「そんなアニメがあるのか。」

と、智樹は、聞き流す程度にしか思っていなかったが、まりは、いろいろと語っていた。

「アニメ好きなのか?」

帰り道。あまりにも、まりは、語ったものだからふと聞いてみた。すると、まりは、嬉しそうに笑った。

「アニメは、好きです。私の夢は、アニメーターになることなんです」

 夕焼けに照らされるまりの横顔はなぜか後輩とは思えないぐらい大人びて思えた。

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