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紅の姫君  作者: 相樫りわ
8/20

第7話  ダンスパーティ

いよいよ紅誇初めてのイベントです!

あの、ちょっと誰か、この状況からあたしを救い出してください。

あ、すみません。訳わからなかったかな。

いま、超でかいお屋敷みたいなとこのまん前にいるんです!

しかも今横をクイーンみたいな優雅な女性が通り過ぎてゆきました!


「ちょっと・・・ココ君、あたしってたった今、ここにいることがおかしいんじゃ・・・」

「何言ってるんですか、お姉さん?お姉さんは今この国のプリンセスなんですよ?そんな大富豪がここにいておかしいわけないでしょう?他の人みんな公爵とか子爵とか、そういう位の人たちばかりなんです。みんなより1つ位が高いのに、場違いなんて言わせませんよ?」

「えぇ・・・」

そうは言われても、こんなすんごい気位高そうな人たちばっかいるところで馴染めないでしょ!!!


中に入ると、やはりすごい。

豪華絢爛で天井の高い大広間に人がわんさかいる。

しかもみんな素敵な人たちばかり!


「ココ君、やっぱりあたし場違いです」

「いえだから、素敵なレディですってば。何が場違い。一番輝いていますよ?」

なんでそんな素敵なセリフをさらりと言ってくれちゃうのかなぁ?


「プリンセス。貴女がナッツ様の13回目の生まれ変わりですか?」

「は?」

突然声をかけられた。

「だ、誰・・・?」

「おっと。すみません。わたしはアーモンド。公爵家の末裔です」

被っていたシルクハットを恭しく胸の前に持っていきながら彼はお辞儀をした。

「は、はぁ・・・あ、あたしは有賀紅誇です。え、えーと、よろしく、アーモンド公爵」

それに返すようにあたしも、ぎこちなく見様見真似でドレスの裾をそっとつまみ、片足を引いて会釈してみた。


「お久しぶりです、公爵」

ふとココ君が出てきて、アーモンド公爵にお辞儀をする。

すると公爵もあたしの時とは打って変わった自然なお辞儀をココ君にする。

「これは王子。お久しぶりです」

「・・・知り合い?」

ココ君に耳打ちするとココ君はうなずいた。

「一応王家と公爵家はもともと交流しやすい家柄同士ですから。公爵は僕の昔からの知り合いです」


そのあと、アーモンドは(本人の要求により呼び捨て)しばらく一緒にいたけど、ヘーゼルっていう公爵家の娘さんに「シャル・ウィ・ダンス?」って誘われて行っちゃった。

それを境にしたようにココ君がすっと立ち上がり、手を伸ばす。

「僕たちも踊りませんか?」

一応人間界では社交ダンスを習っていたけれど、こういう場に出てくるとなんとも自信がない。

ココ君は「平気です。たいしたことはありませんよ」といったけれど・・・。


案の定、一曲と半分も踊ると息切れが激しくなった。

何しろ相手が小さくてかわいいし(何の関係が?)身体を密着するから動悸が(いやだから、何の関係が?!)。(イヤァァァ!この書き方やめて!あたしがなんだかオタクみたいな表現になってるゥゥ!!!)


「大丈夫ですか、お姉さん」

肩を支えながらココ君が心配してくれる。

「カクテル、いりますか」

「ノンアルコールなら・・」

「ありますよ」

ココ君があたしの要望にこたえて綺麗な色のカクテルをくれる。

「フルーツカクテルです」

コップに入ったそれは、綺麗な透き通ったオレンジ色をしていて。

一気に流し込むように飲み込むと喉の渇きが一瞬で潤ったのを感じた。

そしてそこから、あたしは記憶が残っていない。


  ☆★☆ココside


お姉さんに僕は、オレンジ色の透き通ったノンアルコールのカクテルを渡した。

それを飲んだとたん、お姉さんはあっけなく酔ってしまった。

「なっ」

すぐにお姉さんの手からグラスを奪い取り、匂いを嗅ぐ。

猫の鼻が間違えようもない、これはフルーツミックス・ジン!

「強いお酒じゃないですか・・・!」

どうやら隣にフルーツミックス・ノンアルコールカクテルに似たこのお酒があって、間違えて渡してしまったようだ。

「困ったな・・・明日お姉さんの悲鳴を聞きたくないから早く帰ってリブルに魔法をかけさせないとだけど・・・生憎馬車も時間が来ないと来ませんし・・・どうしたらいいでしょうか・・」

僕がお姉さんを抱いておろおろしていると向こうから公爵がやってきた。

「あ、公爵・・・!」

僕は今、藁にもすがる思いだったから、公爵を呼んだ。

「公爵・・!」

「ん?どうしましたか、王子?」

「お姉さんが、紅誇がジンを飲んで酔ってしまったんです」

「あちゃぁ〜」

彼は頭を抱えた。

「そのジン、注文したの俺だよ」

「口調、戻ってます」

「ハッ」

口をぱっと押さえて彼は僕のほうを見る。

「コホン、仕方ありません。家ならすぐ近くですから、泊まって行ってください。家まで来れば救護とかも呼べるでしょう」

「いいんですか。そちらがいいのならこちらも」

「ええ」


そんなこんなで、一晩だけ部屋を借りることにした。

さすが公爵だけあって、家は城ほどではないにせよとても大きい。

「しかし、本当によかったのですか。もっとパーティを楽しんでもよかったのに」

「いいんだよ。明日は俺も紅誇と遊びたいしな」

もう彼の口調はすっかり元通りだ。

「さ、この部屋一晩使っていいから、紅誇を寝かせて。俺は救護を呼んでおくよ。城付き魔法使いはリブル、だっけ?」

「はい。あと、僕の雇っているメイドのティアラに着替えを持って付いてくるようにと」


10分後、リブルとティアラは公爵邸に到着した。

「お待たせいたしました、ココ様」

「大雨が突然降ってきて、大変でしたの」

リブルは王室付きの12歳の魔法使い。若いけれど腕は一流だ。

箒を肩に担いで黒いマントに三角帽という姿はいかにも魔女っ子。


ティアラはといえば城のメイドが着ているいつもの韓紅色のエプロンドレスを着て、恐らくお姉さんの着替えが入っているであろうバスケットを抱えて頬を高潮させている。


「ご苦労様でした。いきなりで申し訳ないですが、リブル、お姉さんがジンで酔ったんです。直せますか?」

「もちろん」

はきはきと自身ありげに言う姿はなんとも頼もしい。

「それからティアラは、その後のお姉さんの看護を任せます」

「責任を持ってしっかりとお世話いたします!!」

こちらはやんわりとしながらもしっかりしている。

「では、よろしく頼みました。僕はこの部屋の仕切りの向こう側にいますから、何かあったら呼んでください」

「はい」

それだけ言うと、僕はカーテンで仕切ってある部屋の向こうに行った。

「うまくいくといいんですが・・・・」



彼女が目を覚ますのは、次の日の朝・・・




2人出ました。でもちょっと時間がないので今回は公爵だけ・・・



アーモンド・ピスタッチオ・ナッツ

18歳

血液型・O型

公式な場では丁寧な言葉遣いなのに、普段は「俺」とか「だよなー」とか、結構乱暴な表現が多い。よく家の中でお菓子を焼いてホームパーティをしている。

紅誇に興味がある。

最近のお気に入りはスコーンと胡桃パイで得意な料理はバナナ丸ごとエクレアと生チョコケーキ。

身長・185センチ(高くね?:紅誇)(彼は異常ですから:ココ)

体重・?(俺ってよくお菓子食うだろ。だからよく重くなったり軽くなったりするんだ)



一応、次回は優雅な(?)ホームパーティです。(の予定。)

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