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紅の姫君  作者: 相樫りわ
7/20

第6話  振り回されました・・・

今回もまた・・・脈絡のない・・・

「うさ、みみ・・・」


あたしはへたり込んでしまった。

この国の人獣には、あんまり常識的なのがいない。


その入ってきたティアラっていうメイドさんはあたしを見て薄いピンクの瞳をキラリと輝かせた。

「まぁ、紅誇様、とても似合いますわ!!!」


・・・・・・やっぱり・・・・・


「どういたしました?何か気になる点がございましたか?」

「は、はい・・・なんなんですかこの超ヒラヒラの姫ドレスは・・・露出度高めですよ・・・」

「まぁ!」

かわいらしいメイドさんはもともと大きな瞳をパッチリ開けて驚いたような声を出す。


「とってもキュートでセクシーでかわいらしいじゃないですか!」


・・・・・吹いた。


「あの・・キュートならまだわかるんだけど・・・その後の・・セクシーって何・・」

「性的な魅力のあるさまですわ♪とても女の子らしくて可愛いですわ!」

「いやそれはわかるんだけど・・」

あたしはカジュアル派のほうがいいのよ!

しかもこの国の人ってば常識なさ過ぎじゃない?!どんな生活してたらこんなに常識がなくなるんだ?!

もうすっかり気力を失ったあたしは心の中でツッコみまくるしかなかった。


「あっ!紅誇様!その後ろのリボン・・・」

ティアラさんが手を伸ばしてくる。

あたしがされるがままになっていると、リボンを結びなおしてくれた。どうやら少し曲がっていたらしい。

「あ、ありがとう」

「いえいえ。わたくしはメイドですから♪」

いい人だなぁ。

ここに来てひさびさ(初めて?)に思った。


「あっ!ココ様がきてしまいました!もう少し一緒にいたいところでしたが、仕方ありませんね!ではごゆっくり!」

「え、ちょっとおい!放置プレイかァァァ!!!」

前言撤回。なにが『いい人だなぁ』だよ!なにやら寂しげに放置されたじゃん!

あたしこの格好でココ君に会うのいやだぁぁぁぁぁぁー!!


という心はまあ当然のように無視され、彼女と入れ替わりにココ君が入ってきてしまった。


「わぁ・・・・・・!」


「いやです・・・みないで・・貧乳のあたしを見ないでください・・・」

「何言ってるんですかお姉さん?」

いつの間にか横に来ていたココ君が手を差し伸べてくれる。


「お姉さんはとっても綺麗ですよ・・・・?」


涙でそう。

なんでそんないいセリフ堂々と照れずに言うの?

あたしは恥もすっかり消え失せた顔で差し伸べてくれた手につかまる。


すっと立って、初めて彼の姿をしっかりと見た。

あたしより少し小さい彼は黒いタキシードを着ていて、とてもかっこよかった。

てか、かわいい。

なんでそんなにかわいいの?

弟にほしいよ?


そんなことを考えていると、彼はあたしの手を引く。

「え・・?」


「おねえさん。一緒にダンス、踊ってください。今夜、ダンスパーティなんですよ。これからその用意しますから。それ衣装合わせなので脱いでください。で、今日はちょっと大忙しです。まずはとりあえず、エステから行きましょう!」

「は、え、ええ・・・?!」


そうしてあたしは彼に二度も攫われたのでしたとさ!



  ★☆★


その日の夕方。

あたしはこう心の中で訴えている。


『この城の中、広すぎです・・・・・!!!』


だって、本当なんだよ?!朝っぱらからどこに攫われるんだとか思ってたら全部城の中なんだよ!おかしくない?!この状況、おかしくない?!


高級エステも 化粧品展みたいに化粧品がむやみやたらと置かれた化粧室も コロン置き場も 高級リゾートとかに行ってもないようなお風呂も 美容室もみんなみんな城の中にあるの!

ぜってーおかしいだろ!!!

って言いたくなるような一日だった。


「さ、次で最後ですから頑張って。今お姉さんはとても綺麗です」

ふらふらのあたしをサポートしながら、ココ君が元気付けてくれる。

「つ、次は何〜・・?」

あたしが問うと、彼はふっと笑って答えた。


「ドレスです」


「・・・・・・・・え?」

だってさっき『衣装あわせ』とかいってあの無駄に露出度の高いドレス着せたじゃん。

そういうとココ君は困ったように笑った。

「あれはただサイズを測るためのものですよ。本当のダンスパーティにあんな軽い普段着用のは着ていけませんから」

「え?!あれ普段着なの?!」

「そうですよ・・・ほら、着きました。衣裳部屋です。」


彼は比較的小さめなドア(このお城の基準。本当は縦が2メートルくらいあるバカみたいにでかいドアです)をあけた。


「わ」


中には、色とりどりのふんわりしたドレスがたくさん置かれていた。見ただけでその光沢やらなにやらから、いい素材なのがわかってしまう。

「何驚いてるんですか。ここは普段着用の部屋ですよ」

「あぁ、いいなぁ・・あのマーメイドスカート・・・」

部屋の端にある比較的おとなしめな青いスカートに目が止まる。

「いけません、あんなの。あれは町におりていく時用ですから」

「嘘ッ!あんなの着て町に下りんの?!」

十分派手なのに・・・ノリで涙が出そうになる。


奥の奥の部屋まで進んできた。

「うわ」

今まで見てきたのとはぜんぜん違うすんごい、言葉では説明しきれないようなスカートが大量に並んでいる。

「ココ君・・聞いていいかな。」

「はい?」

「此処って紅いスカートないよね?」

「はい。ありませんよ。紅い衣装はすべてもうひとつ先の部屋にあります」

いやだから、どんだけ広いんだよ。

おかしいだろ。もう部屋二つ通過したぞ。しかもめっちゃでかい部屋。

あの、外国に時々あるような学園の大食堂くらいの。あ、理解できない?作者に言って・・・


とか何とか言ってる間に、もうひとつ奥の部屋までついた。

入ったとたん、


眩暈がした。


すべてが赤で統一されている。

目が痛くなるその部屋には、紅色の衣装しか置いてなかった。

「ねえ、ココ君」

「はい?」

「目が痛いんだけど」

「僕もです」

おいおい。


でも、それは気にせずに(自由の国ヒャッホー)、彼は紅色の衣装を選び出す。

「用意しときました。これ、更衣室で着て来てください」


押し付けられた衣装はやっぱり滑った。

「わわわっ」

シルク使いすぎですっ!


更衣室に行ってみると、中にはたくさんのメイドさんが待ち受けていた。ティアラの姿もあった・・!


10分くらいで着せられた。

中に入ってきたココは、何故か感嘆の声を上げる。

「わぁ・・・・・!!!!!!す、素敵ですよ・・!」

あたしはどこがこんなにすごいのか、自分の身体を見回す。


「鏡、見てください」


そういえば今日、ココ君ったら一回も鏡見せてくれないんだよね。

と思いながら鏡を覗き込んでびっくりした。


「これが・・・あたし・・?」


そこに映っていたのは華麗で繊細で美麗な乙女。

いつもの気性の荒さはどこへやら・・・

「す、すごい・・女は化けるね」

「そんなことありませんよ!お姉さんはもともとが綺麗ですから」

「またそんな。誉めても何もでないからね?」

「そんなの期待していません。僕がほしいのは貴女だけですから」


ばーん。


心臓を撃ち抜かれた。


同時に思った。

「キッザ〜〜・・・・」


彼のキザさを初めて知ったときだった。


「さ、行きましょう。馬車はそんなに待ってくれませんから」

まだ心臓を押さえているあたしをさっとお姫様抱っこして、ココ君はまたもやあたしを攫ってしまった。



外には、真っ白な馬車が待っていた。

ところどころ金の装飾がされていて、とても美しい。

苦労して馬車に乗り込むと隣の小さな王子様がこちらを向いてそっと微笑んだ。


今夜はいいダンスパーティになるといいなぁ・・・・・




今回は特に新登場人物などいないので紹介はカットです。

すみません・・後半なんか特にめちゃめちゃで・・・・・

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