しめじ×舞茸
舞茸ちゃんはツンデレ美キノコ。pixivから引っ張ってきた。
キノコ2
後ろから近づいてきてきたしめじに舞茸はぶっきらぼうに聞いた。
「……何よ」
愛らしい何重にもなったかさを揺らす舞茸にしめじは苦笑した。
「大丈夫か?」
その言葉に舞茸は激しくしめじを睨み付け怒鳴った。
「……何よいいキノコぶって!私はなんにもいいところのないダメキノコの椎茸をふって清々してるんだからなんの問題もあるわけないじゃない!」
「舞茸」
しめじに名を呼ばれ思わず舞茸は押し黙った。しょうがないなと言わんばかりの優しさが込められた言葉に、舞茸の中で何かが溢れそうになる。
「椎茸ってさ、自分のことダメだって思ってるけど違うよな」
「……」
ぽつねんとしめじが言う。舞茸は震えながらしめじの言葉を聞いた。
「焼いてもうまいし、干せば出しにもなる。あいつは特徴がないんじゃない。どっちかっていうと癖が強いやつなんだ」
「……そうよ」
舞茸は堪えきれず漏らした。椎茸をふった本当の理由。優しい彼が傷つくことも分かっていながら、一緒にいることができなかった理由。
「あのキノコは、私よりずっと、すごいのに……!全然本茸、理解して、くれ、なくて!一緒に、一緒に……!」
「一緒にいるのが辛くなったんだろ?」
しめじの言葉に舞茸は大粒の涙を溢しはじめた。
「わぁぁぁぁ!!」
「舞茸……」
いくつもの茎とかさを揺らしながらしめじは舞茸を抱き締めた。プライドの高い舞茸は椎茸に、彼自身の魅力を伝えることはできなかったのだろう。それがわかっているしめじは、何も言わず舞茸を慰める。
「どうしよう……!私、椎茸のこと傷つけちゃった……!」
「とりあえず泣き止めよ舞茸。あんまり泣くと干しキノコになるぞ?」
「っからかわないでよ!」
笑い混じりにしめじがそう言うと舞茸はいつもの勝ち気な表情でしめじを睨み付けた。そのいしずきが少々赤いのはご愛嬌だ。
「……なんで私なんかに構うの?」
「ん?ただ舞茸のことが好きだから」
「え……」
少し照れたように笑いながら、しめじは言った。
「本しめじ兄さんみたい高級感はないけどさ、味よし使い勝手のよしな俺、結構お買い得だと思うぜ?」