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恋してるだけ   作者: 夢呂
第十五章【文化祭までのカウントダウン】
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「え、知らなかったの?」


透子ちゃんが驚いたリアクションをする。

「透子、」

諌めるような声で翠ちゃんが透子ちゃんの名前を呼ぶ。


(…みんなは既に…知ってるんだ…?)


翠ちゃんの気遣いはありがたかったけど、私は既に透子ちゃんのその一言にかなりのショックを受けてた後だった。



「だって…いま超話題になってるじゃん。早馬先輩がロミオ()るって」


「ろ、ロミオ…?」

(ロミオとジュリエットの…あの“ロミオ”…?)


「うん。二年は毎年どこかひとクラスが演劇するんだけど、今年は二組がくじ引きで負けて演劇になったんだよ。」

透子ちゃんが丁寧に説明してくれる。


「そう、なんだ…」

(何も…知らなかった…)


「早馬先輩は、最初実行委員長だからって最初は役者ではなくて裏方担当だったんだけど、ロミオ役の人が急に役を放棄しちゃったらしくってさ」


「それで、ロミオ役が早馬先輩に回ってきたってわけよ」

透子ちゃんが経緯までを説明してくれて、それが最近の出来事だと知った。


「でも…主役なのに…なんで来るなって言ったのかな」

「あーほら、恥ずかしいんじゃない?」

落ち込む私に、翠ちゃんが明るくフォローしてくれた。


「え、早馬先輩が“恥ずかしい”?何それ想像つかなーい」

翠ちゃんの横から、透子ちゃんが楽しそうに詳しく話を聴こうと目を輝かせている。


「それがなんか、優妃にはそう(● ●)らしいんだわ」

「えー、愛されてるねぇ」

翠ちゃんと透子ちゃんが私のことを楽しそうに見つめる。


「…えっと…うん…?」

恥ずかしくてうつ向く私を、透子ちゃんがニヤニヤしながら小突いて言った。

「あー、リア充いーなー!私も頑張ろうかなー」


「透子ちゃん、好きな人いるんだ?」


「うん、片想いすることもう3年。」

笑いながら、透子ちゃんが言う。

「そ、そんなに…?」

驚く私に、透子ちゃんがおどけながら言う。


「一護、すっごい鈍いからさぁ」



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