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恋してるだけ   作者: 夢呂
第十三章【不安定なこの心】
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『別れよう』


朝斗さんはそう言った。そう言って一人駅のホームへ消えていった。


『別れよう』と言われた瞬間、足元に大きな落とし穴が出来た気がした。


(やっぱダメなんだ…)

私は顔を覆うとその場にしゃがみこんだ。




その後どうやって家まで着いたのか。

――――私は…気が付いたら自分の部屋にいた。


『別れよう』


朝斗さんの言葉が何度も、何度も自分の心を抉る。


(好きなのに…―――)


どうして私はこんなに上手くいかないんだろう。


――――朝斗さんを傷付けたのは私。

私が咄嗟に腕を払ってしまったから。

まるで朝斗さんを拒絶するかのように…。


(好きなのに…―――)


涙を流す立場ではないと分かっているのに勝手に涙がこぼれ出す。

ポロポロぽろぽろと、朝斗さんへの想いが後から溢れ出す。


「う…っく」


私に笑いかけてくれる朝斗さん、いつだって私の気持ちを優先してくれていた朝斗さん。


(突然のキスで、それが…全部不安になった)


好き過ぎて―――…、私ばかりが追い付けなくて。

私ばかりが余裕なくて。

イッパイイッパイで。


(朝斗さんに、あきられた…―――)


部屋が開く気配がして、私はドアを振り返る。



「だから言ったのに…―ー」

私の泣き顔を見て、一琉がため息混じりに言った。


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