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「何やってんの…っ!?」
私は今、壁ドンされています。翠ちゃんに。
人気のない廊下まで引っ張ってこられて、ここで壁ドン。
「一緒に登校しただなんて。なんて浅はかな…っ。言ったじゃない、バレたら危険なんだって!!」
「ごめん…」
私がしゅんとして謝ると、翠ちゃんが壁に着いていた手を離してため息をつく。
「や。別に先輩がきちんと“彼女達”のことを配慮した上でなら、いいんだけどね」
「あ、それなら…」
華子先輩に朝斗さんが言ってくれたことを思い出して、翠ちゃんに告げようとした時、クラスの女子が走ってきた。
「あ、こんなところにいた!香枝さん、2年の先輩が呼んでるよ」
「え?先輩?」
「って言ってるそばから…。全然配慮してないじゃんあんたの彼氏…」
誰だろうと首をかしげていると、翠ちゃんが呆れて呟く。
教室に戻ると、華子先輩が廊下で待っていた。
「私もついて行こうか?」
翠ちゃんが心配そうにボソッと声をかけてくれる。
「大丈夫。華子先輩は知り合いなんだ。だからそんな怖い目に遭うとかじゃないと思うし」
「優妃、」
不安そうに私を送り出す翠ちゃんに私は微笑んで見せて、じゃあちょっと行ってくるねと告げる。
「華子先輩、おはようございます」
「あ、優妃ちゃん。ちょっと一緒に来てくれる?」
華子先輩は、にこやかにそう言って歩き出した。
「はい」
(どこに連れていかれるんだろう…?)
私はとりあえず、華子先輩の後について行った。




