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恋してるだけ   作者: 夢呂
【第三十九章】のぞむ
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「今日の夕方だっけ?二年が帰ってくるの」

昼休み、明日香ちゃんがふと顔を上げて言った。

「うん…」

私は複雑な気持ちで頷く。


「良かったじゃん、優妃ちゃん」

一緒お昼を食べていた美樹ちゃんが自分のことのように喜んでくれる。


「もうちょっと嬉しそうにすればいいのに」

そして隣の席の翠ちゃんは、頬杖をつきながらそう言って笑った。


(そう…なんだけど)


「嬉しいんだけど…なんか」

私は母が作ってくれたお弁当をろくに食べられずに、ただそこに視線を落として答える。


「き、緊張して…」


「は?」

「「えっ?」」

翠ちゃんと明日香ちゃん、美樹ちゃんの声がそれぞれ同時に発せられた。


「なんか久々に会えると思ったら…」


朝からずっとドキドキそわそわして。

落ち着かない。

喉をご飯が通らない。

早く会いたいような、会うのが怖いような。


「久々ってたったの三日ぶりでしょ?」

呆れ顔の翠ちゃん。

「優妃ちゃんも相当惚れてるねぇ」

ニヤニヤして私を見る美樹ちゃんと明日香ちゃん。


「…変、だよね」

私が苦笑すると、美樹ちゃんと明日香ちゃんが笑った。

「ほんとかわいいなー、優妃ちゃん」


この時―――皆には言わなかったけど、私はただの緊張だけじゃなくて、違う緊張も混ざっていた。


今日、朝斗さんに会ったらまず、

…―――私の気持ちを伝えるって決めてたから。



朝斗さんと会うって時点で、緊張しておかしくなりそうだけど。

会うって考えただけで、バクバク鳴り響く心臓に…上手く伝えられるか少しだけ不安になるけれど。


(ダメダメ。言うって、決めたんだから…)


二人のこれからのために…―――。


(向き合うんだ。)

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