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透子ちゃん達のところに合流すると、一護くんもクラスの男子達と一緒にそこにいた。
「翠、優妃、遅かったね」
透子ちゃんがプールの中から手を振ってくれる。
ドッド柄の水着が、透子ちゃんのイメージにぴったりですごく可愛かった。
「あ、髪あげてる優妃可愛い!!」
「でしょ?」
私、ではなく翠ちゃんが得意気に答える。なぜなら私の髪を結ってくれたのは翠ちゃんだからだ。ちなみにシュシュも、翠ちゃんが用意してくれた。
「香枝って、よく見ると可愛いかも」「あぁー!だな!」
クラスの男子からそんな言葉が聞こえてきて、意外な反応に私はドキドキした。
(どうしよう…嬉しい、かも)
「優妃、急にモテモテじゃん!」
からかうように翠ちゃんが私の耳元で囁く。
「そんなんじゃないって」
なんて返したらいいのか分からずに、私は苦笑いで困る。
「来週、皆で勉強会しようよ」
皆が掴まれるぐらいの浮き輪に乗ったり掴まったりしながら流れるプールに浸かっていると、クラスの女子が提案した。
「おぉ、良いね」「夏休みの課題、かなりあったしな」
皆が賛成した。
「翠が居れば、かなり心強いしな」
「は?見せないわよ?」
クラスの男子が言うと、翠ちゃんがすぐに答えた。
翠ちゃんは学年でも上位の秀才で、しかも学級委員。だからか皆が翠ちゃんを頼ることが多い。
「分からないところ教えるくらいなら手伝うけど」
男子にも女子にもハッキリしてる翠ちゃんはかっこよくて私は惚れ惚れと翠ちゃんを見つめる。
「じゃあ来週、水曜とかどう?」
「オッケー」「問題ない」「じゃあ空けとくね」
皆でワイワイ話しているのを見てたら、私も仲良くなれた気がして嬉しかった。
(夏休みって、楽しい…―――!)




