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恋してるだけ   作者: 夢呂
第十八章【文化祭二日目】
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その日の夜、私は家に着いてから数えきれないほど携帯電話をチェックしてしまう。


(朝斗さん、“後で、連絡する”って…言ってたのに…―――)


私から連絡してもいいのかな?

でもきっと疲れてるだろうし迷惑かも…。


(明後日(火曜)になったら会えるし、ね)


『文化祭お疲れ様でした!今晩と明日はゆっくりしてください!おやすみなさい!』


それだけlineに送って、私は布団に入った。

疲れていたのか、布団に入ると自然と瞼が重くなっていった。






「優妃、いつまで寝てるの!?そろそろ起きなさい!!」

―――翌朝、母親の声で目が覚めた。


「代休日だからって、もう10時よ?ダラダラしてないで起きなさいよ」


「え、もう10時?」

時計を見ると、10時の10分前だった。

のそのそと、布団から出てリビングへと向かう。


「全く…、一琉くんは朝早くから部活だって7時に家を出てたわよ?」


遅めの朝御飯を食べている私に、延々と不機嫌にぶつくさと言い続ける母。

目覚めの悪さと、“一琉”というワードに少しムッとする。


「一琉は関係ないでしょ?高校違うんだし…」


「あ、そういえば」

そんな私にお構い無しに、母が話を変えてきた。


「あんた今週末、試合の応援に行くんだって?一琉くん楽しみにしてたわよ?」

やっぱり仲が良いのねーと機嫌の直った様子の母に、これ以上関わるのはよそうと私は曖昧に笑ってごまかした。



「まったく…」

(お母さんの“一琉好き”には本当に参るわ…)

小さい頃から一琉が大好きで、むしろ私より一琉が好きなんじゃないかと思うほど、母は一琉が気に入ってきた。


部屋に戻って、ふぅと一息つき何気無く携帯電話を確認する。


『明日の代休日、午後から何か予定ある?

なければ会おう』



朝斗さんからlineが届いていた。

(嘘っ!?)

私はすぐに時間を確認する。

―――届いていたのは、昨日の夜11時過ぎだ。


そして今は…もうすぐ11時。


(“午後から”って…何時からのことですかっ?)


急いで返信をしようと、

『おはようございます』と書き進めていって、この時間におはようはおかしいか…と消す。


『こんにちは。返信が遅くなってごめんなさい。午後暇してます。何時に、どこに行けば良いでしょう?』


そうlineを返信してから、私はすぐに身支度を始めた。


(今日も、朝斗さんに会える!)


そんなワクワクとドキドキを身に纏いながら―――。

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