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恋してるだけ   作者: 夢呂
第十八章【文化祭二日目】
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「優妃?そろそろ起きないと遅刻するよ?」

「うーん、お母さん…あとちょっと…」

頭上から私を起こす声がして、私はすぐにそうお願いする。


(ようやくさっき眠りについたところだったのに…)

寝返りを打とうとした私は、何かに動きを封じ込まれていた。

(ん?)


次の瞬間、唇に柔らかい感触がして、私はうっすらと目を開けた。


「お母さん、じゃないけど?」

ブハッと朝斗さんが噴き出して笑い出す。


「!!!」

(うわ、完全に寝惚けてたところ見られたっ!?)

私は一瞬で目がさえた。


「す、すみません!今すぐ起きます!」

勢いよく布団から飛び起きた私を見て、朝斗さんがまた笑う。


「朝御飯、食べよう?」




朝斗さんの後をついてリビングへ向かうと、キッチンには紫さんが立っていた。

「おはよ、優妃ちゃん!よく眠れた?」


「っ!」

(ゆ、紫さん!)

またしても、ブラの一件を思い出して私は赤面したままうつ向いた。


「って、うわ…隈が酷いわね…あとでメイクしてあげるわ」

キッチンからこちらへ歩み寄り、紫さんが心配そうに私の頬に手を添えて顔を覗き込む。


(わわわ…っ)

ボッと一気に顔に火がついたように熱くなる。

朝斗さんがすぐに紫さんの手を私から払い除けた。


「触るなって、だから」

「朝からうるさいわねー、朝斗ったら。本当器がちっさいんだから。」

「お前は、そのしゃべり方がキモイ」

「あ゛ぁ?今なんつった!」


はたから見たら、美男美女が口喧嘩しているようにも見える。

(なのに、紫さん…男の人なんだもんなぁ…。)


って、そんなこと思ってる場合じゃなかった!

私のせいで、登校時間まであと僅かなのだ。



「えぇっと、ごはん!いただいてもいいですか?

あの…時間も無いですし…」



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