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恋してるだけ   作者: 夢呂
第十七章【合間の気持ち】
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おまけ【眠りにつくまで】5

紫さんが男の人?

いやいや、落ち着け。

ただウィッグ着けてただけで、男だなんて判断するのは…―――。


(でも、さっきのあの反応からして…――)


え、でも仮に男の人だったとして、なんであの格好を―――?


(紫さんは、女の子が好き?それとも…)


「優妃、もう寝た?」

朝斗さんの声は、混乱したまま布団に包まって、ぐるぐると考えを巡らせている私の耳に届かなかった。


(そういえば今日、一琉見たときにタイプとか言ってなかった?)


ということは、やっぱり…――――。


スッと長い腕がベッドから降りてきて、ベッドの横の床に布団を敷いて寝ていた、私の髪に触れた。


「朝斗さん?」

朝斗さんの手に気がついた私はベッドの方に向き直る。

すると、ベッドから顔を覗かせていた朝斗さんと目があった。


「なに、考えてた?」

ムウと拗ねたような表情で、朝斗さんは私を見下ろしていた。


「え、いや…。紫さんが女装?していたのが衝撃的過ぎて」


以前(まえ)にも言ったと思うけど?」

朝斗さんが低い声で言った。


「他の()の話とかされたくないって。」


(あ…―――、てことはやっぱり!?)


疑問が確信に変わって、咄嗟に思い出したのは、“先ほどのブラのやり取り”だった。


「ひっ」

驚きのあまり変な声が出てしまい、慌てて手で押さえた。


(嘘っ!私、男の人からブラをもらっ…――)

しかも、その場で着けたりして…――。


「優妃?」


(無理!どうしよう、記憶を消したい!というか、あのやり取りを完全消去したいっ!)

頭から煙が出た。顔から火が出るどころではない。


「やっぱり優妃が、こっちで寝なよ」

ベッドから上半身を起こして、朝斗さんが言った。


「や、無理ですって!私はここで大丈夫ですし――…。」

(というか今、それどころではなくて…っ)


紫さんとのあのやり取りが死ぬほど恥ずかしくて、いたたまれずに悶絶していた私は、涙目で答える。


「そ。こっちで寝ないなら、俺がそっちで寝る」

私をじっと見つめながら、不機嫌な表情(かお)で朝斗さんが言った。


「え?」

「一緒に、そっちの布団で。」


「えぇっ!?」


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