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恋してるだけ   作者: 夢呂
第三章【自分の気持ち】
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結局あのあと、試着させられたりしながら水着を買うことになった。


(スクール水着じゃない水着…着るの?男子もいるのに?)


男子に、というより、一護くんに見られるのが恥ずかしい。


「優妃ちゃん?」


高校の花壇にホースで水やりをしていた私は、

突然人の気配もなく声をかけられて驚きのあまり勢いよく振り返ってしまった。


バシャッ…


もちろんホースの水が勢いよく出たままで、私は振り返ってすぐに青ざめる。


(嘘…っ…)


私に話し掛けてきたのは、早馬先輩だった。


「すみませんっ、今タオルを…」


花壇の近くに置いていた鞄から、タオルを取り出して濡れた先輩の肩を軽く背伸びをして拭く。


「大丈夫!今日は暑いし、すぐに乾くよ」


早馬先輩がニコッと安心させるように微笑む。


申し訳なくて必死だった私は、先輩との距離が近すぎることに気がついて、慌てて離れようとした。


「わ…」「おっと…」

石に躓いて、後ろに転びそうになった私の腰に先輩の手が伸びてきた。


力強く引き寄せられて、すっぽりと先輩の体にうずくまってしまう。


「大丈夫?」


先輩の声が、すぐ近くにある。

私は意識し過ぎて固まったまま動けなくなった。


(先輩の身体に…私いま…触れてる…)


身体中が心臓になってしまったみたいだ。

ドクンドクンと音を立て、それがまた自分の意識を強めてしまう。



「優妃ちゃん、」


先輩の甘い声に呼ばれ、私は顔を上げる。


すると次の瞬間、私の顎に手を添えて先輩は、私の頬にキスをした。


「俺のものになってよ」

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