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滅亡世界の果てで  作者: 漆之黒褐
第1章
14/52

ビザンテのギルド

「あれ? にーちゃん、そんな大荷物もって何処いくんだ?」


「ん、ちょっと町まで行ってお金に換えようかと」


「おかね? それうまいのか!?」


 うん、予想していたけどビックスはお金の事も知らないらしい。


 基本、ウルス村は自給自足で暮らしていけるようなので、物々交換をするばかりで貨幣は使用していなかった。

 村長の話では、ごくたまに必要になったものを町で買うらしいが、その時には売れそうな物を町に持って行って売ってからお金にしていたとのこと。

 余ったお金も後に取っておかず、町で全部使うらしい。

 なので、子供達はお金というものを見た事がないようだった。


 でも町までは俺の足で1時間。

 子供達の足でも十分に行く事が出来る距離。


「ビックスは町に行った事がないのか?」


「うん、行った事ないよ? だって、町には狂暴な野獣や鬼が出るんだろ? だから、大人になるまで行っちゃダメだって言われてるんだ」


 野獣や鬼って……どんな町だよ、それ。


「そ、そうか」


「にーちゃんは大人だから良いんだよな! 帰ってきたら町の話し聞かせてくれ!」


「おう」


 ビックスがぶんぶんと手を振って見送ってくれる中、俺はガラガラと荷車を引いて教会を後にする。

 教会から町までは徒歩で約1時間。

 但し、教会から町に直接続く道はない。

 だから一端ウルス村に向かった後、ウルス村から繋がっている道を進んで町まで向かう。

 そうすると、合わせて徒歩で約1時間半。

 荷物一杯の荷車を引いているので進む速度も落ち、途中休憩も取る予定なのでその倍の3時間を見積もった。

 つまり、午前中に出て昼食のお弁当も持参。

 帰りは夜になる予定である。

 場合によっては町で一泊してくるとの旨もみんなに伝えてから出かけた。


 荷車に乗せているのは昨日採ったばかりの川魚が入っている桶、塩分の採れる草、伯爵イモ1個の食材計3点と、石包丁に木の玩具数点。

 何が売れるかよく分からないので、とりあえず適当に摘んでみた。

 食材は売れると思うが、石包丁はちょっと微妙か。

 木の玩具はウネウネ動く蛇や積み木ブロック、コマ、そして木琴と木笛。

 思いつきで作ったにしては上々の出来。

 何度か制作に失敗したものの、クラフト系の才能を持っているだけで腕がメキメキと上達してくれるので、正直俺も驚いているぐらいだった。

 見えない所で補正効果か何かが働いているのだろう。


 それらを俺専用の大きな荷車でゴロゴロと引いていく。

 最初は手ぶらで町に行こうと思っていたのだが、よく考えなくても俺は文無しだった事を思い出して、急遽これらの品物を準備した訳である。

 正直、日本では物を売ってお金を作るという発想自体がなかったので、ちょっと思い悩んだものだ。

 お金は会社で適当に仕事をしていれば自動的に口座へ振り込まれたしな。


 というか、俺の口座にあった貯金はいったいどうなるんだろうか。

 お金のかかるような趣味は持ってなかったので、貯金残高は軽く一千万は越えていた筈である。

 すげー勿体ないよな。

 神様、女神様、あれなんとかしてくれないかなぁ?


 などと思っていたら――。




『神様クエストが発生しました。

 クリアすると、と~っても嬉しいプレゼントがあります』


 ・空間魔法を使えるようになろう!




 うん、何となく読めた。

 神様ありがとう。

 でも、まだ暫く魔法は使えそうにないけどねっ(泣)!


「ほうほう、ここがビザンテの町か。思っていたよりも随分……寂れた印象が強い町だな」


 何度か休憩し、昼食も取った後。

 ようやく町に辿り着くと、そこには門番のいない立派な門が待ち受けていた。

 その門から覗く町並みは、閑散の一言に尽きる。

 村長の話では、西と東の門を繋ぐ大通りには毎日市がたっているという事だったのだが……。


「門番はサボってるのか、それとも人手が足りないだけなのか」


 ウルス村に住んでいた老人以外の者はこの地の領主によって全員連れて行かれたというぐらいなのだから、この町も無事で済む筈がない。

 もしかしたらウルス村以上に人手不足に陥り、ゴーストタウンと化している可能性すらありそうだった。

 そんな所にのこのこ荷車を引いて入ったら、あっと言う間に荷物を奪われかねない。

 まぁ、奪われて困るような物ではないが。

 困っているなら施しをあげても良いぐらいには教会の食事事情は改善されている。


「いや、考え過ぎか。とりあえず、ギルドに顔を出してみよう」


 ウルス村の村長曰く、このビザンテの町ならちゃんとしたギルドがあるとの事。

 まずそのギルドに顔を出して冒険者登録して身分証を発行してもらう。

 そうすれば、物を売る事も出来る様になるんだとか。

 もちろん、税金取られるけど。


「おっ。徐々に人の姿が」


 暫く大通りを歩いていると、人の姿がチラホラと見えてきた。

 ギルドはこの大通りの先、町の西側にあるという事なので、もしかしたら単純に東側が過疎っていただけなのかもしれない。


 目的のギルドまで辿り着くと、周辺には多くの屋台がたっており、この世界に来て初めて見る強そうなゴロツキどもの姿も多く確認出来た。

 しかも剣とか槍とかを装備している。

 ……いや、ゴロツキの姿なんてどうでもいい。

 可愛い受付嬢はいるかな~。


 ギルドの中に入ると人でごった返していた。

 これ全部、冒険者か。

 壁に張られている掲示板を眺めている人や、受付に並んで順番待ちしている人、何のために置かれているのか分からないテーブル席に座って雑談に興じている者。

 千差万別、意外と活気に満ちていた。


 ちなみに、荷車はギルドの横に置いてある。

 ギルドでは馬も貸し出しているらしく、その世話をしている人が俺のように荷物を持ってギルドを訪れた者の荷物を一時的に預かってくれるという。

 そういえばウルス村のギルドの横にも、馬の手綱を繋いでおくような丸木があった事を思い出す。

 きっとあそこも昔はこのビザンテの町のギルドの様に活気があったんだろうな。


 兎も角、俺が抱いていたイメージはかなり払拭された。

 魔王に一度滅ぼされた世界という事だが、どうやらそこまで壊滅的なダメージを受けた訳でもないようだ。


 少し気が楽になり、カウンターに向かう足取りも少し軽くなる。

 3人いる受付嬢のうち、一番可愛い女の子の列に並ぶ……前に、その右隣で目を光らせている強面のおやっさんの元へと向かう。

 初めての人は、一番右の受付でギルド登録するという話を村長に聞いていたからだ。


「どうも。ギルド登録をしたいのですが」


「おう、新入りか。真っ先に俺へ挨拶に来るとは、なかなか見所のある奴だな。名はなんと言う?」


「ケント・ホンゴーです」


「ケントか。俺はこの町のギルド長を任されている眼鉄のグレッグだ。あっちで受付している3人は俺の娘。どうだ、可愛いだろう? 近い方から順にベル、カーナ、エリスだ。……手を出したら殺すからな」


 眼帯を付けた禿頭のおやっさんにいきなり娘自慢され、同時に脅された。

 しかも胸倉も掴まれて。

 というか、二つ名まで持ってるって事はそれなりに知られている実力者なのかなぁ。


「まぁそうびびるな。ちょっとした冗談だ」


 後半は本気だったようだが。

 初めて殺気というものを感じた気がしたよ?


「一つ聞くが、何故まっすぐ俺の方に来た。普通はあっちの3人がいる列の方に皆並ぶんだがな」


「ギルド登録する場合は最初に一番右の受付に行けばいいという話を事前に聞いていましたので。それに……」


「それに?」


「ちょっと見た目が怖くても、暇そうにしている方に話し掛けた方がサッサと事務手続きが終わると思いました」


「ほぅ……俺が暇そう、ね。面と向かって堂々とそんな事を言ってくるとは、随分と肝が据わっている新入りだな。それも誰かさんの入れ知恵か?」


「いえ。……ちょっと口が滑りました。すみません」


 やばい、暫く気ままなのほほん生活をしてたから、危機管理意識が薄くなっている。

 俺は何を喧嘩うってんだ。


「ふん、まぁいい。暇なのは本当だからな」


 ほんとに暇なんだ。

 あんな可愛い娘を3人も持って、とても良いご身分だな。

 羨ましい。


「それじゃ質問だ。ギルド登録に必要だから嘘でも良いからちゃんと答えろよ」


「嘘でも、ですか?」


「どこの田舎から出てきたかしらんが、馬鹿正直に答えてばかりだとすぐに破滅するぞ」


「はぁ」


「それに、そんな大した質問をする訳じゃない。こっちとしては、ただ有り余ってる仕事を片付けてくれるだけで十分だからな。どこの馬の骨だろうと、キッチリ仕事をしてくれるんだったら神様でも死者でも異世界から来た謎の生命体でも大歓迎だ」


 随分と守備範囲の広いこって。

 まぁこれも冗談だとは思うけどね。


「そんな顔をするな。あと、質問をするのは俺じゃない。ベル」


「はい、とうさん」


「ここではギルド長と呼べ」


「はい、とうさん」


 3人いる受付嬢の中で一番若い女の子はニッコリ笑ってギルド長と席を変わる。

 実は仲が悪いのかな?


 ちなみに、突然に受付が変わった事でベルちゃんの列に並んでいた人達は一斉に抗議し始めたが、眼帯付けた強面のおやっさんに鋭い眼光とともに強烈な殺気を浴びせかけられて一様に黙りました。

 おおっ……ギラッていう擬音が聞こえた気がするよ。


「こんにちは、ケントさん。私は当ギルドで主に新入りの方のお相手をしています、真眼のベルと言います。以後、お見知りおきを」


 む……この子も二つ名持ちだ。

 流行ってるのだろうか?


 ベルちゃんは見た目13歳ぐらいの可愛い女の子だった。

 ピンク色の髪がふわふわとしているショートボブスタイルにくりくりとしたお目々。

 人懐っこそうな笑顔に少し日焼けした肌。

 身体の線は少し細いが運動不足という訳ではなさそうで、それは肌が少し焼けていることらしても何となく分かる。

 きっと何かスポーツを……いや、この世界ではたぶんそれは一般的ではなさそうなので、何か体力を使う仕事もしてるのだろう。

 健康美の持ち主だった。


「真眼って……もしかして嘘でも見抜く力を持ってるの?」


「そんな危ない能力があったらとっくに私は殺されちゃってますよ。ただの箔付けです。私に嘘吐いたらいけませんよ、っていう新入りさんへの忠告みたいなものです。だからケントさんも嘘ついちゃ嫌ですよ」


 片目をパチッと閉じてベルちゃんがウィンク攻撃。

 おおう……この子、毎日荒くれ者達を相手にしているだけあって、結構なやり手だ。

 彼女の可愛い瞳にいったい何人の男達が虜にされたのだろうか。

 んで、おやっさん……マジで何人か殺してるのかも。


「では第1問。じゃじゃん。あなたのお名前は?」


 じゃじゃんって。

 なんか日本でも馴染みあるクイズ番組形式になってるんだが。

 この異世界に飛ばされた前任者の誰かが広めたのかなぁ?


「えっと……ケント・ホンゴーです」


「第2問。殺人などの犯罪歴はおありですか? 10数える内に答えて下さい」


 更にちょっと本格的になった。

 間違いないかも。


「特にありません」


「何かを盗んだ事も?」


 う……そう問われると流石に困る。

 会社の備品であるボールペンを私物化して日常でも使っているとか、そういう犯罪にならないけど小さないけない事ぐらいはしてるかもしれない。

 一応、これも盗みに入ってしまう。


「……犯罪となるほどのものは流石に盗んだ事はない、かな?」


「じー」


「えっと……」


 み、見られてる!?


「結構です。では第3問」


 チラッと横に視線を向けると、ギルド長のグレッグさんがニヤニヤ笑っていた。

 どうやら誰でも通る道らしい。

 確信犯か!


「本日、ギルド登録しにきた理由は何でしょうか? 以下の中からお答え下さい」


 今度は選択式。

 なんか遊ばれているような気がしてきた。


「①冒険者になって生きるため。②身分証明書用。③気が向いたから。④それ以外。なお、複数回答も可です」


「②と④です」


「④番と答えた方は、具体的にその理由を述べて下さい。なお、黙秘しても別に構いません。但しその場合には黙秘したという事実がギルド証に記録されますので御注意下さい」


 親切なのか、それとも親切じゃないのか。

 ギルド長が嘘を吐いても良いと言ったのは、もしかしたらここの部分なのかも知れない。

 嘘でも何か答えておかないと、黙秘した方が絶対に怪しまれるため。


「物を買うためのお金を持ち合わせていないので、物を売るためにギルド登録しにきました。売り物はギルドの外に置いてあります」


「確認のため、後で見せてもらっても良いですか?」


「はい」


「買い取りならこのギルドの裏でもやってるから、そこで一度見てもらいな。俺の女房達がそこで働いてる。俺からだって言えば悪いようにはしないはずだ」


 今おやっさん、女房()って言ったな、達って。

 あの強面で複数の奥さん持ってるって……なんか殺意の波動に目覚めそうだ。


「ありがとうございます。正直どこで売ろうか困ってた所です。この後、早速顔を出してみます」


「ちなみに奴隷を買いたかったらこの町じゃ無理だからな。南西にあるティードか西のカターゴに行け。俺のお勧めはカターゴだ。あそこなら味見も出来る」


「は?」


 奴隷?

 味見?


「は、じゃねぇだろ。御前さんもまだ若いんだから、ハーレムの一つや二つ作る気概がなくてどうする」


「いえ、別にそういう事は……」


 年頃の娘3人の前でいったい何を口走ってるんだ、このエロ親父は。

 別に俺も興味がない訳じゃないが、教会で子供達に囲まれて暮らしているとそんな邪な考えは綺麗サッパリに吹き飛ばされてしまう。

 そりゃ、多少は光源氏計画とか思わないでもない。

 カリーちゃん、マリンちゃん、ミントちゃん、それに他の子供達もみんな可愛いからな。

 でもそれはもっと先の話、年単位の先の未来だ。

 その頃には色々と俺も心変わりしていると思うが、今は全くそんな気はない。


 俺の中にあった邪悪な心は、子供達の純粋な心によってすっかり浄化されている。

 今の俺は一家の大黒柱、お父さんみたいなものなのだ!

 実年齢的にもね。


「若さが足りねぇな。御前いくつよ」


「とうさん、それ私の仕事」


「良いじゃねぇか。んで、いくつだ?」


「数えていないので正確な事は分かりませんが、たぶん20歳ぐらいかと」


 サバ読んでみました。

 さて、この嘘はばれるかな?

 真実は30歳越えだけど、見た目にはだいたい22歳だった頃の風貌。

 2重の嘘を吐いてみる。


「なんだ、意外と年くってるな。俺はてっきり15歳ぐらいかと思ったぞ」


「流石にそれは……」


 ああ、そういえば日本人は外人からは若く見られるんだったか。

 鼻が低く顔のホリが浅かったり、顔のアウトラインがはっきりしていなかったり、丸顔だったり。

 日本人にとっては十分に大人な顔立ちでも、外人にとっては若く見えてしまう。


 まぁ後は、俺の顔がちょっと童顔だっただけか。

 背が高いのはあまり関係がない。

 自分自身の事なので、今の顔立ちと筋肉の付き方から全盛期の22歳ぐらいだと俺には分かるが、端から見たら15歳の時と22歳の時とではあまり違っていないのかもしれない。


有罪(ギルティ)。とうさん、この人、嘘吐いてる」


 あ、なんか嘘がばれた。

 ベルちゃんの目がちょっと細くなってるよ。


「そうか。んじゃ、15歳にしとけ。流石にその綺麗な顔で20歳というのは、な……貴族じゃあるまいし、誰も信じてくれんだろう」


「はい、とうさん」


 あれ、丸く収まっちゃった?

 まぁ良いか。


「では、最後の質問です。出身地は?」


 最後にその質問がくるのか。

 日本と答えたい所だけど、ここは前任者が何人もいた世界。

 なので、もしかしたら日本と答えると警戒される可能性がある。

 何しろ、女神の話では世界を滅ぼした初代魔王も、その後を継いだ二代目魔王も、どちらも異世界の住人らしいからな。

 クイズ番組みたいな質問をしてきたぐらいなので、日本という地名を知っている可能性をまるで否定出来ない。


 さて、どうするか。


 素直に日本と答えるべきか。

 それとも……とりあえず嘘でも良いので、ウルス村とでも答えておくべきか。


 ファイナルアンサー?


「ウルス村です」


 そう答えた瞬間。


 ジジッ……。


「!?」


 気のせいか、世界が一瞬暗転した気がした。


「それは嘘だな」


「ギルティ。って、とうさん。それ私の仕事だって」


 まるで競い合うかのように嘘だと指摘された。

 早押しクイズだったらギルド長に軍配があがったな。


「ぼうず、御前さんの出身地はもっと別の所だよな?」


「えっと……はい」


 なんか念を押されるように問われたので、今度は正直に答えた。


「ベル、今の答えもキッチリ記録しておけよ。んじゃ、この話は終わりだ。ギルド証はすぐに出来上がるからちょっと待ってろ。……ああ、そうだ。売りたい品物があったんだったな。先に裏へ行ってこい。帰ってくる頃には出来上がってるだろう」


「あの……ギルドルールの説明とかはしてくれないんですか?」


「それは出来上がってからだ。ギルド証を作るのも新入りに簡単なレクチャーをするのもベルの仕事だからな。いっぺんに全部は無理だ」


「ああ、そういう事ですか。分かりました。お言葉に甘えて先に裏へ行ってみます」


「買い取り金額が不服に感じたら俺を呼べ。黙らせてやる」


 黙らせてやるって、それって間違いなく俺の方をだよな?


「そうならない事を願ってます」


「俺もそう願ってるよ」


 なんか色々と釈然としなかったが、ここは人が多すぎて考え事には向かないので後回しにした。

 とりあえず予定を一つ一つ消化したあと、帰り道とかでゆっくり考えよう。












 ケントがギルドを出て行った後。


「……ウルス村、か。厄介な名を出しやがって」


「とうさん、何か言った?」


「いや、独り言だ。というか、好い加減ギルド長と呼べ。奴隷として売り払っちまうぞ」


「その時は高く売れると良いね」


「ふん」


 グレッグは何事も起こらない事を密かに願っていた。

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